F430の派生エンジンに美しいボディ
イタリアンな美しいボディで身を包んだ、マセラティ・クアトロポルテ。長い歴史を知っていれば、名前だけで思わず惹かれてしまう4ドアサルーンだ。なかでも傑作といえたのが、2004年に発売された5代目だった。
【画像】マセラティ・クアトロポルテ 5代目と現行の6代目 最新スーパーカーのMC20も 全76枚
現在の中古車市場なら、手頃な価格で5代目クアトロポルテを探すことができる。思わずポチッとクリックしたくなるのは、筆者だけではないだろう。
ピニンファリーナ社によるスタイリングは、見惚れるほどに妖艶。フロントに収まるオールアルミの自然吸気4.2L V8エンジンは、素晴らしく豊かなサウンドを響かせ、7000rpmまで吹け上がる。
このV8エンジンは、フェラーリF430へ搭載されたユニットの派生版。家族で乗れるフェラーリとして楽しむのも悪くない。
最高出力は400psを誇り、0-100km/h加速を5.0秒でこなした。最高速度は、275km/hが主張されていた。ファミリーカーとしては充分以上に速い。素晴らしい音響は、情操教育にも良いかもしれない。
ただし、当初のトランスミッションは6速セミ・オートマティック。信頼性に欠ける、デュオセレクトと呼ばれるモノが載っていた。トランスアクスル・レイアウトで、マニュアル・モードでは清々しい変速を楽しめるが、機械任せでは気を揉むかもしれない。
2007年からは、扱いやすいZF社製の一般的なATも投入されている。だが、2005年に新グレードとしてエグゼクティブGTとスポーツGTが登場したが、後者にはデュオセレクトが残った。走りにフォーカスされた、低く硬いクアトロポルテだ。
魂を売るほど傾倒する可能性も?
2008年にフェイスリフトを受け、新しいフロントグリルにヘッドライト、ドアミラーを獲得。インテリアでは、センターコンソールが一新されている。
同時期には、スポーツGT Sも登場。V8エンジンは、上級グレードで4.7Lへ排気量が増やされた。こちらは最高出力440psを発揮し、0-100km/h加速は5.0秒を切っている。
グレードを問わず、クアトロポルテは操縦性が出色だった。ステアリングは正確で、コーナリングは驚くほどニュートラル。プッシュしても安定性が保たれた。テールを外側に降り出すことも難しくない。筆者の経験では、手懐けやすいと思う。
反面、乗り心地はいまひとつ。トルクコンバーター式ATの採用に合わせて、若干良くなっているけれど。
スタイリングが魅力的だと感じたら、インテリアも眺めて欲しい。広々とした空間は、沢山のウッドと柔らかなレザーで仕立てられている。スイッチ類が整然と並び、シートの座り心地も良い。イタリアン・ラグジュアリーに浸れる。
信頼性は、あまり期待しない方が良い。維持費も安くない。筆者のいとこ、ケビンは愛車のクアトロポルテに掛かる費用を抑えるため、フランスへ移住してしまった。
先が3本に別れたモリ、トライデントのエンブレムが勇ましいクアトロポルテには、表現しがたい魅力がある。魅了されてしまったら、魂を売るほど傾倒してしまう可能性もゼロではないので、ご注意を。
新車時代のAUTOCARの評価は
ここまで魅力的でありながら、同時に残念だと感じるクルマも珍しい。トランスミッションは冴えず、乗り心地も落ち着きがない。ブレーキの感触も褒めにくい。
エンジンはこのクラスで出色。クアトロポルテを運転したいと思える最大の理由だ。信頼性的に、いつでも運転できるとは限らないけれど。BMW M5やメルセデス・ベンツ E55 AMG、ジャガーXJR並みに良いとまではいいきれない。 (2005年3月29日)
専門家の意見を聞いてみる
ジェームズ・ウィーラー氏:マクグラス・マセラティ社代表
「クアトロポルテの良い点は、悪い点を遥かに上回ります。美しいボディの内側には、最高のサウンドを放つV8エンジンが搭載されています。状態が維持されていれば、操縦性も素晴らしいものです」
「適正にメンテナンスを続けていれば、信頼性も悪いとはいえません。購入する場合は、しっかり手入れされてきたクアトロポルテを選びたいところですね」
購入時に気をつけたいポイント
トランスミッション
