2016年3月
■2016年3月
ホンダは新型燃料電池車クラリティ・フューエルセルを2016年3月10日に発売した。これは2015年の東京モーターショーに参考出品されていたモデルを市販化したもので、過去に官公庁などにリースしていたFCXクラリティをフルモデルチェンジしたモデルだ。
外観デザインはワイド&ローの基本ボディが特徴で、これに力強さや空力特性の高さなどを表現した流れるようなものとした。全長と全幅はかなり大きく作られているが、全高は低く抑えていて、いかにもスタイリッシュな4ドアセダンとされている。
インテリアは5名乗車が可能な広い室内空間を備えるとともに、環境に優しく上質な素材であるウルトラスエードや植物由来素材のプライムスムースを採用する。デジタルグラフィックメーターによる先進性と豊かな空間を調和させたものだ。
クラリティ・フューエルセルの特徴は、電気モーターをコンパクト化してボンネットフードの低い位置に搭載し、その上にやはり大幅なコンパクト化を図った燃料電池を搭載し、さらにその上に制御系を配置して、主要コンポーネンツをボンネット内に納めたことだ。
駆動用のリチウムイオン電池を前席のシート下に、水素タンクは後席下とトランクルーム内に搭載することで、5名乗車が可能なパッケージングを実現し、ラゲッジスペースの容量もゴルフバッグが3個入るものとした。
固体高分子型の燃料電池スタックは103kWの最高出力を持ち、電気モーターは130kW/300N・mのパワー&トルクを発生する。水素を入れる燃料タンクは2個分を合わせると141Lの容量があり、ゼロエミッションビークルとして世界でもトップクラスの750kmの航続距離(JC08モード走行パターンに基づくホンダ測定値)を達成したという。
快適装備はヘッドアップディスプレーやホンダインターナビ+リンクアップフリーなどが標準で装備され、安全装備は歩行者事故低減ステアリングなどを含めた最新のホンダセンシングが標準装備されている。
初年度の販売予定台数は200台で、これは大半が官公庁を中心にしたリースになるという。初期受注が落ち着いた後、1年から1年半後に一般ユーザー向けにも市販する予定という。
なお、クラリティ・フューエルセルから外部に電気を供給するための運搬が可能な外部給電器も同時に発表・発売されている。