BMW M5 「無理無理無理無理」のユーザーレビュー

無理無理無理無理

2021.12.19

総評

納車から一年半以上が経過して、クルマの性能何て一部しか引き出せてないけど、とりあえすレビューを書いてみることにしたけど…。


こんなモンスターマシンなんて、使いこなすのは無理無理無理無理！
自分のキャパを守りながら、コイツを刺激しないように運転しないと、ちょっとでもキバを剝かせると恐怖を味わうことになるので、これまでの愛車たちとはさすがにレベルが違う。
千葉の片田舎の公道なんかでは、コイツの実力なんて出せるわけないし、私の腕もついて行けない。
ただしそれでも自分が使いこなせないだけで、自分のレベルでドライブしてる限りでは、十分に楽しめる相棒なのは間違いない。
前の愛車D4とは一年足らずでお別れしてしまったけど、コイツとはできるだけ長く付き合って行きたいね。

ちょっとだけ寂しいのは、BMWドライバー以外は5シリーズとの見分けがつかないことかなぁ。
何とかエクステリアに違いを出したいけど、純正エアロフル装備して、リップスポイラーも付けて、足回り弄って2センチ車高下げて、それでもあんまり変わらない…。
う～ん、あとはどうしようか。

満足している点

コイツのクルマとしての成り立ちに、不満なんかあるわけがない。
自分の腕をはるかに超えるパワーに、それをガッチリ受け止める足回り、BMWらしいオン・ザ・レール感、コンサバなBMW的エクステリア、BMWとしてはクラス並みの高級感などなど。
我がドライバーレベルを考慮すれば、分不相応なクルマであり、満足するしかないよね。

不満な点

分かってて買ったけど、やっぱりデカ過ぎて狭い町では使い勝手が悪い。
それより不満と言うのもアレだけど、高性能過ぎて普通のジジイドライバーには、その一部しか使いこなせないのがもったいない…。

デザイン

4

7シリーズや4シリーズが、キドニーの大型化でアクの強さを前面に出してきた一方で、3シリーズとともにコンサバ路線を行く5シリーズをベースとしつつ、Mとしてのスポーツ性で演出したエクステリアと言うことかな。
BMWらしい都会的なイメージに、M5特有のバネルと空力パーツで武装しながらも、ゴテゴテとした派手さはなく、5シリーズのクリーンなラインの延長線上のデザインだと思う。

一方でM2, M3, M4がベースとなる2, 3, 4シリーズに対して、大掛かりな加飾を施しているにもかかわらず、M5は5シリーズとの差異が小さすぎるとも言える。
BMWのオーナーなら一目で分かるだろうが、少なくとも他メーカー車のオーナーなら、ほとんど気づない程度の違いでしかない。
この押し出しのなさを、ジェントルと捉えるべきか地味だと捉えるべきか、それによってデザインのポイントは変わってくるような…。
個人的には、もう少し押し出しが欲しい気がする (ガキだなぁｗ)。

インテリアはバケット型シート以外、5シリーズとほぼ共通。
メルセデスの煌びやかな高級感はないけど、クラス水準には質感で見劣りはしないと思う。
全体的には十分満足してるけど、ちょっと違いを出したくてアレコレ考えてしまう…。

走行性能

5

能力の二割くらいしか使えてないから、クルマが可哀そう(泣)。
少々ブン回してもミシリともしない高剛性なボディと、いまだに底が見えないエンジンのパワーは、さすがに「M」の看板通り。
私の腕では、まったくその限界に達することはできず、宝の持ち腐れ状態…。

幅広な二車線の直線道路で、何度かアクセルべた踏みにチャレンジしたら、シートの背もたれに身体が叩きつけられ、完全にアゴが上がってしまうという異次元の加速に、「怖い」と強く思ったのよね。
E90(335)やF32(ALPINA D4)では、少なくともこんな恐怖は感じなかったのになぁ。
私のような普通のジジイが所有するには、完全に行き過ぎたシロモノであり、自分が役者不足だと痛感させられたわ。

ボディが全長5m弱と巨大なため、取り回しは決して良くないが、ビシッと締まった足回りのおかげで安定感は素晴らしい。
コーナリングでは横Gを大いに感じるけど、オン・ザ・レール感を損なうようなことはない。
うん、楽しいっちゃー、楽しい。

しかしコイツに乗ってると、ダメな猛獣使いになった気分になるのよね。
私が使いこなすのは無理！

乗り心地

3

以前に試乗した時には、「M」だってことでガチガチなんじゃないかと警戒してたけど、コンフォートモードなら思いのほか快適なクルージングが可能だと分かったため、その後の購入に至ったわけで、日常ユースで苦痛を感じることはあんまりない。
しかし今の居住エリアが田舎で路面状態が悪いため、硬めの足が大きめの凹凸をかなり拾ってしまい、ゴトゴトと結構揺れる。
まぁ、M5に限らずBMWは総じてそうだが。

リアシートはさすがにEセグらしく広大であり、FRを感じさせないラクチン空間。
あんまり座ってないけど、たまに座る娘たちの寝心地は良さそうだわ。

またクルマの静粛性には問題ないけど、さすがにエンジンの始動音なんかは近所迷惑レベル。
音が反響しやすい地下駐車場でスタートボタン押したら、近くを通ってたお姉ちゃんが腰抜かしかけたんで、かなり申し訳ない気分になってしまったｗ

積載性

5

ハッチゲートのF36が480Lで相当大きく感じてたけど、コイツはセダンながら奥行きが深くて530Lもあり、かなりの容量はある。
奥行きが深すぎて、奥まで手が届かないのが難点と言えば難点。
まぁ、セダンとしての実用は十分以上だろうね。

燃費

3

エアコンをガンガン動かした街乗りでリッター当たり6キロ、高速走行をメインにエアコンなしで9キロ以上。
E90(335)が6～7キロだったのを思えば、排気量的にはずいぶんエコになったとは思う。
4.4リッターのエンジンなんで、10キロなんて期待できないしね。

価格

3

結構安価な中古で入手しただけに、割安なのは間違いないけどね。
それにしても絶対的な金額を思えば、購入に相当な覚悟が必要だったのは間違いない。
こんだけの金額のクルマは、維持費を含めても、今後二度と手を出すことはできないはず。
つーか、奥さん許してくれないし(汗)。

故障経験

右のドアミラーに仕込まれた、360°カメラの一部が壊れて、その部品の入手に長期間要したため、ACCがずーっと使えなかったのは辛かった。
もうジジイなんだから、楽に運転したいのよｗ