2017年10月
■2017年10月
FCAジャパンは、アルファロメオの高性能スポーツサルーンとなる「ジュリア」を2017年9月6日に発表、同年10月14日より販売を開始した。
新しいジュリアはかつての「アルファロメオ156」、「アルファロメオ159」を受け継ぐDセグメントのスポーツサルーン。最大の特徴はかつての「アルファロメオ75」以来のFRレイアウトを採用すること。ボディは全長4645mm×全幅1865mm×全高1435mm、ホイールベース2820mm(ジュリア)。「BMW3シリーズ」や「アウディA4」などのDセグメント(アッパーミドルサイズ)に入る大きさだ。
アルファロメオがジュリアに求めたのは「感情に訴えかけるマシン」であること。ドライバーの情感を掻き立てる新次元のドライビングエクスペリエンスをすべてのモデルでもたらすため、革新的なエンジン、50:50の前後重量配分、独創的な技術的ソリューション、卓越したパワーウエイトレシオ、そして洗練されたイタリアンデザインの5つのポイントを具現化している。
グレードは4タイプが設定され、「ジュリア」と「ジュリアスーパー」には最高出力147kW(200ps)/5000rpm、最大トルク330Nm/1750rpmを発生する2.0リッター4気筒マルチエアツインスクロールターボを搭載。4輪駆動の「ジュリア ヴェローチェ」には最高出力206kW(280ps)/5250rpm、最大トルク400Nm/2250rpmの2.0リッター4気筒マルチエアツインスクロールターボを、シリーズ最上級グレードとなる「ジュリアクアドリフォリオ」にはフェラーリ出身のエンジニアにより開発された最高出力375kW(510ps)/6500rpm、最大トルク600Nm/1750rpmの2.9リッターV6ツインターボが搭載され、0-100㎞/h加速3.9秒、最高速307㎞/h(欧州仕様参考値)のパフォーマンスを誇る。2016年の独ニュルブルクリンク北コースにおいて、当時の4ドアセダンでは世界最速となる7分32秒を記録している。
前後オーバーハングを切り詰め、エンジンやその他のメカニカルコンポーネントを車軸間にレイアウトすることで、理想的な重量配分と高性能スポーツサルーンらしい均整のとれたプロポーションを実現した。ボディ底面をフラッシュサーフェス化して整流効果を高め、安定した操縦安定性に貢献。軽量化についてもエンジンフード、フロントサイドフェンダー、ドアアウターパネルにアルミニウムを採用したほか、ジュリアクアドリフォリオではエンジンフードとルーフパネルにカーボンを採用し、さらなる軽量化を実現した。
シャシーは新設計のFRアーキテクチャーをベースにアルミやカーボンといった軽量素材を採用。全車にカーボン製プロペラシャフトを採用し、フロントダブルウイッシュボーン、リヤマルチリンク式となる足まわりはアルミ素材の採用によって路面追従性を向上させている。
クアドリフォリオではさらにワンランク上のパフォーマンスが与えられており、後輪の左右輪に個別にトルク配分を行うトルクベクタリング機構により、滑りやすい路面でもスタビリティコントロールに頼ることなく、すぐれたトラクション性能を発揮する。また、すべてのシャシーを系電子制御デバイスを統合制御するシャシーコントロールシステム(CDC)はドライバーの意思を正確に汲み取り、レーシング領域においてもすぐれたドライビングパフォーマンスを発揮する。
インテリアは全車がレザー仕上げとなり、レザーシートの素材や色、ステッチカラー、インテリアパネル、ルーフライニングカラーに豊富なバリエーションを用意。装備については全車にバイキセノンヘッドライト、パワーシート、キーレススタートシステム、ALFA DNAドライブモードシステム「コネクトシステム」、Bluetooth接続、スマートフォン接続、USB端子などを装備。
先進安全装備についても歩行者検知機能付きの前面衝突警報(FCW)、自動緊急ブレーキ(AEB)を装備し、「ジュリアスーパー」以上にはアダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポットモニターが装備されている。
ステアリング位置は「ジュリアヴェローチェ」のみが左、その他は右ハンドル。トランスミッションは全車8速ATとなる。ベースグレードの「ジュリア」は受注生産モデル。
■2018年1月
FCAジャパンは、アルファロメオ「ジュリア」のラインアップに「Veloce(ヴェローチェ)」右ハンドル仕様を2018年1月11日に追加し、同年1月20日より販売を開始した。
2017年のフルモデルチェンジ当初の「ヴェローチェ」は左ハンドル、4輪駆動のみがラインアップされていた。今回の右ハンドル、後輪駆動の追加によってラインアップを充実させている。
ヴェローチェ・右ハンドル仕様はFR化に伴い車両重量が40kg軽量化され、後輪のみで十分なトラクションを得るためにリヤタイヤはフロントタイヤ(225/45R18)よりもワイドな255/40R18サイズを装着する。
