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門戸を開いたフェラーリ、その先にある姿とは?──マーケティング&コマーシャル部門最高責任者にインタビュー!

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門戸を開いたフェラーリ、その先にある姿とは?──マーケティング&コマーシャル部門最高責任者にインタビュー!

−フェラーリの業績が世界的に好調です。以前のフェラーリは、運転のエキスパートしか運転できない特別なスポーツカーといったイメージが強かったですが、それが変わりつつあるのでしょうか。

エンリコ:確かに、かつてのフェラーリはある程度のスキルがないと運転が難しいクルマでした。けれどもリサーチの結果、フェラーリには乗りたいけれど運転に自信がないから躊躇している人が多いのはわかっていました。そこでわれわれは、2008年に2プラス2のオープンモデル「カリフォルニア」を発表したのです。アグレッシブさを抑える一方、快適性に配慮したモデルで、結果としてカリフォルニアのオーナーの約70%が、初めてフェラーリに乗る人たちでした。なお、「カリフォルニア」の後継モデルが現在の「ポルトフィーノ」です。

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−ポルトフィーノの名前が出たところで、フェラーリの現行ラインナップを紹介していただけないでしょうか。

エンリコ:フェラーリは、それぞれのモデルが異なるドライブ体験を提供します。なぜなら、モデルごとにふさわしい顧客がいるからです。まず4人乗りでラゲッジルームも広い「GTC4ルッソ」は、家族や友人と一緒に楽しめるフェラーリ。屋根が開く「ポルトフィーノ」は、小さな子どもであれば充分な広さのリアシートがあるので、“パパがナンバーワンだ!”と、喜ばれるでしょう(笑)。この2台はフロントにエンジンを積むGT(グランドツーリング)カーです。エンジンをミドシップする「488」はエゴイストのためのスポーツカー。エキサイティングです。800psのV型12気筒エンジンを搭載するFR(フロントエンジン・リアドライブ)の「812スーパーファスト」は、フラグシップです。超高性能でありながら、同時に快適にも配慮しています。

−市場の将来性についての考えは?

エンリコ:フェラーリは台数を追いかける企業ではありません。創業者のエンツォ・フェラーリは“需要より1台少なく作れ”と、言葉を残しています。やっと手に入ると、喜びもひとしおですから。ただ、現在はあまりにウェイティングリストが長くなりすぎました。だから規模を追うのではなく、お待ちいただいている顧客のため、生産台数を増やします。たくさん売るというのではなく、顧客がお待ちになっている時間を短縮するのが目的であることをご理解ください。

−顧客がフェラーリを訪ね、デザイナーとともに自分だけの1台を仕立てる「フェラーリ・テーラーメイド」についてうかがいます。サービスの反響はいかがでしょう?

エンリコ:大成功です。全世界から顧客がお見えになるので、2018年9月にはマラネロに新しいデザイン・センターを建て、テーラーメイドのためのアトリエも2つ新設しました。上海に続き、2019年はニューヨークにもテーラーメイド・センターを開設する予定です。

−フェラーリはもともと、ほぼオーダーメイドに近い形の発注が可能でした。シートもボディカラーもインテリアの素材も、かなり自由に選べるはずです。フェラーリ・テーラーメイドは、従来と何が違うのでしょうか?

エンリコ:フェラーリ・テーラーメイドをご利用いただく人は、実際、マラネロまでお越しになって、フェラーリのデザイナーとともにゼロから仕立てます。今までの発注より、さらに細かく自分好みに仕立てられます。また、デザイナーらと直接やりとりするため、“フェラーリファミリー”の一員になったような感覚を味わえます。この感覚こそが、最大の違いと考えています。テーラーメイドでオーダーするには、最低でも1日はマラネロに滞在していただく必要がありますが、ぜひ、より多くの日本のフェラーリファンに、フェラーリ・テーラーメイドをご利用いただきたいと考えています。

<エンリコ・ガリエラ氏プロフィール>
パルマ大学で経済学を修め、1990年から2010年まではバリラ社で様々なポジションを経験する。2010年よりフェラーリS.p.A.のチーフ マーケティング&コマーシャル オフィサー。「子どもが小さかった頃には、カリフォルニアの後席に乗せてドライブに出かけたものです」。

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