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電気と内燃機関がつくる新しい高級車とは? BMW 745e試乗記

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電気と内燃機関がつくる新しい高級車とは? BMW 745e試乗記

BMWのフラグシップ・サルーンである7シリーズに設定されたPHV(プラグ・イン・ハイブリッド)モデル「745e」はスムーズでジェントル。でもじつはパワフル。新しい大型高級車像である。

【主要諸元(745e ラグジュアリー)】全長×全幅×全高:5125×1900×1480mm、ホイールベース3070mm、車両重量2090kg、乗車定員5名、エンジン2997cc直列6気筒DOHCターボ(286ps/5000rpm、450Nm/1500~3500rpm)+モーター(83kW/265Nm)、トランスミッション8AT、駆動方式RWD、タイヤサイズ245/50R18、価格1221万円(OP含まず)。2019年3月に発表されたBMW745eは、7シリーズのPHVとしては2代目にあたる。比較的大きなマイナーチェンジによって、スタイリングにも手が入り、フロントグリルがとても大きくなった。

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ジュネーブ自動車ショーの会場で、新しいフロントグリルを見たときこそぎょっとしたけれど、だんだん慣れてきた。グリルをのぞけば全体のシルエットは大型セダンとしては異例なほど流麗で、エレガンスさえ感じる。

ボディは全長×全幅×全高:5125×1900×1480mm。全長5265mmのロング・ホイールベース版も選べる。マイナーチェンジによって、PHVモデルも変わった。従来の「740e」は、2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンにモーターを組み合わせたが、新型745eは3.0リッター直列6気筒ガソリンターボ・エンジンにモーターを組み合わせる。

エンジン・パワーが向上したうえ、バッテリー容量も拡大(9kWhから12kWh)。したがって、740eに対しすこぶる速い。しかも、モーターだけで60km弱をカバーする。

試乗車のアルミホイールはオプションの「マルチ・スポーク・スタイリング777」(31万2000円)。そもそも、745eが搭載する3.0リッター直列6気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載した「740i」でも、じゅうぶんに速い。低回転域から高回転域まで、すべての回転域で力がたっぷりある。回転マナーもスムーズで、これほど気持ちのいいエンジンを搭載するフラグシップ・サルーンは、数少ない。

そのエンジンにBMWはモーターをくわえた。エンジンを停止させたまま、モーターの力のみで高速走行も出来るので、あらゆるシーンで静粛性を大幅に向上させたのだ。

搭載するガソリン・エンジンは2997cc直列6気筒DOHCターボ(286ps/5000rpm、450Nm/1500~3500rpm)。給電口はフロント左タイヤ付近にある。搭載するパワーユニットは、最高出力210kW(286ps)、最大トルク450Nmを発揮するエンジンに、最高出力83kW(113ps)、最大トルク265Nmを発揮するモーターを組み合わせたもの。システム最高出力は394ps、最大トルクは600Nmにも達する。

モーターはエンジンのアウトプットシャフトに組み込む。駆動方式は、RWD(後輪駆動)だ。

あらゆるシートで魅力を味わえる745eをドライブすると、BMWの開発チームがどんなクルマを作りあげようとしていたのかが強く感じられる。目的は、ずばり“スポーツセダン”だったはず。

BMWならではのスポーツ性を、大型PHVモデルである745eでも強く打ち出す……これこそ、開発の目的だっただろう。スポーツ性のひとつは加速性能だ。モーターの補助を得て、静止状態から100km/hまで5.3秒で達する。2070kgという車重を意識させない。最大トルクを瞬時に発生するモーターの特性を、しっかり活かしている。

WLTCモード燃費は12.0km/L。トランスミッションは電子制御式8AT。走行中のエネルギーフローはインフォテインメント用ディスプレイに表示される。ドライブモードは通常のガソリン・モデルと異なり、「EV」「ハイブリッド」「スポーツ」「インディビデュアル」という4つから選べる。くわえて、“チャージ”機能を選べば、エンジン・パワーの一部をバッテリー充電に振り分けられる。

BMW車の常としてダンパーの硬さを2段階で変更出来る機能も備わり、ノーマルではボディの揺れが大きく感じられる設定だ。高速でビシっとした乗り心地を求めるなら「スポーツ」を選べばよい。

駆動方式はRWD(後輪駆動)のほか、4WDも選べる。ラグジュアリーのインテリアは、Mスポーツと異なりウッドパネルをたっぷり使う。試乗車のフロントシートはオプションのマッサージ機能付き(16万4000円)。マイナーチェンジによって、ステアリング・ホイールのデザインも変わった。メーターパネルは最新のフルデジタルタイプ。乗り心地は総じて快適、かつドライブも楽しめるクルマに仕上がっている。ドライバーズシートに座るのが楽しい。もちろん、リアシートにすわっても良し。

足元は広々としているうえ、ヘッドルームも充分。標準ホイールベース・モデルでも充分くつろげる。オプションのリア・コンフォート・パッケージを選べば、リアシートの座面やバックレストなどが電動で調整出来るようにもなる。

試乗車はリア・コンフォート・パッケージ付きのため、リアシートも電動調整機能付き。リアエアコンなどの調整は専用のタブレット端末でも操作出来る。リアドアのウインドウは、電動サンシェード付き。Bowers&Wilkinsダイヤモンド・サラウンド・サウンド・システムは61万円のオプション。ラゲッジ・ルーム容量は420リッター。ラゲッジ・ルームの高さは2段階に調整出来る。もし親しい友人と745eで出かけたら、往路と復路とで、ドライバーズシートとリアシートと、座る場所を入れ替えるたら楽しいはず。どちらのシートでも745e魅力をたっぷり味わえるのだ。

運転しても良し、乗っても良し、BMWのフラグシップ・サルーンはモーターの力を得て、ますます魅力的になった。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

5件
  • ここ最近のインパネデザイン、何とかしてくれ。
  • ディーラーに過剰ノルマ押し付けないと売れないような車はみっともないからいらない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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