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なぜSUVブーム前からトヨタ「ハリアー」は独自路線で大成功? 22年で築きあげた存在感

掲載 更新 17
なぜSUVブーム前からトヨタ「ハリアー」は独自路線で大成功? 22年で築きあげた存在感

■SUVブームの前から存在 当時から強い個性を持つハリアー

 近年はSUVブームが巻き起こっていますが、そのなかでモデル末期に近いにも関わらず安定した人気を誇るミドルサイズSUVとしてトヨタ「ハリアー」が存在します。

【画像】トヨタ「ハリアー」と全然違う! インド版モデルと画像で比較!(24枚)

 初代ハリアーは、現在のSUVブームが本格化する前の1997年に発売されたモデルですが、当時はどういった立ち位置だったのでしょうか。そして、20年以上かけて築き上げた独自の個性とは、どういったものなのでしょうか。

 ハリアーは、初代モデルが1997年12月に発売されたSUVです。このとき、本格クロカン四駆とは異なり舗装路の走行性能を重視したSUVとして、トヨタからは「RAV4」(1994年発売)、ホンダからは「CR-V」(1995年発売)などがありました。

 ハリアーが異なっていたのは、それまでのSUVが「クロカン四駆風」なアウトドアテイストのデザインで登場していたのに対して、都会派かつ高級感のあるデザインを採用していたことです。

 実際に、ハリアーは海外市場では高級ブランドのレクサスから「RX」として発売。洗練された高級SUVとしてたちまち人気モデルとなります。

 その後登場した2代目では、2003年の発売後、2005年にハイブリッドモデルが発売されます。これは、同時発売となったトヨタ「クルーガーハイブリッド」と並んで国産SUVとしては初のハイブリッドモデルとなりました。

 2代目ハリアーのハイブリッド仕様について、発売当時のトヨタは「ハリアーハイブリッドは、ハイブリッド車やSUVの走りのイメージを一新するパワフルな加速性能をはじめとした、『エコとパワー』を高次元で両立している点が好評です。とくに40歳以上の男性の支持を得ています」と説明しています。

 このことからも、都会派かつ高級感が高いというハリアーの個性は、ハイブリッドが追加された2代目モデルでより強固なものになったといえます。

 また、ハリアーが持つ独自の性格や車種の認知度が高まったことで、3代目以降は海外仕様の「RX」と日本仕様の「ハリアー」が別モデルとして開発がおこなわれることとなりました。

 レクサスは2005年に日本市場へ上陸していましたが、2009年に3代目RX(日本市場では初代モデル)を発売した後、2013年に別モデルとして3代目ハリアーが登場。日本市場向けモデルとして歩みを進めることとなりました。

 3代目ハリアーは2リッターガソリンと2リッターガソリンターボ、そして2.5リッターハイブリッドの3仕様がラインナップされています。ハイブリッド車は4WD仕様のみで、ガソリン車は4WD以外に2WDも選択可能です。

 販売現場に声を聞くと、ハリアーはユーザーからほかのSUVとは違った捉えられ方をしているといいます。トヨタの販売店スタッフは次のようにコメントします。

「ハリアーを検討されるお客さまのなかには、単純に新しい物を好まれるというよりも、質感にこだわる人が多いように思えます。

 過去に、『クラウン』(トヨタの高級セダン)からハリアーに乗り換えられたお客さまは、ミニバンが必要になるほど人や荷物を載せず、コンパクトカーよりは楽な移動ができて、それなりに歳に合ったクルマとして選ばれたようです」

 また2020年2月現在、トヨタのミドルサイズSUVラインナップではRAV4と車格が近いですが、ハリアーとRAV4もまた違った個性を持つようです。

 別のトヨタの販売店スタッフは「両車をあえて比較するのであれば、ハリアーは『上品なお坊ちゃん』、RAV4は『遊び心あるやんちゃな子』という感じでしょうか」と説明します。

 ただし、現行型(3代目)ハリアーは登場が2013年と古く、トヨタの販売店スタッフは「改良しているとはいえ2013年のモデル(ハリアー)と、2019年に登場した最新モデル(RAV4)では、そもそもクルマ自体のベースが違いますので、あまり比較対象とされているお客さまはいないと思われます」といいます。

 4代目となる新型ハリアーは2020年に登場することが噂されており、ハリアーからハリアーへの乗り換え需要が高まることも予想されます。

■他社のミドルサイズSUVとの個性の違いとは?

