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かつて横行「走行メーター巻き戻し」今もある? 規制で激減したが根絶には至っておらず

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かつて横行「走行メーター巻き戻し」今もある? 規制で激減したが根絶には至っておらず

■車検証の記載事項にも「メーター改ざん対策」

 クルマの総走行距離は、たとえば消耗品の交換時期などを知るうえでも重要な情報です。一般的には総走行距離10万kmがクルマを買い替えるひとつの目安ともいわれますが、自動車市場において、走行距離は車両の価値を大きく左右する要素です。

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 かつては、これを不正に変更する行為が横行しました。いわゆる「メーター巻き戻し」です。たとえば、メーターを操作したり交換したりすることで、走行距離5万kmのクルマを2万5000kmなどと偽って販売し、クルマの価値を上げることが行われました。

 メーターがデジタル式になったことで、このような不正がしにくくなったともいわれますが、これまでに国や業界団体も様々な手を打ってきています。

 たとえば、車検証に記載される走行距離は車検を受けるたびに書き換えられていましたが、国土交通省は2000年代に、最新の車検時の記録と前回の車検時の記録を併記する方式に改めました。ところが、車検を受けた直後にもう一度受け直すことで、改ざん前の走行距離を車検証から抹消するといった手口があったことから、国土交通省はさらに制度を改正。2017年1月から、走行距離が前回の数値と逆転した場合、過去の車検における「走行距離記録最大値」も記載されるようになりました。

 また、中古車業界では「走行メーター管理システム」を導入し、多くの業者が中古車を仕入れるオートオークション会場から不正車両を締め出す取り組みを行っています。オークションに出品された中古車の走行距離データを蓄積し、データベースとして管理することで、出品車両のデータを各会員事業者が共有できるほか、各地の日本自動車査定協会支所などを通じて一般の人でも照合することが可能です。

 日本の自動車取引業者で構成される自動車公正取引協議会(東京都千代田区)によると、これら対策を通じてメーターの改ざんは激減したものの、実際にはこのような走行距離に関する消費者からの相談が来ることはあるといいます。

■メーター改ざん、今もある? どう対処すれば

 中古車の走行距離に関するトラブルについて、自動車公正取引協議会に話を聞きました。

――メーターの改ざんは現在もあるのでしょうか?

 はい。昔のアナログメーターと比べれば改ざんは難しくはなってきていますが、現状でもできないことはないと認識しています。相談事例をたどっていくと、当会会員以外の業者や、個人間売買、あるいは会員以外の事業者によるインターネットオークションで扱われたものが多いです。

――どのように対策しているのでしょうか?

 会員業者にはしっかりとプライスボードなどに走行距離情報を表示するよう指導しているほか、そこに間違いがあれば業者に対し厳正に対処しています。また、走行メーター交換歴がある車両、メーター改ざん歴がある車両については、運転席側のセンターピラーにそれらを示すシールを貼るようお願いしており、その調査も行っています。

 このほか、新たに中古車販売業を立ち上げた方など、非会員の業者を対象に会員を増やす取り組みを行っているほか、国に対しても、メーター改ざんの事実を隠して販売するような行為を景表法違反として対処するよう要請しています。

※ ※ ※

 一般の人はどのような点に気を付ければよいのでしょうか。自動車公正取引協議会は、「まずお店選びが重要でしょう。協議会の会員であれば正しい走行距離を表示していますし、仮に会員業者がメーターの改ざんをしたらわかります」とのこと。

 また同協議会では消費者相談窓口を設けており、走行距離に関するトラブルについては、クーリングオフなどに向けた法律的な方法論のアドバイスを行っているそうです。

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