ホンダ アコード 「優雅で賢くて先進的なホンダらしいセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

優雅で賢くて先進的なホンダらしいセダン

2024.4.29

年式

2024年3月〜モデル

総評

ロー＆ワイドなプロポーションながら、落ち着いた気品漂うスタイリングでフラッグシップの貫禄を身につけています。Google搭載で先進的なインフォテインメントを手に入れ、走りはスムーズさと気持ちよさを突き詰めたe:HEV。乗り心地も上質になり、ホッとするマイホームのようなセダンになっていると思います。

満足している点

シーンに応じた走りや乗り心地の完成度が高いと感じます。たとえば走行モードが「SPORT」「NORMAL」「COMFORT」「ECON」「INDIVIDUAL」の5種類から選べますが、「SPORT」を選択するとステアリングがどっしりと重くなり、高い出力を保って高揚感のある走りを演出。6軸で車両状態を検知する「アダプティブダンパーシステム」が最適化され、足まわりも硬めでキビキビと爽快に。一方でコーナリング時に車両の挙動をコントロールする「モーションマネジメントシステム」が新たに採用され、従来からある「アジャイルハンドリングアシスト」に前荷重制御が加わったことで、街乗りでもスムーズな乗り味となって快適なドライブをかなえています。

不満な点

あまり不満な点はないですが、日本ではモノグレードとなるので選択肢が狭まってしまうことと、細かいところでは後席のセンターアームレストを引き出す時のバンドがついていないので、引き出しにくいところ。

デザイン

5

先代モデルのようにエッジの効いたキャラクターラインがほとんどなく、写真で見るとちょっとのっぺりとしておとなしく見えてしまうかもしれませんが、実車を見ると優雅で気品があふれ、大人の色気も漂う素敵なデザインだと感じます。とくに、サイドからリアにまわって眺めると、サイドの下にブラックを入れたことで車体の長さが強調され、流麗なルーフラインと相まって美しいクーペセダンスタイルになっています。

走行性能

5

ほっとするような悠々とした走りから、ゾクゾクするようなアグレッシブな走りまで、1台で楽しめるのがこのアコード。2.0Lのアトキンソンサイクル直噴エンジンと新開発の高出力モーターの組み合わせによるe:HEVは、先代同様に高効率を突き詰めながらも、音や出力などがドライバーの意思に沿った感覚で引き出されるようになりました。エンジン直結による爽快感など、ホンダならではの爽快感が味わえる走りです。

乗り心地

5

骨格の50％に軽量で強度の高い高張力鋼板を採用したボディは、時にしなやかで時にガッシリとした剛性バランスが秀逸で、サスペンションもいい働きをしてくれるため乗り心地は後席でも快適。タイヤ内部で発生する不快な共鳴音を打ち消すという、「ノイズリデューシングホイール」と呼ばれる19インチホイールの採用などによって、室内の静粛性も高いと感じます。

積載性

5

ビュンと素早く全開になるトランクリッドで、深さと奥行きのある荷物スペースを確保。容量570Lはクーペスタイルのセダンとしては十分に大きいと言えます。9.5インチのゴルフバッグが4個積載可能で、後席は左右一体となって前倒しも可能。トランクスルー機構があり、4人乗車でもスキーなどの長尺物が積めます。

燃費

5

カタログ数値は23.8km/L。試乗日が土砂降りの雨だったため、実用燃費の計測はできませんでしたが、市街地ではバッテリーを積極的に使ったEV走行がメインとなり、高速ではエンジンの美味しいところを活用することができるため、かなり効率よく走っている感覚がありました。実用燃費も期待できると思います。

価格

5

車両価格は550万円を切り、オプションをいろいろ入れても580万円くらい。直接的な比較はできませんが、クラウンのセダンに比べて200万円くらいお安いと考えると、走りの良さから装備の充実度まで含めて、とてもリーズナブルに思えます。