長年愛されているスポーツモデルも多数!
世界第二位の自動車大国、アメリカ。クルマが「日常の足」であるこの国で、アメ車以上に愛されている日本車とは何か? 30数年間、アメリカ各地で過ごしてきた筆者の経験から厳選してみた。
アメリカ自動車市場は大きく2つの分野にかれている。ひとつは乗用車、もうひとつはライトトラックだ。シェアで見ると、近年はライトトラックが若干優勢になってきた。とはいえ、乗用車の需要は堅調で、その中心的存在なのがC/Dセグメントと呼ばれる中小型車だ。このC/Dセグメントこそ、アメリカ人にとってもっとも馴染みのある日常車だ。
具体的には、Cセグメントではトヨタ・カローラとホンダ・シビック、そしてDセグメントではトヨタ・カムリとホンダ・アコードが、それぞれ2強体制を敷いている。アメリカ人にとってこれら4車種は、もはや日本車という枠組みを超えており、普段の生活のなかに完全に溶け込んでいる。
一方、販売台数は少ないが熱烈なファンが長きに渡って愛している日本車がある。日産Zとマツダ・ミアータだ。
「Z」とは、日本の「フェアレディZ」のことで、発音は「ゼット」ではなく「ジィー」と呼ぶマニアが多い。70年代の240Zや280Zに始まり、近年は370Zとなった日本車スポーツカーの王道である。全米のZオーナークラブの活動も盛んで、全米各地で定期的な会合が開かれている。
一方「ミアータ」は、モデル名称で「MX-5」とも呼ばれる。日本での「ロードスター」である。こちらは、「Z」と比べると女性ユーザーが多く、また男女ともに年齢層も幅広い。
今年1月のスイス・ジュネーブショーで次期モデルをベースとしたレーシングカーが世界初公開された、トヨタ「スープラ」。日本では「セリカXX(ダブルエックス)」として誕生し、その後「XX」、そして「スープラ」となり、スペシャリティなスポーツクーペとして人気を博した。
そもそも、「スープラ」という名称は「XX」の北米導入を計画した際、成人映画の規格の名称とイメージが重なることから発案された、と言われている。そんな「スープラ」は、2000年前後に米西海岸を基点に全米に広がった日系改造車ブームの際もチューニングカーの王道として君臨していた。
2019年には、全米で最大の人気を誇るモータースポーツ、NASCARのトップカテゴリー、モンスターエナジーカップシリーズで、トヨタは参戦マシンを現在の「カムリ」から「スープラ」へと刷新することも発表。アメリカでの「スープラ」人気が再燃するのは確実だ。これからもアメリカ人に心底愛される日本車が次々と登場することを期待したい。
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