現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、ボルボ「XC60」受賞に見る新しい流れとは?

ここから本文です

「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、ボルボ「XC60」受賞に見る新しい流れとは?

掲載 更新
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、ボルボ「XC60」受賞に見る新しい流れとは?

ボルボ車初の栄冠、輸入車の受賞は2度目

 毎年、年末近くになると発表されるのが「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」です。その年を代表する1台を、自動車メディアが中心になって定めるもの。1980(昭和55)年にスタートし、38回目を迎えた本年度はボルボ「XC60」が大賞となりました。輸入車としては、4年前のフォルクスワーゲン「ゴルフ」に続いて2台目。ボルボとしては初の栄冠です。

5代目日産「シルビア」 女子ウケ抜群! なにが彼女たちのハートを鷲掴みにしたのか

「『日本カー・オブ・ザ・イヤー』なのに日本車じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、この賞は「その年に日本で発売されたクルマ」が対象です。ちなみに、欧州やアメリカの「カー・オブ・ザ・イヤー」に日本車が選ばれたこともあるように、その地で販売されていれば、どこの国のブランドにも獲得できる権利があります。

 とはいえ、これまでの「日本カー・オブ・ザ・イヤー」では日本車が優勢でした。そして、今年のボルボ「XC60」も圧勝というわけではありませんでした。

「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、60人の選考委員が25点の持ち点を5台に振りわけ、そのうちの1台に必ず最高点の10点を与えるという投票方法をとっています。つまり、選考委員は必ずベストの1台を決めています。そこで、ベストの10点を何人の選考委員から獲得できたのかとチェックしてみると、ボルボ「XC60」は9人。ところが、これは1位ではなかったのです。

もっとも選ばれたのは「カムリ」?

 最も多くの選考委員からベストの10点を得られたのは、トヨタの「カムリ」で14人でした。つまり、選考委員が1台しか投票できないのであれば、「カムリ」が1位となったのでしょう。2位は11人のスズキ「スイフト」。3位が10人のホンダ「N-BOX」。ボルボ「XC60」は、その次の4位でした。

 ところが、ボルボ「XC60」は、ベストではないけれど、60人中54人から点数を得ていました。つまり、幅広く良さを認められ、その結果として最も多くの点数を得て、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の大賞に輝いたのです。

日本車と輸入車がイーブンに見比べられる

「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は「日本車も輸入車も分け隔てなく、良い悪いで評価される」という賞です。とはいえ、実際に日本市場で圧倒的に売れているのは日本車です。また、なんとなく「日本の賞なんだから、日本車だよね」という空気もあったのでしょう。

 しかし、近年になって、そんな雰囲気は徐々に変化してきました。記録を見直してみれば、10年ほど前から賞レースでは、常に2位や3位に輸入車が食い込んでいたのです。

 たとえば2008-2009年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の1位はトヨタ「IQ」でしたが2位はシトロエン「C5」。2009-2010年も3位がフォルクスワーゲン「ゴルフ」。2010-2011年も2位に「ポロ」。2011-2012年はメルセデスベンツCクラスが2位。2012-2013年はBMW3シリーズが3位。2013-2014年は「ゴルフ」が大賞受賞。2014-2015年、2位Cクラス。2015-2016年、3位BMW2シリーズ。2016-2017年、3位アウディ「A4」といった具合です。

「日本市場だから」はもはや通用しない?

 つまり、1位に圧倒的な日本車がいなければ、いつでも輸入車が大賞獲得をうかがうという状況だったのです。また今年は、「カムリ」「スイフト」「N-BOX」の3台に票がバラけたことで、ダークホースであった「XC60」が浮上した理由とも言えます。問題は圧倒的な存在がいなかったこと。ドングリの背比べでは、次席にいる輸入車に栄冠が回ってしまうこともあるのです。

 もしも、来年以降も「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の大賞に輸入車が選ばれたのならば、それは、圧倒的な存在の日本車がいなかったということ。それは、そのまま日本車の魅力が低下しているのと同じことでしょう。もう、「日本市場だから日本車有利」という前提は揺らいでいるのです。

