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【昭和の名車 167】日産 テラノは乗用車感覚で乗りこなせる新感覚4WDを目指した

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【昭和の名車 167】日産 テラノは乗用車感覚で乗りこなせる新感覚4WDを目指した

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「日産 テラノ」だ。

日産 テラノ(WD21型):昭和61年(1986年)8月発売
1982年(昭和57年)の三菱パジェロの大ヒットで4WDやRVのブームが巻き起こった。このタイミングで日産が小型4輪駆動車として発売したのがテラノだ。レジャーが多様化しアウトドア志向が高まりつつある中で開発の基本テーマとしたのは「誰にでも乗用車感覚で乗りこなすことのできる新感覚4WD」だ。

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それを踏まえてエクステリアは、それまでの4WDのイメージの実用一点張りのものから「RV感覚をさりげなく表現する洗練されたエクステリアデザイン」にすることに心が砕かれた。張りのある面構成の2BOXシルエットを基本に、各部のフラッシュサーフェス化によるなめらかなボディ表面と斬新さを感じさせるウインドーレイアウトが際立った。ブリスターフェンダーやブロンズガラスもしゃれた雰囲気で、ロングホイールベース&ローシルエットの4WDは新しい時代を感じさせるのに十分だったといえる。

インテリアも、それまでの4WDの無骨さ一辺倒から脱し、多目的な用途を視野に入れたゆとりある快適な居住空間と高品質感を併せ持ったものとされた。ファブリック張りのルーフトリムを採用するなど、全車にフルトリム化を施し、高品質感を感じさせるものとしたほか、トータルカラーコーディネイトによりしゃれた雰囲気となっている。

搭載されるエンジンは「パワフル&サイレント」をコンセプトに新開発した2.7L 直4 OHVのTD27型ディーゼルだ。燃焼効率アップのためにシリンダーヘッドの吸排気ポートをクロスフロータイプとしたほか、良好な渦流状態をもたらすハイスワール燃焼室の採用や、圧縮比の最適化で燃焼効率を確保し高出力・高トルクを実現している。バルブ駆動方式はOHVながら、バルブ径、バルブリフトともに大きく取ることで吸排気効率を高めた。

乗用車的な使い方をするという前提のために静粛性にも新機構が採用された。燃焼室に副憤口を設けることで良好な渦流状態と温度条件を確保しているが、それにより燃料の微粒化が促進され安定した燃焼が得られ、アイドル騒音を低減させている。さらに噴射ノズルには小型2面カットノズルを採用し、ノッキング音の発生を防止している。

トランスミッションはワイドレシオの5速MTを採用した。1-2速間のシンクロメッシュ機構を大型化してシフト操作力を軽減しているのも快適性に貢献している。トランスファーによるH(ハイ)/L(ロー)の切り替えも可能だ。4WD機構はパートタイム4WD方式で、2H/4H/4Lの選択が可能となっている。

ラダーフレームをベースにして取り付けられるサスペンションは、フロント:ダブルウイッシュボーン/リア:5リンクリジッドとなった。フロントスプリングはトーションバーで剛性を柔らかめに設定して乗り心地重視とした反面、大径スタビライザーを採用したことによりロール剛性を確保している。リアサスペンションはコイルスプリングを採用した新開発のものだ。

乗用車的に使えるための配慮として2ウエイアジャスタブルショックアブソーバーも採用した。これはドライバーが路面状況や好みに応じて「スポーツ」と「ツーリング」の2モードの減衰力を選択でき、しなやかで快適な乗り心地が得られるものとしている。

発売翌年の1987年には3L V6 SOHCガソリンエンジンを搭載したV6-3000 R3Mや、さらにその翌年の1988年には2.7L 直4 OHVディーゼルターボを搭載したターボR3Mが追加されるなど、以後、日産のRVを支える大黒柱へと成長していくことになる。



日産 テラノ R3M 主要諸元
●全長×全幅×全高:4365×1690×1650mm
●ホイールベース:2650mm
●重量:1700kg
●エンジン型式・種類:TD27型・直4 OHVディーゼル
●排気量:2663cc
●最高出力:85ps/4300rpm
●最大トルク:18.0kgm/2200rpm
●トランスミッション:5速MT×2
●タイヤサイズ:215SR15
●価格:233万3000円

[ アルバム : 日産 テラノ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

2件
  • コイツはSUVでなくRV車。
  • WHYD21は3台乗った。凄く楽しいクルマだった。スポーツカーにももっと沢山乗ったけど、青春のクルマは?と聞かれたら迷わずV6 3000のテラノ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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