ボーン・トゥ・ラン!
ホンダS660は、木製バットのようなクルマだ。金属バットのように、当たり所は悪かったけれどボールは遠くへ飛んだというまぐれは起こらない。ぼぉーっと運転していると、ずんぐりしたジャパンタクシーにも置き去りにされる。けれどもすべての操作がびしっと決まれば、木製バットの真芯でボールを捉えた時のような快感を味わうことができる。カーン!
このクルマの得意技は旋回だ。コーナーの手前でブレーキング、ここぞというタイミングでステアリングホイールを切り込むと、思い描いたラインをトレースして、クルッと向きを変える。しかも大昔の軽量スポーツカーのようにひょこひょこするわけでなく、安定した姿勢で滑らかに旋回する。洗練されたフォームの旋回は、フィギュアスケートの選手のようだ。
コンパクトでもメルセデスはメルセデス──新型メルセデス・ベンツAクラス試乗記
こと旋回の楽しさだけをとれば、ホンダS660は10倍以上の価格のスーパースポーツに見劣りしない。エンジンをドライバーの背後に積むミドシップレイアウト、足まわりのアルミ製の補強材、前後でサイズが異なる専用タイヤなど、曲がる楽しさに一点集中した、突き抜けたクルマなのだ。そんな〝贅沢〟を軽自動車のサイズに押し込んだから、荷物は積めない。走るために生まれてきたクルマ、ボーン・トゥ・ラン!
走らせていると、開発陣のスポーツカー愛がビンビン伝わってくる。だから隣にポルシェやフェラーリが並んでも、胸を張れる。
Honda S660
本田技術研究所の50周年を記念した新商品提案コンペで勝ち残った弱冠26歳(当時)の開発責任者が手がけた軽スポーツカー。なりは小さいけれど、ペダル類の剛性、シフトフィール、ステアリングフィールなど、スポーツカーにとって大事なディティールまでしっかりと作り込まれている。ここに紹介する派生車種も登場した。
SPEC全長×全幅×全高:3395×1475×1180mm ホイールベース:2285mm 車両重量:830kg 乗車定員:2名 \1,980,720~
夜の銀座を探検する
スズキ・ジムニーは、クルマ好きの前に現れた新しいスター。デビュー以来、絶賛の嵐だ。カッコよくて、オフロードでは無敵。では、夜の街を探検する能力はどうだろう? そんな興味を持ったわれわれ取材班は、銀座に向かった。
多少はゴワゴワするものの、市街地でのジムニーの乗り心地は従来型に比べて劇的に快適になった。そのゴワゴワも、悪路に強い本格的なボディ構造に由来すると知れば、頼もしさに変わる。ジムニーはレジャー用SUVではなく、世界194カ国の現場で活躍する働くクルマなのだ。
意外な発見は、4ATでもしっかり走るということ。本格派だから5MTにこだわるべきかと思っていたけれど、オートマでも快調に走る。聞けば、技術の進化から4ATと5MTとの悪路走破性能における差はなくなり、雪深い営林署などでもオートマを採用するケースが多くなったとか。
銀座6丁目で、プレミアムSUVと黒塗りのミニバンの間にするりと縦列駐車。小回りはきくし、スクエアな形状だからボディの四隅を把握しやすい。余分な飾りがない、削ぎ落とした造形も、道なき道を走破するためのもの。スプリンターの筋肉のように、無駄と嘘がない。だから高価なクルマに囲まれても埋もれない。
性能といいデザインといい、夜の街を探検するのにもジムニーはぴったりだった。残念ながら女性にウケるかどうかは確認できなかったけれど、もしジムニーに好意を抱く女性がいたら、そういうセンスの方とはお近づきになりたい。
Suzuki Jimny
2018年に20年ぶりのモデルチェンジを受けたジムニー。屈強なはしご型フレームからサスペンションが生えるボディ構造や、前輪と後輪を直結するシンプルな4駆システム、悪路に強いサスペンションなど、見かけはポップだけど中身は本格派オフローダー。インテリアはシンプルで機能的。メーターまわりは、G-SHOCKをも思わせる。
SPEC全長×全幅×全高:3395×1475×1725mm ホイールベース:2250mm 車両重量:1030kg 乗車定員:4名 \1,458,000~
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!?
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
アンダー150万円!? スズキ「軽バン」が凄い! 完全「爆睡仕様」に驚きの声…!? どんな人が買う? 見た目はド派手グリル採用の「スペーシア」とは
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?