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ホンダが小型車復権へ本気! 新型「フィット」2019年10月発表を社長が公表! その狙いとは

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ホンダが小型車復権へ本気! 新型「フィット」2019年10月発表を社長が公表! その狙いとは

■次期型フィットは新ハイブリッドシステムで燃費向上か

 ホンダの八郷隆弘社長が、2019年5月8日に同社の事業方針説明会見で、次期型フィットを「今秋の東京モーターショーで世界初公開」する予定だと述べました。なぜ半年も前のタイミングで次期型フィットの登場を予告したのでしょうか。

ホンダ新型「フィット」が新ハイブリッドを搭載し2019年秋に公開

 ホンダの販売店の担当者は、次期型フィットについて次のようにコメントしています。

「次期型フィットは2019年の10月から11月ごろに発売する予定で、8月から9月には予約受注を開始するでしょう。車両の詳細についてはメーカーから聞いていませんが、ハイブリッドシステムは2モーター方式のi-MMDに進化します。車両の性格を大幅に変えない、いわゆるキープコンセプトで一新させるでしょう」

 現行型フィットに用いられているハイブリッドシステムは「i-DCD」と呼ばれるタイプで、1個のモーターに7速DCT(2組のクラッチを備えた有段AT)を組み合わせています。

 モーターが1個なので、発電とモーター駆動を同時におこなうことはできません。モーターによる発電は、主に減速時におこなわれ、リチウムイオン電池に充電します。この電気を使ってモーターを回し、燃料消費量を抑える仕組みです。

 このハイブリッドシステムが、次期型ではi-MMDに刷新されます。八郷社長は事業方針説明会見で、次のようにコメントしています。

「ホンダは、カーボンフリー社会の実現に向けて、2030年にグローバル4輪車販売台数の3分の2を電動車にする目標を掲げています。それを実現するために、2モーターハイブリッドのi-MMDをホンダのモデルラインナップ全体に拡げていきます。

 現在、中・大型モデルに対応しているi-MMDに、新たに小型車向けのシステムを開発しました。この小型i-MMDは、今秋の東京モーターショーで世界初公開予定の新型フィットから採用します」

 ※ ※ ※

 i-MMDとは、「インサイト」や「ステップワゴン」、「オデッセイ」などに搭載されるホンダのハイブリッドシステムです。2つのモーターを備え、1つはエンジンの力で発電を行う「発電用モーター」に割り当てられています。もう1つは駆動力を生み出す「走行用モーター」です。そして高速巡航時のみ、エンジンがタイヤを直接駆動することも可能な設計となっています。高速巡航時はその方が高効率だからです。

 i-DCDなど従来のシステムでは、エンジンがホイールを駆動する割合が高いため、走行状態に応じてエンジン回転数が上下します。

 しかしi-MMDでは、通常時はモーターが駆動を担当するため、エンジンは発電に専念して効率の良い回転域を維持できます。状況によっては、ゆっくり走っているときでもエンジンは効率の良い回転数まで高めて、走行に必要とされる以上の発電をおこない、余剰な電気をリチウムイオン電池に蓄えることも可能です。

 この電気を使って走れば、エンジンを駆動せず、モーターのみで走る距離を伸ばせます。2モーター方式のi-MMDでは、さまざまな制御を行って燃費を向上できるのです。

 以前、インサイトで実燃費テストをおこなったときは、市街地と高速道路で特別なことをせずに走った結果、平均燃費は約29km/Lでした。この数値は実走行に近いとされる測定法であるWLTCモード燃費の25.6km/Lを上まわり、JC08モードの31.4km/Lに近い数値です。

 専用のテスターを使って走行時間の内訳を見ると、全走行距離のうち、約61%はエンジンを停止させてモーターのみで走っていました。これはエンジンによる発電と、減速時の回生充電の効率が優れている証拠です。

 次期フィットのハイブリッド仕様は、このi-MMDを小型車用に最適化して搭載するので、実用面を含めた燃費性能が大幅に向上します。またモーター駆動が中心なので、アクセル操作に対する加減速も機敏になります。走りが滑らかで静かになるため、上質なコンパクトカーに仕上がるでしょう。