 日本車ファンとしては、輸入車に負けない、圧倒的な存在感を放つ魅力的な日本車が次々と登場してくれることを祈るばかりです。

【画像】ボルボ「XC60」のインテリア

こんな記事も読まれています

新車価格は衝撃の63万円!!! 気分は[日本一速い男] 日産チェリーの正体とは?
新車価格は衝撃の63万円!!! 気分は[日本一速い男] 日産チェリーの正体とは?
ベストカーWeb
イタリアのSAはコーヒーが美味しい! ただしガソリンは日本以上に高いのでセルフサービスを活用しましょう【みどり独乙通信】
イタリアのSAはコーヒーが美味しい! ただしガソリンは日本以上に高いのでセルフサービスを活用しましょう【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
新型トラックや多彩な架装など約150台が集結!ジャパントラックショー2024
新型トラックや多彩な架装など約150台が集結!ジャパントラックショー2024
グーネット
MotoGP:2027年に1000ccから850ccへマシン規則変更。空力パーツは50mm削減、車高調整デバイスは禁止
MotoGP:2027年に1000ccから850ccへマシン規則変更。空力パーツは50mm削減、車高調整デバイスは禁止
AUTOSPORT web
世界に1台!フェラーリ「812GTS」ベースのフルカーボン仕様車を披露 ノビテック
世界に1台!フェラーリ「812GTS」ベースのフルカーボン仕様車を披露 ノビテック
グーネット
時速6キロのお台場めぐり!トヨタの3輪BEV使った観光サービス「おさんぽ」スタート
時速6キロのお台場めぐり!トヨタの3輪BEV使った観光サービス「おさんぽ」スタート
グーネット
アウディの美点を「ギュッと凝縮」 更新版S3へ試乗 333馬力にトルクスプリッター 少し真面目すぎ?
アウディの美点を「ギュッと凝縮」 更新版S3へ試乗 333馬力にトルクスプリッター 少し真面目すぎ?
AUTOCAR JAPAN
日産「マーチ」ベースの「フェアレディ」!? 大人が驚く学生ならではの感性で仕上げたカスタムポイントとは
日産「マーチ」ベースの「フェアレディ」!? 大人が驚く学生ならではの感性で仕上げたカスタムポイントとは
Auto Messe Web
ルノーの名物イベント、今年は10月27日に決定! 「ルノー カングー ジャンボリー2024」開催概要を発表
ルノーの名物イベント、今年は10月27日に決定! 「ルノー カングー ジャンボリー2024」開催概要を発表
月刊自家用車WEB
宮田莉朋、無念のトラブルで勝利逃すも「全然ネガティブには思っていません」。原因はギヤボックス/ELMS第2戦
宮田莉朋、無念のトラブルで勝利逃すも「全然ネガティブには思っていません」。原因はギヤボックス/ELMS第2戦
AUTOSPORT web
ルクレール3位「マクラーレンの強さは予想以上。僕たちにはアップグレードが必要」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール3位「マクラーレンの強さは予想以上。僕たちにはアップグレードが必要」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
800馬力のランボルギーニ「ウルスSE」は10種のドライビングモードで楽しめる! EVだけでも60km以上走れるクラス最速SUVです
800馬力のランボルギーニ「ウルスSE」は10種のドライビングモードで楽しめる! EVだけでも60km以上走れるクラス最速SUVです
Auto Messe Web
レッドブル&HRC密着:敗因はフロアのダメージとハードタイヤでの苦戦。勝つことの難しさを痛感したフェルスタッペン
レッドブル&HRC密着:敗因はフロアのダメージとハードタイヤでの苦戦。勝つことの難しさを痛感したフェルスタッペン
AUTOSPORT web
高速道路を走りながら「EV充電」現実に! 本線で「走行中給電」実証やります NEXCO東日本
高速道路を走りながら「EV充電」現実に! 本線で「走行中給電」実証やります NEXCO東日本
乗りものニュース
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
WEB CARTOP
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
Merkmal
知的なアスリート──新型マセラティ グラントゥーリズモ試乗記
知的なアスリート──新型マセラティ グラントゥーリズモ試乗記
GQ JAPAN
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

739.0839.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

42.0815.0万円

中古車を検索
XC60の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

739.0839.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

42.0815.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村