SLクラスなみに快適で高級カルフルニア
2008年にショーデビューした、フェラーリにとっては初物づくしの2+2シーターFRスポーツカーである。(*カル
2012.1.31
- 総評
- SLクラスなみに快適で高級カルフルニア
2008年にショーデビューした、フェラーリにとっては初物づくしの2+2シーターFRスポーツカーである。(*カルフルニアとイタリアとレビューが車種がまいがっちゃいました)
何が初だったか。まずV8をフロントに積むのが初。そして、そのエンジンが直噴であるのも当時初(今ではV8ミッドの458イタリアもそうだ)、それに組み合わされるミッションがデュアルクラッチシステムというのも当時初、さらにリトラクタブルハードルーフオープンであることや、リアマルチリンクサスペンションも初だった。
それゆえ、フェラーリのオリジナル開発ではない、という推測もなり立つが、実際にはマセラティやアルファロメオの高級スポーツカーで使われたコンセプトの発展系である。
フェラーリとしては、限られたマーケットを広げるための新機軸であり、新たな顧客層=今までフェラーリに興味はあったが経済的理由以外で買わなかった人たち、に向けた新しい商品であると言っていい。
- 満足している点
- インテリアとエクステリア
フェラーリにしては、分かりやすく大胆なディテールをもつエクステリアが与えられた。大きなグリル、長いノーズ、個性的なサイドキャラクターとリアエンドを見て、これはフェラーリ美ではないと思った古いファンも多かったようだが、以上に新しいフェラーリだと認識する
クーペ/オープン両方のスタイリングをキレイにまとめたかったのだろう、この手のハードルーフオープンモデルのなかでは突出してキレイなシルエットを保った。そのためか、開閉方式はトランクまでと使うタイプ。複雑な制御は見ていてとても興味深い
インテリアも然り。このところのインテリアには、野暮で派手好みなイメージがあったのだが、一転して、ラグジュアリィムードとスポーティさを上手く融合できるようになった。トランクスルーを設けるなど、実用性も高い。
カリフォルニアには最近、HELEという“エコ”モデルが加わった。各種制御技術の徹底的な再プログラミングと軽量化によって“基礎体力”をまずあげておき、そこにスタート&ストップシステムと、エコドライブを可能とするシフトプログラムを付け加えて、特に都市部における燃費性能を大幅に引き上げた。数値的には、スタンダードのCO2排出量が299g/kmからHELEで270g/kmへと、1割近く削減された
とにかくフレンドリーである。直噴化の賜物か、低速トルクが十分あって、とても運転しやすい。軽い嘶きを聞きつつも、上質な革でくるんだショックを楽しみながらクルーズする。そういう意味では、確かにお気軽だ。
けれども、ひとたびモードをスポーツにし、アクセルペダルを踏みつければ、やはりフェラーリらしい咆哮と、切れたFRスポーツカー性能をみせてくれた。電光石火の変速も、さすがに“パイオニア”らしい。一転して、上出来のFRスポーツカーに変身する。速度域の高いところでは、立派に刺激的な跳ね馬になるのだ。
そして、オープンにしてしまえば...。天空舞うフェラーリサウンドが、全てのクルマ好きを虜にする。
- 不満な点
- 跳ね馬を何台も乗り継いできた人には、まったくもって“お気軽”なフェラーリだと思えることだろう。ハンドルはあくまでも軽く、シフトフィールは滑らかで、硬いが洗練された乗り心地に終始する。しかも、クーペとオープンの両方が楽しめるなんて...。SLクラスAMGの代わりに買ってみよう、と思った人がいたとしても、まったくもって不思議ではない。が
短所
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験