現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本の凍結路は世界一過酷!? 欧州スタッドレスタイヤの実力はいかに【クルマの達人になる】

ここから本文です

日本の凍結路は世界一過酷!? 欧州スタッドレスタイヤの実力はいかに【クルマの達人になる】

掲載 更新
日本の凍結路は世界一過酷!? 欧州スタッドレスタイヤの実力はいかに【クルマの達人になる】

 猛暑もすぎ、心地よい秋風も吹き、やってくるは冬の季節。東北や北海道、上信越などの降雪地域ではスタッドレスタイヤが必需品。

 幸いにも日本には世界的なタイヤメーカーが存在し、世界的に見ても過酷といわれる日本の凍結路に対応したスタッドレスタイヤが販売されている。

ホンダ史上最高の完成度!! それでもクラリティPHEVが苦戦する理由

 そこで気になるのがヨーロッパなど海外のスタッドレスタイヤたち。速度レンジも高く、降雪も多い欧州で育ったスタッドレスタイヤは日本ではどうなのでしょうか?

文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部


ベストカー2018年10月26日号

■日本のミラーバーンでは欧州スタッドレスは厳しい!?

 今やスタッドレスタイヤの本当の性能はまったくわからない。メディアを含め性能比較試験をしていないからだ。

 唯一、2015年までJ.D.パワーJAPANというアメリカの調査会社がスタッドレスタイヤの顧客満足度を発表していた。

 2015年の結果は業界平均の『550』という数値に対し、ミシュランは『614』で圧倒的な1位で、12年間連続1位。

 日本の雄であるブリヂストンといえば業界平均を少し上回る『575』で2位。3位ピレリの『545』。ヨコハマは4位ながら業界平均を下回る『543』。

 どうやら業界にもミシュランのスタッドレスタイヤはいいと思っている人が少なくないようで、輸入車の広報車にミシュランが付いてるケースが多い。

 じゃ本当によいかと言えば、少なくとも私の試験だと厳しいです。特に「う~ん」と感じるのは日本特有のミラーバーン。

 濡れていた路面が凍った、立っていられないほどツルツルのアイスバーンだ。冷凍庫の氷は滑らず、アイスペールの中の氷は滑る。それと同じ。

 こういったことを書く度にアンチ国沢な人から「無責任なことを書きやがって! ミシュランやピレリに訴えられるぞ!」と言われる。

 もし訴えられたら開き直ってミラーバーンで制動試験をしようと思う。日本のタイヤメーカーの技術者とこの手の話をよくするのだけれど「海外のタイヤメーカーも実力は認識してますから訴えないでしょうね~」という。

