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トヨタ LQ登場! 未来の愛車はこうなる!?

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トヨタ LQ登場! 未来の愛車はこうなる!?

10月11日、トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、4人乗りのコンセプト・カー「LQ」を発表した。LQは10月24日に開幕する第46回東京モーターショーに出展される。

LQは、“新しい時代の愛車”を具現したコンセプト・カーという。最新のAIエージェントや自動運転技術を搭載しているのが大きな特徴だ。

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LQは5ドアハッチバック。ボディは全長×全幅×全高:4530mm×1840mm×1480mm。とくに、「YUI(ユイ)」と名付けられたAIエージェントは、“モビリティ・エキスパート”として、乗員ひとりひとりに寄り添うという。具体的には、乗員の表情や動作を車載カメラなどでつねにチェックして感情や眠気などを検知し、音楽や車内イルミネーション、空調などを最適化するほか、乗員に話しかけることもするという。

一体、どんなふうに話しかけるのか? 「たとえば、ドライバーの眠気が強まるとYUIが判断した場合、ドライバーが好む話題をテーマに話しかけ、会話を楽しみつつ、最寄りのサービス・エリアまで安全に誘導します」とのこと。高度な自然言語処理機能を搭載し、自然な会話を楽しめるという。

LQは電気自動車(EV)。またYUIは、他メーカーのAIエージェントとの連携も目指す。つまり、メルセデス・ベンツの「MBUX(メルセデス・ ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」やBMW「BMW Intelligent Personal Assistant(BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント)」などと連携する可能性もある(連携の詳細は不明)。

YUIはサービス向上のため、さまざまな企業と協力し開発が進められたという。たとえば、旅行会社「JTB」は施設案内情報やドライブ・ルートなどを提供。音楽配信サービス会社「AWA」は、ストリーミング音楽を提供する。

日産リーフに近いボディ4人乗りの5ドア・ハッチバックであるLQのボディは全長×全幅×全高:4530mm×1840mm×1480mm。日産「リーフ」に近い。

凹凸が少ないエクステリア・デザインはユニークだ。ドア・ハンドルはレクサス「LC」のような格納式を採用。ブリヂストン社製のタイヤは、アルミホイールのデザインと調和するように専用にデザインされた。また、リアタイア部にはスパッツを装着する。

「スパッツは、全体のスタイリングを考えて付加しました。空力性能を向上させるためではありません」と、述べるのはLQのデザインを担当したトヨタ自動車の武井達弥氏。武井氏は続けて、「ドアミラーは、3Dプリンターでつくられています」と、話す。

乗員は4人。リアタイアのスパッツは、全体のスタイリングを考えて装着された。空力性能向上のためではないという。ドア・ハンドルは格納式。ブリヂストン社製のタイヤは専用デザイン。ドアミラーは3Dプリンターで成形した。ちなみに、ドアミラーはオーソドックスなミラータイプ。レクサス「ES」が搭載する小型カメラを使ったデジタルアウターミラーの採用は考えなかったのか?

「ESが装着するデジタルアウターミラーの場合、ダッシュボードにモニターを置く必要が生じます。しかし、シンプルな造形を目指したインテリアに、モニターは不釣り合いだったため、オーソドックスな形状にしました」と、武井氏は述べる。

公道走行可能なモデルになったときは、ヘッドライト・デザインが法規制の都合上、変更されるという。楕円状のヘッドライトは、複雑な図形や文字を路面に描画出来るDMD(Digital Micromirror Device)式を搭載する。ただし、現在の法規では認められていない技術のため、公道走行仕様のヘッドライトは、デザインや仕様が変わるという。

覚醒・リラックス誘導機能付きシートとは?武井氏が述べるとおり、白を基調にしたインテリアはシンプルだ。エアコン吹き出し口を、乗員から見えない場所(ダッショボード下部など)に配置するなどして、インパネ周辺の凹凸を減らしている。