 ハイブリッドシステムは1.5リッターエンジンがベースで、インサイトに近いタイプになると考えられます。フィットなら1.3リッターエンジンでも十分に思えますが、i-MMDのエンジンは発電用なので、効率を優先させると1.5リッターになるのです。

 またシビックの欧州仕様には、直列4気筒1.5リッターターボエンジンとあわせて、直列3気筒1リッターターボエンジンも搭載されています。後者はノイズや振動、コスト面で解決すべき点があるものの、巡航時には燃料消費量を効率良く抑えられます。このエンジンを次期フィットに搭載する可能性もあります。

 そして今後は充電可能なハイブリッドシステムを含めて、モーター駆動を用いたモデルラインナップの多彩な発展が考えられます。そのためにプラットフォームなどの基本設計は、さまざまな電動車に対応できるように刷新されるでしょう。

■次期型フィットのスペックは? 現行型の特長も交えつつ予想

 外観のデザインも予想してみましょう。すでにスパイショットが出回っているため、ここから予想することができます。基本的には現行型に似ていますが、フルモデルチェンジですから各部の形状がすべて変わることは確実です。

 まずフロントマスクは、同社のSUV「CR-V」のようにボリューム感のある顔立ちとなることが予想されます。現行フィットはヘッドランプが切れ長の形状ですが、ヘッドランプをしっかりと見せてインパクトを強めるデザインとなるでしょう。

 ボディの側面は、現行型と同じワンモーションフォルムです。ボディをひとつの塊として見せる手法で、ボンネットからフロントウインドウ、ルーフにかけるラインが直線的に繋がります。

 フロントピラー(フロントウインドウ両脇の柱)は大きく寝かされ、斜め前方には現行型と同じく三角形のサブウインドウが装着され、視界に配慮した設計となるでしょう。次期型ではサブウインドウのサイズが少し拡大されそうです。

 ボディパネルの見せ方も変わるでしょう。現行型はボディの前側から後部にかけて、ドアノブの下側を通る太いキャラクターラインが入れられています。次期型はこれを省き、ボディパネルの面に豊かな表情を持たせたものになるでしょう。

 これは近々マツダが発売する「マツダ3」、あるいは「CX-30」に似た手法ともいえ、大人っぽい熟成された外観になります。

 このほか、運転支援システム「ホンダセンシング」の機能も、進化する可能性があります。

 車体のパッケージングについても予想します。フィットの歴代モデルは、燃料タンクを前席の下に搭載することで空間効率が高められていることが特長です。そのため荷室の床が低く、後席を落とし込むように畳むと広い荷室が出現します。

 後席の頭上と足元空間は、ミドルサイズのセダン並みの広さを確保していますが、大きさは5ナンバーサイズで全長は4メートルを切っています。コンパクトで視界がよいことから混雑した街中や駐車場でも運転しやすく、全高が1.55メートル以下なので立体駐車場も使えるなど、実用性の高さが美点です。

 この優れた実用性は、次期型にも継承されるでしょう。とくにコンパクトなサイズと優れた視界は重要です。視界の優れた運転のしやすいボディは、周囲に潜む危険の早期発見にも繋がり、事故防止に役立って安全性を高めるからです。

 価格については不明であるものの、前述した販売店の担当者は次のようにいいます。

「コンパクトカーは海外市場を含めて競争が激しいので、性能を高めながら価格は割安に抑えねばなりません。最近はホンダセンシングを装着したこともあり、フィットの価格は1.3リッターのノーマルエンジン車でも売れ筋グレードでは160万円を超えています。次期型の価格は、せめて据え置きにしてほしいです」

 ※ ※ ※

 電動化を推し進めるホンダは、先進技術の投入は肝いりの新型モデルからと考えるでしょう。そこでコンパクトかつグローバル展開を図る次期型フィットは、その第一弾を飾る上でうってつけだといえます。

 追加モデルで成功した日産「ノートe-POWER」を横目に、「ホンダからも新しい電動化モデルがもうすぐ出るよ!」と、秋に出る次期型フィットを早々にホンダのトップが公言したのは、3代目フィットは少々失敗した感があるので、この4代目フィットにかける意気込みもあるのかもしれません。

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