 そもそも私は経験値だけでなく、メーカーのテストデータも参考にしてます。

 わかりやすく書くと「日本特有の超絶滑るミラーバーンでの性能は日本ブランドに届かない」ということ。

■海外スタッドレスならではの魅力もある

 海外スタッドレスタイヤにも魅力や商品力ある。例えばミシュラン。ミラーバーンを除く普通の圧雪や、気温低い時のアイスバーン性能は日本ブランドと互角。

 加えて舗装路でのステアリングフィールなどで優位だ。ほとんど雪道を走らず、イザという時のために履いておくのなら持ち味を引き出せる。

 グッドイヤーのベクターのような「4シーズンスタッドレス」みたいなタイヤは一段と舗装路向き。しかも圧雪なら案外走るため、降り始めの雪なら充分対応できる。

 ピレリなど欧州ブランドのスタッドレスタイヤは基本的にミシュランと同じ傾向。ミラーバーンに遭遇したら超ユックリ走る、と割り切れるなら、乾燥路中心で走る人に向く。

 ただ日本ブランドのスタッドレスタイヤも乾燥路のフィールや燃費が大幅に向上しており、いい勝負になった。

 最近出回りだした新興国のスタッドレスタイヤは、アイスバーン性能が欧州的。舗装路性能で一昔前の日本ブランドと同等で圧雪なら問題ない。

 強みの激安価格でチェーンでなくスタッドレスタイヤにしよう、と考える人も多い。冷静に評価すると、チェーンより4輪スタッドレスタイヤの方が総合バランスで勝る。

 このようなことを認識した上、日本ブランドか海外ブランドか決めていただきたい。

こんな記事も読まれています

【最終最強のW12搭載】 ベントレー・バトゥール・コンバーチブル 内装にジュエリーとのコラボ
【最終最強のW12搭載】 ベントレー・バトゥール・コンバーチブル 内装にジュエリーとのコラボ
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】マルケス、フランスGP初日はドゥカティ陣営で今季最も苦戦した1日に「リヤの改善が必要」
【MotoGP】マルケス、フランスGP初日はドゥカティ陣営で今季最も苦戦した1日に「リヤの改善が必要」
motorsport.com 日本版
全国各地で減便&廃業! もはや「路線バス」という発想自体が古いのだろうか
全国各地で減便&廃業! もはや「路線バス」という発想自体が古いのだろうか
Merkmal
元F2ドライバーのビスカール、ポルシェ963でIMSAデビューへ。プロトンからラグナ・セカ戦に参戦
元F2ドライバーのビスカール、ポルシェ963でIMSAデビューへ。プロトンからラグナ・セカ戦に参戦
AUTOSPORT web
高級車ディーラーを訪ねる際の“ドレスコード”、どんな服装までOKなのか?!
高級車ディーラーを訪ねる際の“ドレスコード”、どんな服装までOKなのか?!
月刊自家用車WEB
大型トラックの「タイヤ」が浮いてる!? 故障なの? 奇妙すぎる「浮くタイヤ」には切実な理由があった!
大型トラックの「タイヤ」が浮いてる!? 故障なの? 奇妙すぎる「浮くタイヤ」には切実な理由があった!
くるまのニュース
なんでバッテリーは「上がる」のか? もしかすると「暗電流」が原因かも!?
なんでバッテリーは「上がる」のか? もしかすると「暗電流」が原因かも!?
バイクのニュース
レッドブルに近付けるか!? フェラーリが大規模アップデートマシンをフィオラノでテスト。ボディワークに様々な変化
レッドブルに近付けるか!? フェラーリが大規模アップデートマシンをフィオラノでテスト。ボディワークに様々な変化
motorsport.com 日本版
【日本企業初!営業利益が5兆円超え】 トヨタが別格ともいえる決算説明会を開催 投資を強化も
【日本企業初!営業利益が5兆円超え】 トヨタが別格ともいえる決算説明会を開催 投資を強化も
AUTOCAR JAPAN
CRI・ミドルウェアのCRIWARE搭載車両が全世界で600万台を突破
CRI・ミドルウェアのCRIWARE搭載車両が全世界で600万台を突破
レスポンス
オフロード感マシマシ[新型フリードクロスター]がヤバい!! 絶対付けたい純正オプション一挙に
オフロード感マシマシ[新型フリードクロスター]がヤバい!! 絶対付けたい純正オプション一挙に
ベストカーWeb
えっ、もう増税!? スズキ「スイスポ」に日産「ジューク」など、まだまだ現役だと思っていた2024年に増税対象となるクルマとは
えっ、もう増税!? スズキ「スイスポ」に日産「ジューク」など、まだまだ現役だと思っていた2024年に増税対象となるクルマとは
Auto Messe Web
歩行者からしたら「マジ勘弁」! そこかしこで見かけるクルマの身勝手行為5つ
歩行者からしたら「マジ勘弁」! そこかしこで見かけるクルマの身勝手行為5つ
WEB CARTOP
トナーレの美しいボディラインに惚れ惚れすること間違いなしです! アルファロメオ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
トナーレの美しいボディラインに惚れ惚れすること間違いなしです! アルファロメオ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
テスラ・モデル3 & モデルY用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
テスラ・モデル3 & モデルY用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
レスポンス
「2年で製品化」 中国車メーカーへ移籍のデザイナー、シュテファン・ジーラフ氏に聞く 欧州との違いは?
「2年で製品化」 中国車メーカーへ移籍のデザイナー、シュテファン・ジーラフ氏に聞く 欧州との違いは?
AUTOCAR JAPAN
ホンダ「“次期型”フィット」どうするべき!? 「ターボ+MT」&「タイプR」もアリ? “大人気”だった「コンパクトカー」に望むモノとは
ホンダ「“次期型”フィット」どうするべき!? 「ターボ+MT」&「タイプR」もアリ? “大人気”だった「コンパクトカー」に望むモノとは
くるまのニュース
バイクのタイヤサイズ、最後の謎アルファベットの意味とは?
バイクのタイヤサイズ、最後の謎アルファベットの意味とは?
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

565.0810.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

565.0810.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村