これ以外の装備は左ハンドル仕様に準じており、エクステリアはヴェローチェ専用のスポーツバンパー、スポーツブレーキ/ブラック仕上げブレーキキャリパー、ツインエキゾーストパイプ、10ツインスポークアロイホイールなどが標準。インテリアについてもオーディオコントローラー付きスポーツレザーステアリング、パワーサイドサポート付きのスポーツレザーシート、アルミインテリアパネルなどが装着されている。
価格は4輪駆動モデルに対して10万円安価な587万円。
■2018年2月
FCAジャパンは、アルファロメオ「ジュリア」に特別仕様車「Quadrifoglio Carbonio(クアドリフォリオ・カルボニオ)」を設定して、2018年2月14日に発表、同年2月24日より50台限定で販売を開始した。
2017年のフルモデルチェンジ以来初となる限定車「クアドリフォリオ・カルボニオ」は、“本物“を追求して開発。アルミニウム製のフューエルフィラーキャップやカーボンファイバー製のサイドミラーカバー、シフトノブインサート、イルミネーテッド・ドアシルガードといった本物の素材を用いた軽量部品を採用した。また足元には4本で合計10kg以上の軽量化を達成したというダークグレー仕上げの鍛造19インチホイールをあしらった。
ボディカラーはトロフェオホワイト(3層コート)を設定した。
■2018年6月
FCAジャパンは、アルファロメオ「ジュリア」に特別仕様車「Quadrifoglio Argento(クアドリフォリオ・アルジェント)」を設定して、2018年6月1日に発表、同年6月9日に30台限定で販売を開始した。
「クアドリフォリオ・アルジェント」は、高級感ある3層コートのトロフェオホワイトをベースに、専用のマットシルバー仕上げのサイドミラーカバーやシルバー仕上げの19インチ鍛造ホイールを組み合わせ、スポーティかつエレガントに仕上げている。鍛造ホイールは4本合計で10kg以上の軽量化を実現し、サスペンションのしなやかな動きを高める効果が期待できるという。
またアルミフューエルフィラーキャップやカーボンファイバー・シフトノブインサート、カーボンファイバー・イルミネーテッド・ドアシルガードを装備。これら合計90万円を超えるアクセサリーおよび三層コートカラーオプションを備えながら、価格はベースモデルの7万円高に抑えている。
なお車名の“アルジェント”はイタリア語で「シルバー」を意味する。
■2019年4月
FCAジャパンは、4ドアスポーツセダンの「ジュリア」に新型ディーゼルエンジン搭載モデルを2019年2月18日に発表、同年4月6日より販売を開始する。
新たに搭載されたのは2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボ。最高出力140kW(190ps)/3500rpm、最大トルク450Nm/1750rpmを発生し、ハイパワーとディーゼルならではの圧倒的なトルクを両立。欧州参考値での0-100㎞/h加速タイムは6.6秒を記録し、燃費でもWLTCモード17.2㎞/Lを達成している。同クラスのガソリンモデルに対して約45%の燃費向上を実現したという。
アルファロメオのディーゼルエンジンとしては初となるアルミ製エンジンブロックや中空カムシャフトの採用などにより、エンジン単体重量を155kgに抑えたことで軽快なハンドリングにも寄与。ハイパフォーマンスユニットでありながら、わずか1250rpmで300Nm以上のトルクを発生し、実用域における扱いやすさも特徴だ。さらにバランサーシャフトの採用によって振動が低く抑えられ、8速AT採用によるシフトショックの低減も図られている。
日本に導入されるのは「2.2ターボディーゼルスーパー」で、既存のガソリンモデル「2.0ターボスーパー」と同等の装備内容となる。バイキセノンヘッドライト、18インチ10スポークアルミホイール、Apple CarPlay/Android Autoに対応したコネクトシステム、シートヒーター付きのプレミアムレザーシート、前席パワーシート、Harman/Kardonプレミアムオーディオシステム、リヤパーキングカメラ、アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)などが標準装備となる。
■2019年5月
FCAジャパンは、アルファロメオ「ジュリア」に特別仕様車「2.0ターボ スーパー “モノクロームエディション”」を設定して、2019年5月22日に50台限定で発売した。
「2.0ターボ スーパー “モノクロームエディション”」は「2.0ターボ スーパー」をベースに、カーボンエクステリアミラーハウジングを採用。また19インチのダブルスポークアルミホイールやETC車載器などを特別装備した。
ボディカラーは、アルファブラック(インテリアカラー:ブラック/ベージュ)とアルファホワイト(インテリアカラー:ブラック)の2色を設定した。