初期のデュオセレクトの場合、変速時にエンジンの回転数が過度に上昇しないか、適正にギアを選択できるか、予め確かめたい。部品の摩耗を示していたり、重大な不具合へつながることがある。
クラッチの寿命は2万kmほど。交換には英国で2000ポンド(約34万円)ほど必要。
エンジン
なにより、マセラティの正規ディーラーか専門ショップで、しっかりメンテナンスされてきたかどうかが重要。定期点検は、英国仕様の場合は約1万km毎に指定されている。
ボンネットを開き、カムカバー・ガスケットやフロント側のクランクシャフト・オイルシール付近からオイルが滲み出ていないか確かめる。エアフローメーターの故障で、エンジンが不調に陥ることもある。
ステアリングとサスペンション
初期のクアトロポルテでは、アンチロールバーのドロップリングやサスペンション・スプリングの破損、ダンパーの不調などが珍しくない。アライメントが乱れやすく、タイヤの偏摩耗もチェックポイント。
ステアリングは、ラック付近からのフルード漏れや、過度に遊びが大きくないか確かめる。パワーステアリング・ポンプの状態も確認したい。
ボディとホイール
基本的にボディは錆びにくいものの、飛び石キズなどを放置していると、そこから広がる。フロント・サブフレームが錆びやすいものの、それ以外は比較的安心できる。
ドアの開閉に関するリコールが2006年に出ており、ドアハンドルの交換が必要になる。トランクリッドにはソフトクローズ機能が付いている。その動きも確かめたい。
華やかなアルミホイールは、ガリ傷が付きやすい。修正には多額の費用が必要になる。
インテリア
若干古びていたとしても、ゴージャスに見える。レザーは柔らかく、簡単に擦り切れる。
グローブボックスのラチェットが壊れやすく、しっかり閉まるか確かめる。パワーウインドウやヘッドライトなど、電装系の動作も事前にすべて確認したい。
知っておくべきこと
ボディ底面の両側、フロントのジャッキポイント付近に、25cm四方のスチールカバーが付いている。内側にブレーキラインの接合部が隠れている。錆びやすい部品だが、交換は簡単だ。
一般的な部品の流用が難しく、クアトロポルテの維持には高いコストが必要になる。ブレーキ系統などは純正部品しかなく、価格もかさむ。
あまり乗らない場合は、バッテリー・コンディショナーにつないでおくことが得策。バッテリーが上がると、マセラティ専用のダイアグノーシスでシステム・リセットが必要になってしまう。
GT Sに採用されたシングルレートのダンパーは、素晴らしい姿勢制御を叶えているが、乗り心地が硬い。高速道路でも。エグゼクティブGTなどほかのグレードには、乗り心地の良い調整式ダンパーが組まれている。
英国ではいくら払うべき?
1万ポンド(約167万円)~1万3999ポンド(約232万円)
比較的状態の良い、エグゼクティブGTとスポーツGTのクアトロポルテが英国では見つかる。走行距離は16万kmを超える例が中心。可能な限り過去の整備履歴を確かめたい。今後の整備費用も予め準備しておきたいところ。
1万4000ポンド(約233万円)~1万6999ポンド(約282万円)
2007年式から2009年式のクアトロポルテが中心。走行距離は12万kmを超える例がほとんどだ。
1万7000ポンド(約283万円)~1万9999ポンド(約333万円)
2009年式から2014年式のモデルを、英国では探せる価格帯。走行距離も8万kmから12万km程度へ短くなる。
2万ポンド(約334万円)以上
価格が高くなるほど、状態も良くなる。人気の高いGT Sは、2万5000ポンド(約418万円)以上するようだ。
英国で掘り出し物を発見
マセラティ・クアトロポルテ(英国仕様) 登録:2008年 走行距離:12万700km 価格:1万2495ポンド(約108万円)
この価格帯としては走行距離が短めで、状態も良い。整備記録もすべて残っているようだ。販売しているのも、イタリアン・エキゾチックの専門ショップ。保証も付けてくれるという。
ローンも可能。10%の頭金を払えば、月額233ポンド(約3万9000円)の支払いで良いという。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
結構、良いかも。