唯一無二の官能!
この車がこんな安さで買えていいの!? という、とんでもない名車。その安さのわけは「不人気」だから。不人気とは恐ろしい。しかしおかげで
2007.1.28
- 総評
- 唯一無二の官能!
この車がこんな安さで買えていいの!? という、とんでもない名車。その安さのわけは「不人気」だから。不人気とは恐ろしい。しかしおかげで、めったに同じ車と出会わないという特典もある。
僕はデザインとエンジンを評価項目の上位に据えるが、この車のデザインとエンジンは最高に素晴らしい。
まずデザイン。のちBMWに移籍し、Z8をデザインするクリス・バングルの手によるこのデザインはとにかく素晴らしく、後にも先にも見かけないデザインである。特にイメージカラーのイエローを選択すれば、その美しさとアピール度は断トツである。とやかくは言わない、とにかく一度現物を見るべし、そう言いたい。おそらく惚れるか、好まないか、2つに1つしかないだろう特徴のあるデザインである。
また、このようなデザインの車のためとにかく目立つ。ゆえに高速道路などでもよけられたり、逆に追われたりすることも多い。このような時に動力性能がしょぼいと悲しい思いをする。しかし、このクーペ・フィアットはけっして見かけ倒しではない!
直5で220PSのエンジンは、感覚性能はそれをはるかに上回る。はっきり言って直線番長だが、時速150kmくらいまでの加速は実にエモーショナルでエンジン音も素晴らしく、文句のつけようがない。速度を上げれば上げるほど、足がしなやかになるのも不思議である。
「スポーツカー」とはかくあるべし、という主張が全身から聞こえてくるこのクーペ、楽しい車がほしい人にはぜひお勧めしたい一台である。逆に車に合理的なものやユーティリティを求めるむきには、全くもって向かない車であることも付け加えておく(6MTしかないしね)。
- 満足している点
- ・どっかんターボのエンジン・・・突然猛烈なトルクが立ち上がる20世紀型ターボエンジン。しかもなぜか直5。全開加速すると容易に前輪は空転し、とても220psしかないとは思えない。この狂ったような加速をこみこみ300万円で味わえる美味しさ。
・唯一無二の官能デザイン・・・この車を好きな人はこのデザインが気にいって買うんでしょうな、という好き嫌いの分かれる個性的デザイン。ちなみにシューマッハや日本の著名人などこの車を所有していた人は多い。概して車で目立ちたい人には向いていると言えよう。
・こだわりの数々・・・ブレーキはブレンボ、内装はピニンファリーナ、シートベルトはサベルト、メーターはベグリア、ハンドルはモモと各社競演(ほとんどイタリア製)でイタリアの粋を集めた作り。しかしエアコンだけは日本製なのが爆笑。
・実は右ハン・・・左ハンドルの方が出来が良いといううわさもあるが、最終型は全車右ハンドル。なので困らない。
・FF最強の称号(ただし高速のみ)・・・FFで220馬力は世界最強の性能の一つであった。しかし峠では同じく220馬力のインテRにはやはり勝てない。だが高速はトルクが32もあり、180キロのリミッターもないため僅差でFF世界最速(とはいえアクセラスポーツのターボ版が出たので、今は世界一速いFFとは言えまい)。
・とにかく走っていない・・・1年に1回くらいしか出くわさない。いろんな人に「これ何て車?」と聞かれる(おまわりさんにさえも(笑))。いくら? と聞かれて2倍の値段(600~800万円)を答えてもばれない高級感・・・と言うか押し出しの強さ。
・とにかく乗って楽しい・・・理屈じゃなくてとにかく楽しい。
- 不満な点
- ・ディーラーまでイタリアン!?(結構適当)
・内装の細部がイタリアン!?(ゴムがびろーんとなったりする。ディーラーに持っていくと、普通ですよとか言われて言いくるめられる。おい)
・やはりイタリア製だけあって、細かいトラブルは多目か。とはいえ1万5千は走っているがそれほど大きなトラブルは出ていない。しかし日本車と比べたらそりゃあねえ・・・。
・ボンネットオープナーがもげる(あくまで僕の場合)。
・シフトの入り具合は非官能的・・・シフトはFR車の方が気持ち良いし、FF車でも例えばインテRなどには適わない。
・目立ちすぎで、妻や彼女の性格によっては嫌がられる(辛い)。
・6MTしかないので妻や彼女に運転してもらえない(ことが大半)。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験