世界ラリー選手権(WRC)の最終戦ラリージャパンは、TOYOTA GAZOO Racingのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が優勝。セバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組が2位、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が3位に入り、トヨタが母国で表彰台を独占する結果となった。
激しい雨からにわか雪まで変わりやすいコンディションとなった今回のラリージャパン。エバンスは8度のWRC王者であるオジェや、タイトルを連覇したロバンペラに対し、1分以上の差をつけてラリーを制した。
■豊田章男会長、トヨタのWRCラリージャパン制圧に「嬉しさは想像以上」優勝のお祝いはみんなで“カラオケ”
クロアチア、フィンランドに続いて今季3勝目を挙げたエバンスは、ヒョンデのティエリー・ヌービルを抑え、ランキング2位でシーズンを終えた。
振り返れば昨年のラリージャパンでは、エバンスがヌービルと優勝争いを展開。SS15の時点で0.6秒差の2番手につけていたものの、SS16でパンクに見舞われ4位に終わった。
それだけにエバンスにとっては、忘れ物を取り戻したような気持ちにもなったようだ。
「もちろん、こういう状況でチームメイトと並んで勝つことができるなんて、特別だし素晴らしいよ」
そうエバンスはmotorsport.comに語った。
「難しいラリーだったし、昨年やり残したことがあると感じていたから、こうやって結果を出せて嬉しいよ」
「間違いなくプレッシャーはあったよ。フィニッシュできるかという点でね。もしそれができなかったら愚か者みたいに見えるだろうし、正直な所それは簡単なことのはずなんだ。でもあのコンディションでは、どこかでちょっとしたミスジャッジがあっただけで台無しになる」
エバンスは、酷いウエットコンディションに見舞われたSS2、SS3で最速タイムをマーク。ヌービルに26秒差をつけて総合首位に立ち、主導権を握った。
これらのステージでのドライブを振り返ったエバンスだが、自分のペースを説明することができないという。
「まったくわからないよ。最初のステージが終わったときには、1分くらい遅れているかと思ったんだけど……判断するのは不可能だった」と彼は付け加えた。
総合2位となったオジェは、SS5でバリアにクラッシュ。マシンの修理が必要となり、サービス到着が6分遅れたことで1分のペナルティも受けることになり、エバンスに挑戦することはできなかった。
優勝が目標ではあったものの、オジェはこの表彰台独占は長く記憶に残るだろうとmotorsport.comに語った。
「このような瞬間に立ち会えることは特別なことだ。もちろん個人的な側面から言えば、僕はこのラリーで勝つためにここに来たが、目標には届かなかった」
「でも最終的に、アキオ・トヨダ(豊田章男/トヨタ会長)がここにいて、チーム全員の前で表彰台独占の一員となれたことで、完璧な目標を達成できなかったことなんて簡単に忘れることができた。僕のキャリアの中でも忘れられない瞬間だ」
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