2018年8月
■2018年8月
BMWは「M2クーペ」に高性能エンジンを搭載し、より剛性・制動力を強化することで走行性能を高めた新型「M2 コンペティション」を、2018年8月23日に発売した。
「M2 コンペティション」は、3リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンを搭載し、最大出力302kW(410ps)/5,250-7,000rpm、最大トルク550Nm/2,350-5,200rpmを実現する高性能スポーツクーペだ。またM4と同等の冷却システムを採用し、ラジエーターやオイルクーラーを追加した。さらにカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を使用したストラット・ブレイズを採用することで、剛性を強化。あわせて大径のMスポーツブレーキを装備することで、制動力を強化した。ダンパーとスタビライザーは、専用設定した強化サスペンションを装備し、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)のセッティングや、シャシーにもチューニングを加え、高性能スポーツクーペに相応しい走行性能を実現している。
デザイン面では、フロントバンパー、キドニーグリル、エクステリアミラーのデザインを一新。冷却性能の向上にも寄与する大型化したエアインテークと共に、ハイグロスブラック仕上げのダブルバーキドニーグリルは左右が連結したようなデザインを採用することで、アグレッシブなデザインとなっている。エクステリアミラーには、空力性能を向上させるダブルリッジデザインのMミラーを搭載することで、よりアグレッシブなフロントデザインとした。また専用の19インチMライトアロイホイールと、大径ブレーキディスク、グレーメタリック仕上げのキャリパーが存在感を際立たせる、Mスポーツブレーキを新たに採用。リアに配されたハイグロスブラック仕上げのM2 Competitionバッジが、個性を強調している。
2019年1月1日には価格改定を実施した。
■2020年4月
BMWは、「M2 コンペティション」をベースに、サーキット走行性能を高めた「M2 CS」を60台限定で導入すると2020年4月6日に発表した。なお導入の60台は、既に納入先が決まっていて、完売しているという。
「M2 CS」は、「M2 コンペティション」に比べて最大出力を40PS向上させ、最高出力450PS(331kW)/6,250rpm、最大トルク550Nm/2,350rpm-5,500rpmを発揮する3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンを搭載して、より高い走行性能を実現した。
また、ダンパーやスタビライザーの特性をサーキット走行に適応させたアダプティブMサスペンションや、電子制御式多板クラッチにより走行状態に応じてパワーを左右リヤホイール間で最適配分するアクティブMディファレンシャルを標準装備。サーキットでのアグレッシブな走行時であっても、エンジンの性能を最大限路面へ伝達しながら、高い操縦安定性を発揮する。
さらに、ルーフやフロントスプリッター、リアスポイラー、リアディフューザーに加え、ボンネットにカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を採用して、約30㎏の軽量化を図っている。
同年4月23日には、「M2 コンペティション」をベースに、世界的に著名な現代アーティスト「FUTURA 2000」とコラボレーションした特別仕様車「M2 Edition Designed by Futura 2000(エム・ツー・エディション・デザインド・バイ・フューチュラ・ニセン)」を発売した。世界500台限定のうち、日本へは10台の導入となる。
「M2 Edition Designed by Futura 2000」は、独特な構図と色彩で1980年代からグラフィティ・アートの先駆者として活躍してきた「FUTURA 2000」が、内外装のデザインを施したモデル。外装はブラックをベースに、稲妻を彷彿とさせる不規則なラインが何本も走り、丸いノコギリ刃のようなFUTURA 2000ならではのデザインが散りばめられている。さらに、霧がかったようなシルバーのペイントを随所に施して、車両全体の凹凸を強調し、存在感と力強さを際立たせた。足元は、ジェット・ブラックの19インチアロイホイールを装備した。
インテリアは、ダッシュボードやセンターコンソールなどに、外装と同様のコンセプトで描かれたデザインを施した。またドアシルには、限定仕様の通し番号「1/500」とFUTURA 2000のサインが描かれた特製トリムを装備。フロントのスポーツシートには、FUTURA 2000のデザイン・コンセプトに合わせ、ブラック/アイボリー・ホワイトバイカラー(ポーラー・ブルー・コントラストステッチ付)のダコタレザーを採用した。
同年6月24日には、「M2 エディション・デザインド・バイ・フューチュラ 2000」について、BMWオンラインストア経由での予約注文受け付けを3台限定で開始した。
2021年4月1日には価格改定を実施した。
■2021年6月
BMWは、「M2」に特別仕様車「M2 CS レーシング」を設定して、2021年6月28日に受注を開始した。日本国内においては、BMW Mモデルのレース仕様車両を販売する国内唯一のBMW Mモータースポーツ・ディーラーである、株式会社モトーレン東都のみでの限定販売となる。
「M2 CS レーシング」は「M2 CS」をベースに、BMW M社が開発したサーキット専用モデル。3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンや、モータースポーツ専用のソフトウェアにより制御される7速DCTを搭載。最大トルク550Nm/2,350rpm-5,500rpmを発揮する。最高出力は、各レース規定に基づき280~365PSの間に設定可能となっている。また車両購入後に個人でパーツ等を追加することで、最高出力450PS(331kW)/6,250rpmまでチューンアップする事も可能な設計となっていると同時に、既に450PSまで引き上げられたモデルも販売される。エンジンパワーのコントロールは、パワースティックと呼ばれるUSBによって調整が可能で、レースごとに設定されるBOP(性能調整)に応じて、パフォーマンスレベルのプログラミングおよび呼び出しが可能となっている。
また専用に製造されたドライブシャフトや、タイヤの左右回転差を抑制するプリロード型の個別冷却システムを備えた機械式LSD(リミテッド・ステップ・ディファレンシャル)を標準装備。ABSやDSCなどのドライビングアシストシステムもレース仕様に調整されている。またメンテナンス容易にするエアジャッキシステムを標準装備した。