トヨタ初の有機EL(Emitting Diode)を使った、デジタルタイプのメーターパネルは、湾曲したデザインが目を引く。

白を基調にしたインテリア。メーターパネルは湾曲したデザインが特徴。エアコン吹き出し口は、ダッシュボード下部にある。大型のセンターコンソール(小物入れ、カップホルダー付き)は3Dプリンターを使ってつくったという。上部には、リーフと似た丸型のシフト・セレクターを設置。そのうしろには、インフォテインメント・システム操作用のタッチパッド(レクサスのリモートタッチからの流用)がある。

ウインカーやステアリング・ホイールのスウィッチ、パワーウインドウのスウィッチなどは既存のトヨタ車から流用する。半透明のサンバイザーは、シトロエン「グランドC4ピカソ」とおなじく、前・後スライド式。前半分の角度が調整出来るよう工夫されている。

センターコンソールにはシフト・セレクター、インフォテインメント・システム操作用のタッチパッドがある。センターコンソール下部にはドリンク・ホルダーもある。パワーウインドウのスウィッチなどは、トヨタ市販車からの流用。半透明のサンバイザーは、シトロエン「グランドC4ピカソ」とおなじく、前・後スライド式。エアコン操作スウィッチはメーターパネル下部にある。フロント・シートは、電動調整式。世界初の「覚醒・リラックス誘導機能」も備わる。メディア向け資料には「ドライバーの状態に合わせて、シートに内蔵した複数のエアブラダー(空気袋)や送風機能によって、覚醒やリラックスをサポートし、運転に適した状態の維持に貢献する」と、記されている。

たとえば、ドライバーが眠気を感じているとき、シートバック内のエアブラダーを膨らませ、背伸びのような姿勢をサポートするとともに、シート空調の冷風刺激によってドライバーの覚醒を促すという。

フロント・シートは電動調整式。リアシートは、ふたり掛け。バックレストは倒すことができる。ラゲッジ・ルームは、可もなく不可もなくといった広さ。ただし、ガラスハッチの開口部が小さいため、荷物の出し入れはしにくい。

「デザインを重視した結果、開口部は小さくなりました」と、武井氏とはべつの開発担当者は述べる。フロントおよびリアのウインドウも、デザインを重視した結果、全体の一部しか開閉出来ない。

リアシートのバックレストは分割可倒式。リアゲートはガラス製。レベル4の自動運転技術を搭載LQが搭載するEV用パワーユニットの詳細は不明。航続距離は300km程度とメディア向け資料には記されている。

完成度は高く、現時点で実走可能だ。それもそのはずで、来年早々にはじまる東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)聖火リレー(2020年3月26日スタート)の先導車として使われるからだ。約半年後の聖火リレーに向けて、今後は細かい部分を煮詰めていくという。

ステアリング・ホイールは、オーディオ・コントローラーや操舵支援系のスウィッチを備える。先進安全装備は高度なシステムが複数搭載されている。自動運転技術は、限定エリア内で無人運転も可能になる「レベル4」の技術を搭載(詳細は不明)。自動運転モード時は、ルーフやフロアマット内のイルミネーション・カラーが変わる仕掛けも備わる。

パナソニックと共同で開発した無人自動駐車システム「無人自動バレーパーキングシステム」も搭載する。駐車場で、乗降場と駐車スペース間を無人で走行する画期的なシステムだ。しかも、駐車スペースでは隣接するクルマとの間隔を20cmまでに抑え、駐車場の省スペース化にも貢献するという。

「(トヨタの)市販車に先行してLQに先進技術を搭載し、競合他社に対し、トヨタの技術力を訴求していく」と、開発担当者のひとりは述べる。

トヨタは、LQを東京2020大会聖火リレーの先導車に供したあと、2020年6月から9月にかけて、一般向けのLQ試乗イベント「トヨタYUIプロジェクトTOURS 2020」を、MEGAWEB(東京都江東区)および、お台場・豊洲周辺の公道で実施予定とのこと。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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