フロントエンジンに戻した訳
365BBから続いていたミッドシップをコロッとフロントエンジンに戻された最初のモデル。
テスタロッサ系で培ったあのデザイン
2012.3.9
- 総評
- フロントエンジンに戻した訳
365BBから続いていたミッドシップをコロッとフロントエンジンに戻された最初のモデル。
テスタロッサ系で培ったあのデザインはどこへやら。
真横から見ると砲弾のような、斜めから見るとサメのような、良く言えばシンプルだが
普通に言ってもイマイチ。テスタ時代のファンからすると衝撃的に裏切られたスタイルを持つ。
このスタイルのおかげで暫く購入することすら頭に浮かばなかったのだが
大した理由ではないが、うっかり買ってしまう。これが蜜月の始まり。
5年以上乗り続けることになった。
納車直後、自宅までの数キロ程度を流しただけで完全にほれ込んでしまった。
それまでV12・V8共にミッドシップしか乗ったことがなかったのだが
あのどこかフラつく不安定感が全く無い。
シフトの操作感といいアクセルの抵抗、クラッチの程よい重さ、ブレーキの違和感の無さなど
クオリティの高さがドライバーにどんどん伝わってくる。
本当に良い車はたたずまいで判るという。
さすがにたたずまいではわからなかったが、数分のドライブで大きな感動に襲われた車は
このモデルが初めてだった。
短絡的には、フロントに重たいものを載せて車の挙動を安定させたことになるのだが
そのおかげでフェラーリの能力を大きく損なわずに存分に活かせる仕上がりとなった。
さほど腕がなくとも、170程の速度で快適に巡航する事が可能。普通の車の100くらいの感覚。
ぶっといトルクのおかげで、どのタイミングでもドライバーの意思沿ってに車がついてくる。
何度か筑波に持っていったが、サーキットでも耐えうるポテンシャルを持っている。
実際に、プロのレーサーが面白い車だとコメントをくれたほど。
ミッドシップであるため表現できなかった部分を解き放ち
ドライビングプレジャーを存分に堪能できるモデルである。
- 満足している点
- 走行安定性:先の記述通り一切の文句なし。
走り:トルクが太く、通常ならセカンド発進で良い。フロントが重く、アンダーに苦しむような
スタイルだが、首都高レベルならつるつると曲がってくれる。ギャップ後のバンプもなく
路面を舐めるような走りが楽しめる。万能感に包まれるやばい車。
シフト:当時のディアブロ等とは一線を画す精度の良さ。妙な重さや引っかかりも無く、
「キンっ!」とノブを鳴らしながらのシフトチェンジは楽しい。
クラッチ:さほど重たくない。そりゃぁ国産MTのクラッチに比べれば十分重いが、
渋滞にはまっても多少汗がにじむ程度。ふくらはぎがつるようなことは無い。
トルク:結構な坂道発進でも、1速ならアイドリングのまま繋いでもエンストせず登りだす。
アイドリング発進が可能というすごい奴。
エンストの心配がほとんど無いので、この車でヒール&トゥを練習したくらい。
内装:355等と比べると数段高級に仕上げている。ステアとクラッチに対し
シートのポジションに古いフェラーリのような無理が無い。現代ちっくな造り。
スタイル:599や612と比較するとかなり低く、またシャープである。
もちろん大衆が好む形ではないが。
使い勝手:非常に良い。パワステで回転半径もさほど大きくなく取り回しやすい。
底面も低すぎないため、気疲れせずにどんどん使える。正にコンビニに乗っていける車。
- 不満な点
- ラジエータ:大した空気穴も無い低いボンネットの中にぎっちり詰め込まれているため、真夏の
渋滞では水温が見る見る上がっていく。これだけは非常に怖かった。後に市販の
容量の大きいものに交換したが、目を見張るような改善はしなかった。
エキゾーストノート:あまり良くない。同じフロントエンジンなのだが、456は良い音を出す。
社外マフラーに変えてみたが、「ドドドドド」というテイスト。
フェラーリらしい甲高い音にはたどり着けなかった。
購入時期はもうすぐ575Mがリリースされる手前だったのだが、おかげで熟成されているのもあり
メジャーなトラブルは起こらなかった。
初期のマラネロはオイル漏れに悩まされる事が多いと聞く。
また、個体差が出る時代の車なので、
シフトの感触やクラッチの遊び幅などは車によって違いがある。
発生したマイナートラブルはバッテリーが2度続けて、1週間であがった事。
原因はパワーウインドウへのラインへ電流が漏れていると判明。引き直したら症状は無くなった。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験