ルーテシアR.S. ルノーともう一度、恋に落ちる
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:篠原 晃一
僕が試乗したのは、シャシーカップ専用の台数限定特別色、ジョン シリウスMというメタリック系イエローのクルマだったが、コクピットに収まるとひとつ感激することが。黒をベースに赤いステッチを効かせたスポーツシートの座り心地が、素晴らしいのである。その形状から想像できるように、身体をしっかり包み込みながらも、表面近くのクッションに独特の柔らかさがあって、いかにもフランス、いかにもルノー、実に心地好い。
だがしかし、走り出したときの感激は、そんなものじゃなかった。エンジンを目覚めさせ、オレンジ色のアクセントが目につく6段EDCのフロアセレクトレバーをDに送って、スロットルを軽く踏むと、ルーテシアR.S.はスムーズにスタートした。このクルマには、コンソール上のボタンで操作するR.S.ドライブなるモードスイッチがあるが、これが「ノーマル」状態だとエンジンの反応は大人しく、事実上燃費志向のエコモードなのである。
そこでR.S.ドライブを「スポーツ」に切り替えると、エンジンが本来の息吹きを取り戻したかのように反応が素早くなり、乾いたサウンドを奏でて活発に回転を上げていく。1.6リッターターボで200psというパワーはこのカテゴリーの平均的なものだが、それでもR.S.がスポーツモデルだと実感するのに充分なだけ速く、しかもその加速感は歯切れがいい。その歯切れよさを生んでいる要因のひとつは、2ペダルの6段EDCにある。
このEDC、Dレンジでの変速がスムーズなのに加えて、チタン製のステアリングパドルを駆使してのマニュアルシフトがまた、歯切れがいい。しかもそのパドルがステアリングと一緒に回らず、レーシングカーや一部のスーパースポーツのようにステアリングコラム固定式なのもいかにも本格的で、好き者の気持ちにストレートに響いてくる。
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