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ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(最終) 本気のオフローダー&大容量ワゴン

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ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(最終) 本気のオフローダー&大容量ワゴン

積算1万8654km オリジナルとはまったく異なる

長期テストでAUTOCARに来ていたランドローバー・ディフェンダー 130を、ジャガー・ランドローバーへお返しした。筆者は、オリジナルのディフェンダー 90を所有している。やはりというべきか、それとはまったく異なるクルマだった。

【画像】高級SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 90から110 クラシックな初代も 全122枚

オリジナルのディフェンダー・ユーザー同士では、すれ違う時に手を触り合う事が多い。長期テストが始まった時、新型でも手を降ってくれるオーナーがいるかも知れないと期待したが、そんなことは1度もなかった。とはいえ、驚きはなかったけれど。

もはや、お隣の農家が買ったから、ウチでも買おうと思えるオフローダーではなくなった。それでも、新しいディフェンダーは素晴らしい。車内を水洗いできないことに、不満を抱くオーナーはいないだろう。

仮に、水をじゃぶじゃぶかけてフロアを洗いたければ、長期テスト車だったアウトバウンド・グレードが適している。サイドが立ち上がったゴム製のマットが付属し、取り外してブラシで洗うことができる。

これにレザー・アップグレードとプレミアム・インテリアパッケージを指定すれば、かなり豪華な雰囲気に仕上がる。長期テストのディフェンダー 130には、それら沢山のオプションが追加され、素の状態から1万6000ポンド(約312万円)も高かったが。

本気のオフローダー 大容量のワゴン

全長は、スペアタイヤを含めると5358mm。乗用車として考えると、間違いなく大きい。レンジローバーより長く、未踏の地を冒険する本気のオフローダーとしても、大容量のファミリーワゴンとしても実力を発揮できる。

ディフェンダー 130では、2列5名のシートレイアウトの他に、3列7名も選択可能。殆どのドライバーが出くわすことのない悪路を悠々と走破する一方で、長距離・長時間移動を至って快適にこなせる。自分は、馬の餌を沢山運んだ。ちょっとした悪路にも挑んだ。

次期型のランドローバー・ディスカバリーは、ディフェンダーとの差別化が求められる。よりスポーティな雰囲気になるらしい。秘境へ挑んだキャメルトロフィーは、すっかり過去のイメージになったようだ。

D300のパワートレインは、3.0L直列6気筒マイルドハイブリッドのディーゼルターボ。最高出力は300psもある。トランスミッションは8速オートマティック。シフトパドルはないが、レバーで任意にギアを選ぶこともできる。自分は、殆ど機械任せだったが。

四輪駆動システムで、ローレンジを選ぶ場面はなかった。エアサスペンションで車高を持ち上げることはあったものの、その程度。路面状況に応じて特性が変化する、テレインレスポンスに触れる機会もほぼなかった。

丁寧な運転なら燃費良好 不具合は基本的にナシ

大きなオフローダーだが、丁寧に運転すれば燃費は意外と良好。それでも四角いボディは空気力学に優れるとはいえず、高速道路では数字は伸び悩む。

110km/hでクルージングした時の効率は、10.5km/Lを少し超えるくらい。だが100km/hで我慢すれば、14.0km/h近くへ改善できる。

燃費は市街地でも振るわない。郊外の一般道を流している時が、1番良い様子。何度かチャレンジしたが、かなり気を使って運転し、平均17.7km/Lを超える瞬間を目撃した。慌てて近くの町へ立ち寄り、写真を取ったのはいうまでもない。

長期テストの期間中、アドブルー液の補充はナシ。故障なども一切なく、ディーラーの対応や、整備士からの意見を確かめることもできなかった。

セキュリティ関連のアップデートは実施した。丁寧なスタッフがノートパソコンを携えてやってきて、ソフトウエアの書き換えを済ませてくれた。CANバスと呼ばれる車載ネットワークが、稀に不全になる可能性があるという。

不調といえば、タイアの空気圧が低下したことと、手持ちのアイフォンとのペアリングが時々落ちたことくらい。どのクルマでも起き得ることだろう。所有体験として、悩ましいことではなかった。

もし筆者が、毎日の仕事にも使えるクルマを選ぶなら。ディフェンダー 130は、数少ない最終候補の1台にノミネートするはずだ。

セカンドオピニオン

自分は、新居への引っ越しにディフェンダー 130をお借りしたが、かなり楽しく済ませることができた。普通なら、ストレスフルな作業になりそうだが。

自然の中での暮らしにも、スーパーマーケットへの買い物にも使える。沢山の荷物を載せたまま、繁華街にも繰り出せる。筆者が確認した燃費は9.6km/Lだったが、悪くはないだろう。記憶に残る1台だ。 フェリックス・ペイジ(Felix Page)

テストデータ

気に入っているトコロ

万全な環境:姿勢を正した運転姿勢に、優れた前方視界。安心感の高い運転体験を叶えてくれる。
簡単に切れる運転支援:気に障るシステムではなかったが、ステアリングホイールのボタン1つで、オフにできる。
広大な空間:リアシートは広々。シートは大きく、見晴らしも良い。
カッコいい見た目:オリジナルのディフェンダーの特徴を巧みに継承したスタイリング。レトロ感を抑えつつ、ディフェンダーらしい。

気に入らないトコロ

都市部での取り回し:全長が5.3mを超えるボディは、駐車が大変。360度カメラと大きなサイドミラーが心強い。

走行距離

テスト開始時積算距離:7312km
テスト終了時積算距離:1万8654km

価格

モデル名:ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
開始時の価格:8万390ポンド(約1568万円)
現行の価格:8万4520ポンド(約1648万円/D350)
テスト車の価格:9万6745ポンド(約1867万円)

オプション装備

サテンフィルム:4000ポンド(約78万円)
プレミアム・インテリアパッケージ:2275ポンド(約44万4000円)
牽引パッケージ:1415ポンド(約27万6000円)
ドライバーアシスト・パッケージ:1175ポンド(約22万9000円)
ヘッドアップ:ディスプレイ:1080ポンド(約21万円)
電子制御アクティブ・リアディファレンシャル:1020ポンド(約19万9000円)
レザー・アップグレード:920ポンド(約17万9000円)
コンフォート&コンビニエンス・パッケージ:800ポンド(約15万6000円)
マトリックスヘッドライト:760ポンド(約14万8000円)
盗難防止トラッカー:530ポンド(約10万3000円)
寒冷地仕様パッケージ:260ポンド(約5万円)
UVカット・ラミネート・フロントガラス:220ポンド(約4万3000円)
電源コンセント:100ポンド(約2万円)

燃費&航続距離

カタログ燃費:11.4km/L
タンク容量:89.0L
平均燃費:13.1km/L
最高燃費:16.8km/L
最低燃費:11.4km/L
航続可能距離:1168km(軽油)

主要諸元

全長:5358mm
全幅:1996mm
全高:1970mm
最高速度:196km/h
0-100km/h加速:7.6秒
車両重量:2586kg
パワートレイン:直列6気筒2997cc ツインターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:300ps/4000rpm
最大トルク:66.1kg-m/1500rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
トランク容量:1329-2516L
ホイールサイズ:20インチx8.5J
タイヤ:255/55 R20

メンテナンス&ランニングコスト

リース価格:1170ポンド(約22万8000円/月)
CO2 排出量:231g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:1286ポンド(約25万円/軽油)
燃料含めたランニングコスト:1286ポンド(約25万円/軽油)
1マイル当りコスト:0.18ポンド(約35円)
不具合:不安定なスマートフォンとのペアリング

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