2025年3月
■2025年3月
ゼネラルモーターズ・ジャパンは、まったく新しい電気自動車(BEV)「キャデラック リリック」を2025年3月7日に発売した。
今回新たに発売された「リリック」は、キャデラックでは初となるバッテリー式電気自動車だ。日本導入は右ハンドル仕様の4WDのみで、グレード構成は「スポーツ」の単一。ボディサイズは全長4995mm×全幅1865mm×全高1640mm、ホイールベース3085mm。
パワートレーンは、フロントには最高出力170kW、最大トルク309Nm、リアには最高出力241kW、最大トルク415Nmの電動モーターを搭載。バッテリー容量は95.7kWhで、システムトータルでは最高出力384kW(約522PS)、最大トルク610Nmを発生。WLTCモードの一充電走行距離は510㎞と公表されている。
エクステリアは、新世代キャデラックのデザインコンセプトを取り入れたフロントマスクを採用。縦長のLEDヘッドランプや上部のスワイピングLEDウィンカー、ブラックのクリスタルシールド、クリアタイプのキャデラッククエンブレムなどを備えている。リアには1967年型「エルドラド」のオマージュとしてデザインされたテールランプを採用。また、電動サンシェード付きガラスルーフや21インチホイールを標準装備した。
インテリアでは、湾曲型にデザインされた9K相当の解像度の33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイを搭載。ドアパネルには、業界初のレーザーエッチングバックライトを配してきらめくような光の動きを生み出す「KOMOREBI(こもれび)」を備えている。また、ロータリーコントローラーにはローレット加工が施され、シートには新開発の高密度フォームを採用し、レザーに代わる動物由来ではないサステナブルな素材「Inteluxe(インタラックス)」を標準で装備した。ラゲージスペースは通常では793リッター、後席を倒した状態で最大1722リッター。ドアパネルやフットウェルなど好みに応じて照明色を選択できるアンビエントライトは126色を用意している。
プラットフォームは新たに開発された電気自動車専用のもので、出力タイプを選択できるドライビングモーターなど、電力の変換や制御、供給を統合したパワーエレクトロニクスとバッテリーセルを組み合わせた独自のモジュラーシステムで構成。車両の下部に沿って路面と水平に配置されたバッテリーを前後のタイヤ間に収めることで、低重心による安定性の向上と構造上の強度を確保した。
静粛性に優れているのも特徴で、ボディのあらゆる部分に吸音材や制振材を施すことでノイズを減らし騒音の低減を図っている。フロントとサイドの二重ガラスに加えて、リアガラスには5mm厚の強化ガラスを採用。また次世代型のアクティブノイズキャンセレーションも搭載し、車体四隅に配置した3軸加速度センサーでタイヤからの振動を検知し、キャビン内のマイクセンサーで検知したノイズと合わせて不快な侵入音を打ち消し、高レベルの静寂性を実現したという。
また、寒冷地での走行に対応するために「ワイパーヒーター」を搭載。加えて、乗員が車内の空調を設定すると、バッテリーシステムから発する余分な熱を活用して車内に送り込んで温める「ヒートポンプシステム」を備えたほか、フロントシートはヒーター&ベンチレーション、リアにもシートヒーターを標準装備した。
安全面では、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの運転支援システムを採用。また、リアカメラミラーはズーム機能や明るさ調整に対応している。さらに、20km/h以下で走行中、歩行者や自転車に車両の接近を知らせる車両接近通報装置は、オーストラリア古代楽器「ディジュリドゥ」の音を組み合わせた警告音を開発し、キャデラックとして初めて搭載したサイドバイシクルアラートと合わせて周囲の安全も確保するという。
ボディーカラーは、ステラーブラックメタリック、アージェントシルバーメタリックに有償色のクリスタルホワイトトライコートを加えた全3種類を設定した。
なお、同年3月8日から3月16日までの期間限定で「ローンチキャンペーン」を実施。ボディカラー5色、インテリアカラー3色、2つのルーフ関連オプションを自由にオーダー可能となっている。