現状R8ほどではないが、乗り心地も悪くない
2010年に最も注目を浴びたスーパーカーの1台が、このフェラーリ458イタリアだ。フェラーリの新型車はいつ
2012.1.31
- 総評
- 現状R8ほどではないが、乗り心地も悪くない
2010年に最も注目を浴びたスーパーカーの1台が、このフェラーリ458イタリアだ。フェラーリの新型車はいつの時代も注目を浴びるものだが、今回はその完成度の高さというか、パフォーマンスの凄さに、これまで以上のビックリ驚きでもって迎えられた。
V8エンジンをミッドに積むフェラーリといえば、1970年代のはじめから入門用の跳ね馬として人気を博してきたが、最近ではその価格帯が以前の12気筒並に引き上げられており、もちろん同時にパフォーマンスも過去を圧倒的に凌いでいるものだから、最早入門用というにはほど遠い存在になってしまった。いつの間にやらV8ミッドのフェラーリは、跳ね馬の本流となっていたのだった。
そこでマラネロは、入門用というか、より多くのクルマ好きが楽しめるよう、V8をフロントに積むカリフォルニアをデビューさせ、エントリーモデルとした。そういう戦略が、逆にV8ミッドモデルの“先鋭化”“高性能化”を促進した、とも言える。
458イタリアは、その名の通り、4.5リッターV8エンジンを積む、ミッドシップ2シーターのスーパーカーである。デザインはもちろんピニンファリーナ。F430に比べると、ぐっと低くなった印象があり、エアロダイナミクスの追求にもF1マシンの影響が散見される。 オープン使用物にしたい
- 満足している点
- インテリアとエクステリア
ドライバーズシートに腰を落ち着けると、外観で感じた低いという印象が間違いでなかったことを知る。着座位置はもちろん、ダッシュボードの位置も明らかに低い。その先には、フロントフェンダーのふくよかなラインがみえる。ああ、これこそスーパーカー
ステアリング上に、走りに必要な操作系を集中させるのは最近のフェラーリ流だが、ナビゲーション画面までメーター内に収めてきた。リモコン操作しかできないのは面倒だが、四角く無粋なモニターにコクピットの雰囲気を台無しにされることを回避できたのは喜ばしい。
走り出した途端、このクルマの最大の魅力を知ることになる。軽く、凝縮感があって、かっちりしているところだ。つまり、すさまじいほどの一体感を味わうことができる。
デュアルクラッチシステムによるオートマチック走行は、フェラーリにしては快適のひとこと。低い回転数でちゃっちゃっとシフトアップしていき、それに応じてクルマもすっすっと軽快なステップを刻む。拍子抜けするほどスムースな市街地走行が楽しめた。しかも、クルマが“小さい”。前輪の動きはダイレクトかつ感覚が付いて行ける範囲でリニアだから、狭い路地でも躊躇なく入っていける。クルマとの繋がりが掴みやすいということ。ある意味、とてもフレンドリーな跳ね馬だ。
加速フィールは、強烈である。それでいて荒々しさはない。洗練されている。まとまっていると言ってもいい。それゆえ、たとえばF430スクーデリアあたりの過激さを経験したことがあるフェラリスタには、ちょっと物足りないかも知れない。フェラーリ好きを、そう思わせてしまうほど、完成度が高いというわけだ。
山岳路に持ち込めば、そこから先はもう絶叫マシンの如くである。安心と恐怖が咆哮でかき混ぜられ、とめどない欲望にかられるままアクセルペダルを踏み続けた。ワンディングの麓にコイツとともに住んでみたい。こんなことを思うのは、はじめての初経験だ。
正直、430以前のフェラーリのインテリアデザインにはあまり感心しなかった。ごてごてとしていて、エレガントさもなく、洗練さとは無縁のコクピットだったと思う。今回も、割と凝ったデザインになっているが、それでもエクステリアとの一定の調和もあって、ところどころにスーパーカーらしい“派手さ”もあり、随分ときれいにまとめられていると思う。
- 不満な点
- 性能を考えると安いが、2500万円くらいが妥当
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験