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業界ニュース 2019.10.20

EQCに乗って分かる、EVでも変わらないメルセデスの哲学

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「フィールを味わうことができます。メルセデスのことをよくご存知の方であれば、 EVであってもウェルカムホーム(我が家に帰ってきたよう)な感覚を得ることができると思います。またEVであることの大きなメリットのひとつに静粛性の高さがあります。それはSクラスにも比肩するほどに快適性を最大化します。もちろんスポーティさも忘れてはいません」

日本での発表会の際に来日していた開発責任者のミヒャエル・ケルツ氏に、EQCの特長について尋ねるとこのように答えた。ケルツ氏は、EQCと同時にEクラス、CLS、Cクラス、GLC、という基幹モデルすべての開発責任者を務める、メルセデス一筋32年のダイムラーを代表するエンジニアだ。その人がそういうのだから、いやが上にも期待が高まる。

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EQCは、GLCのプラットフォームをベースに、前後軸の位置にそれぞれモーターなどの電動モジュールを、床下に80kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。後席足元にはセンタートンネルが残っているが、ここにケーブル類などを通してあるという。多少スペースは削られるが、ボディ剛性を増す効果がある。ボディサイズは全長4770×全幅1925×全高1625mmと、新型GLCの3サイズが4658×1890×1644mmだからほとんど変わらない。ホイールベースも2873mmと共通だ。

エクステリアデザインはヘッドライトとグリルとバンパーなどを一体化したスムーズなもの。先日フランクフルトショーで発表されたコンセプトカーの「EQS」などにも同じデザイン手法が用いられており、これからのEQシリーズの特徴といえそうだ。内燃エンジンモデルと同様にオプションでAMGラインパッケージが用意されており、前後バンパーやリアディフューザーの形状がよりスポーティなものになる。

モーターはフロントアクスル、リアアクスルにそれぞれ1基ずつ搭載する。合計出力は408psとなり、最大トルクは765Nmを発揮する。バッテリー容量は80kWhで、カタログ上の航続可能距離は400km。インテリアは新型Aクラスと同様の最新のデザインを踏襲する。メーターナセルを省き、10.25インチのディスプレイを2つ組みあわせてガラスで覆いダッシュボード中央に配置。鍵のかたちをしたローズゴールドのエアコンアウトレットがEQ専用のアイテムとなっている。

典型的なメルセデス車試乗車はAMGライン装着車でフロント235/45R21、リア255/40R21という前後異サイズの「ミシュラン・パイロットスポーツ4 SUV」という高性能SUV用タイヤを装着していた。車検証によると前軸重1210kg、後軸重1280kgと少々リアヘビーな重量バランスやリアのトラクション性能を考慮して、リアタイヤのほうが太くなっている。まさにスポーツカーのような設定だ。

ローズゴールドを使ったエアコンの吹き出し口などEQC独自のデザインを持つインテリア。ディスプレイやタッチパッドなどは、新型Aクラスと同様のデザイン。スターターボタンを押して、アクセルを踏めばスルスルと動き出す。低負荷領域ではフロントのモーターのみで走る。車重は約2.5トン。バッテリー重量が652kgもあるだけにそれなりに重いが、最大トルクは765Nmもあって右足に力を込めれば瞬時にリアの電気モーターが作動し加速態勢に入る。0-100km/h加速は5.1秒なので、ポルシェカイエンS(5.2秒)より速いということになる。ただEVの常で高速での速度ののびはそれほどでもない。カタログ値の最高速度は180km/h。アウトバーンの国のクルマだけれども、モーターの強みはタウンスピードにありというわけだ。

Aクラスと同様のタッチパッド型のコントローラー。スワイプ、拡大などスマートフォンと同じように操作できる。21インチのスポーツタイヤに、ノイジーさと乗り心地の硬さを覚悟していたが、車両重量の重さも功を奏してか、路面からの大きな突き上げも吸収してしっとりと走る。タイヤノイズも日常域ではほとんど気にならない。快適な乗り心地にケルツ氏が「典型的なメルセデス」と言っていたのを思い出した。

あくまでメルセデスらしさを志向しているEVならではの機能なのは、パドルシフトを使って回生ブレーキのきき具合をコースティング、低、中、高の4段階で調整できること。ダイムラーの方針としてあくまでも停止はドライバーの意思で、ということで完全停止はしない設定になっているが、高であれば最大減速力2.5m/S2を発生するためワンペダルに近いフィーリングが得られる。パドルシフト方式は、マニュアル・ギアでのシフトダウンのような感覚で使い勝手もよい。

バッテリーをフロア下に配置することにより、フラットで広い開口部を持ったラゲッジルーム。通常時の積載容量は500リッターで、後席を倒せば1460リッターまで拡大する。航続距離はWLTCモードで約400km。渋滞する夕方の都心と首都高を1時間半ほど走って電費モニターの表示は約4km/kWhだった。320km程度は走る計算になる。充電に関しては、6kWまでの普通充電と50kWまでのCHAdeMO規格に対応する。そして国内に約 21000 基ある充電施設の利用料及び月額基本料を1年間無料とするサービスや5 年間、10万kmまでの一般保証と無償のメンテナンスプログラム「EQケア」を標準設定するなど、サポート体制も充実している。

冒頭のケルツ氏に言葉にあるように、EVであることではなく、メルセデスであることを打ち出したクルマなのだと感じた。EQCは1886年にガソリン自動車を生み出したダイムラーからの、新時代へ向けた試金石となるものだ。

文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic

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(GQ JAPAN 藤野太一)

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