 ハリアーの属するミドルサイズSUVには、前出のRAV4のほかに、ホンダのCR-Vや日産「エクストレイル」、スバル「フォレスター」、マツダ「CX-5」などがあります。

 日本自動車販売協会連合会が発表した2019年の年間販売台数を見ると、この5台のなかではRAV4が5万3965台ともっとも販売台数が多く、次いでエクストレイル(3万6505台)、ハリアー(3万6249台)、フォレスター(3万2384台)、CX-5(3万1538台)、そしてCR-V(1万3041台)という結果となっています。

 各モデルには、それぞれどのような個性があるのでしょうか。

 RAV4は、内外装のデザインや搭載される機構がクロカン四駆なテイストとなっており、都会派なハリアーとは反対ともいえる性格が特徴です。

 また海外市場も考慮されたことから、全幅は1855mmから1865mm(グレードで異なる)と、今回紹介する車種のなかでもっとも広くとられています。

 エンジンは、2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッドの設定があり、採用される4WDシステムには、ガソリン車とハイブリッド車それぞれに独自のシステムが採用されています(2WD仕様もあり)。

 ガソリン車の一部グレードには、走行状況に応じて前後トルク配分に加え、後輪トルクを左右独立で制御する機構と4WD走行が不要と判断した場合には、後輪への動力を遮断して燃費向上を図る新開発の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を世界初採用しました。

 エクストレイルは、RAV4と比べるとクロカン四駆感が薄い外観ではあるものの、内装のシートやフロアなども防水仕様となっており(グレード別設定)、とくにアウトドアレジャーが重視された点がポイントです。

 エンジンは2リッターガソリンと2リッターハイブリッドが設定され、2WDとあわせて設定される4WDシステムは電子制御4WDシステム「インテリジェント4×4」が採用されました。

 フォレスターは、今回紹介する車種のなかでは唯一、重心が低い水平対抗エンジンを採用。また常時全輪駆動タイプの4WDシステムを採用していることで、舗装路・未舗装路いずれの道でも高い走行性能を発揮します。

 フォレスターのエンジンは2.5リッターガソリンと2リッターハイブリッド(e-BOXER)のふたつで、スバル独自の「シンメトリカルAWD」に車両統合制御技術「X-MODE」が組み合わされます。2WD仕様はありません。

 CX-5は、マツダが展開するデザインコンセプト「魂動デザイン」に則ったダイナミックな外観が特徴です。また、今回紹介するSUVのなかで唯一ディーゼルエンジン搭載モデルをラインナップします。

 エンジンは2リッターガソリン、2.5リッターガソリン、2.5リッターガソリンターボ、そして2.2リッターディーゼルターボの4種類です。2リッターガソリンは2WD仕様のみ、ほかのエンジンは2WD/4WDの選択が可能です。

 CR-Vは、RAV4と同じくアメリカ市場での販売を考慮したボディサイズとなっており、全幅は1855mmとRAV4に迫るサイズ感となっています。外装にはメッキが多用されているほか、内装も上質な仕立てで、都会派SUV寄りの性格といえます。

 エンジンは1.5リッターガソリンターボと2リッターハイブリッドの2種類で、いずれも2WD/4WDの選択ができます。

※ ※ ※

 今回紹介したなかでもっとも新しいモデルはRAV4で、2019年のミドルサイズSUVでもっとも販売台数が多かったのも同車種となります。

 しかし、ハリアーが全面刷新した場合は再び上位へに返り咲くことも十分に考えられ、ミドルサイズSUVの市場がどのように推移するのか注目されます。

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みんなのコメント

17件
  • ハリアーは何と言っても初代のTVCM。
    あのライオンヘッドの紳士の印象が強すぎる。
    一気にハリアーを印象付け、人気車種に押し上げたなあ(回想・・)
    新型出たらぜひ再登場させてもらいたいものだ

  • FFベース、乗用車シャシーがベースの、高級車SUVの市場を創出した元祖のクルマ。
    トヨタとしては珍しくパクリではなく、そういう市場を世界的に築き上げた功績が大きいヒット車種だと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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