■同じホンダの軽バンモデル「N-BOX」と「N-VAN」
ホンダの軽自動車といえば大人気モデルの「N-BOX」。2代目となる現行モデルは発売後2ヶ月連続で月間販売台数を2万台超すなど、不動の人気を誇るクルマです。同じ「Nシリーズ」の仲間として2018年7月に登場した「N-VAN」と外観や使い勝手など似ている部分があり、クルマを知らないユーザーからすると違いがわかりません。
激売れホンダ「N-BOX」のNAエンジン車で峠道はつらい? 実燃費テストで意外な結果が…
ホンダの「N-BOX」とは、2011年に登場したホンダを代表する軽自動車で、標準モデル「N-BOX」とカスタム仕様「N-BOX custom」という2タイプを展開。グレード数は、パワートレインの違いとしてNA仕様とターボ仕様など、「N-BOX」で全12グレード。「N-BOX custom」は、全6グレードのラインナップです。
自然吸気のNA仕様は、660ccで最高出力58PS、最大トルク6.6kgf・m、ターボ仕様は排気量こそNA仕様と一緒ですが最高出力64PS、最大トルク10.6kgf・mとパワフルな仕様です。カタログ燃費(JC08モード)は、23.0km/L(4WD)から27.0km/L(2WD)を誇ります。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790mm(1815mm)で、タイヤサイズは155/65R14または165/55R15です。
対して「N-VAN」は、現行モデルの「N-BOX」をベースに開発された商品車となり、同社のホンダ軽バンを支えてきた「アクティバン」と「バモス」の後継車とも言える存在です。
標準モデル「N-VAN」と趣味性を高めたモデル「N-VAN +STYLE FUN」という2タイプを展開。グレード数は、「N-VAN」が全2種類。「N-VAN +STYLE FUN」は、ターボ仕様やスタイリッシュな外観デザインなど全3種類となります。
NA仕様は、最高出力53PS/最大トルク6.5kgf・m、ターボ仕様は最高出力64PS/最大トルク10.6kgf・mとなり、トランスミッション(CVT/6速MT)、駆動方式(2WD/4WD)が選択可能。カタログ燃費(JC08モード)は、17.6km/L(4WD)から23.8km/L(2WD)となっています。
■見た目は似ていても区分が違う?
スペックだけで見るとどちらも同様の軽自動車ゆえ、大きな差はありません。外見上の大きな差としては、「N-VAN」の左側面にはBピラーがありません。これは、商用車としての使い勝手を考慮し、助手席側に大きな開口部を設けることで、長尺ものや大きな荷物も横から簡単に積み下ろし作業できるようにしたためです。
また、自動車の区分という点でも、「N-BOX(乗用車/5ナンバー)」と「N-VAN(商用車/4ナンバー)」は、車検や税金などの部分に違いが表れます。通常、「4ナンバー」は毎年車検ですが、軽自動車の「4ナンバー」は普通車同様に2年ごとの車検です。軽自動車税においても、「4ナンバー」のほうが半分以下の金額です。
一見、「N-VAN(4ナンバー)」のほうがお得感という意味で良さそうなイメージです。しかし、あくまでも商用車のため、室内も荷物優先な構造なほかタイヤサイズも荷物の重さに耐えられる条件をクリアした特殊なサイズに限られています。
新型「N-VAN」の開発責任者 古館茂氏は、「『N-VAN』を開発するにあたり、荷物をたくさん詰めることはもちろん、多様化するユーザーの仕事に対して、クルマをもっと使いやすく働きやすい存在にすることでした。『N-VAN』は、仕事やレジャーなどあらゆるライフスタイルに合わせて便利に使える軽バン新基準の創造にチャレンジしました」と説明。
単純な商用軽バンを復活させるだけであれば、標準モデル「N-VAN」のみの展開で十分でした。しかし、あらゆるニーズに応えるために、「N-BOX」よりもアクティブさを求めるユーザーに対するひとつの選択しとして、「N-VAN +STYLE FUN」という趣味性をもたせたモデルを展開しています。
ホンダの「N-BOX」と「N-VAN」」は細分化するユーザビリティを包括する似て非なる存在といえそうです。 【了】
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