国産車のモデルライフは以前よりずいぶん長くなりましたが、コンパクトカーは比較的早めのフルモデルチェンジを行う傾向にあります。そんな中で2019年に車名変更を行ったマツダ2は、前身のデミオ時代を加えると約9年も販売されているロングセラーモデルです。そろそろモデルチェンジかと思われたものの、しかしマツダ2は2023年1月に大幅な商品改良を行いました。その試乗インプレッションを萩原文博さんが紹介します。
9年目を迎えるマツダのエントリーモデル
5年契約できるカーリースは?購入とどっちがお得か、費用やメリットを調査
スズキからOEM供給されている軽自動車を除いたマツダブランドのエントリーモデルとなるのが、コンパクトカーのマツダ2です。2014年9月(一部モデルは10月、12月)に4代目デミオとして登場し、2019年の商品改良実施と同時に車名をマツダ2へと変更しました。マツダ2は現在新車で販売されている国産コンパクトカーの中でもロングセラー、しかし改良は重ねられているので熟成が進んでいるモデルです。
2014年に登場した4代目デミオは、マツダの新世代技術「スカイアクティブ技術」と新デザインテーマ「魂動(こどう)」を全面採用したコンパクトカー。デビュー時のエンジンは1.3L直4ガソリンと1.5L直4ディーゼルターボの2種類で、トランスミッションは6速ATを中心に5/6速MTを用意していました。
車名がマツダ2へと変更された2019年の商品改良では、新サスペンションシステムの採用をはじめ、頭がぶれにくい新構造のフロントシートや高速走行時の車両の挙動をより安定させるため「Gベクタリングコントロール プラス」を採用するなど走行性能の向上が図られました。搭載するエンジンは1.5Lのガソリンとディーゼルの2種類となっています。
今回の目玉は内外装とグレード体系の変更
そして2023年1月に行われた大幅商品改良では内外装の変更や新色のボディカラーの追加と同時に、グレード体系を変更しています。
「自分らしく、自由な発想で遊び心を持って」をイメージしたBDグレードは、ボディカラーに合わせて、3種類のインパネやボディカラーと異なるルーフフィルムとドアミラーのカラバリエーションを用意。さらに2トーンのフルホイールキャップを設定するなど全198通りのカラーコーディネイトから自分好みとおりに仕立てることができます。
15 SPORT(スポルト)とXD SPORT+(スポルトプラス)は、専用のメッシュグリル、アルミホイールを採用すると同時にMT車を設定するなどスポーティーさを強調したグレードです。15サンセットシトラスは、パワーシートやステアリングヒーターなどの快適装備を標準化することで質感を高めているのが特徴。グレード体系変更によってMT車はガソリン車の15SPORTもしくはディーゼル車のXD SPORT+。または競技車両ベースの15MBのみの設定となりました。
改良を重ねたディーゼルエンジンはいまだ一級品だが、インテリアの一部には古さも
今回試乗したのは、2023年1月の大幅商品改良で設定されたスポーティーグレードXD SPORT+の6速AT車(車両本体価格は232万1,000円)。従来からラインナップされていたブラックトーンエディションをベースにスポーティーさを強化したグレードです。XD SPORT+の専用装備として、グロスブラックの専用メッシュグリル、アクセントに赤いラインを採用したブラック基調のシート。そして16インチ専用アルミホイールを装着しています。
マツダ2 XD SPORT+のボディサイズは全長4,080mm×全幅1,695mm×全高1,525mmで、今やマツダ車唯一の5ナンバーサイズ車です。液晶メーターを採用している車種が多くなっている現在、アナログ式のメーターや手動式のパーキングブレーキなどにはモデルライフの長さを感じます。搭載されている1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは最高出力105ps、最大トルク250Nmを発生。長いモデルライフの中で、様々な改良が加えられ、ディーゼルエンジンとは思えないほどのアクセルレスポンスとWLTCモード21.6km/Lという優れた燃費性能を両立させています。
クラス唯一の国産ディーゼルの走りはまるで「GTカー」
マツダ2は搭載しているエンジンによってクルマのキャラクターが異なります。ガソリンエンジン車はコンパクトカーらしい、軽快な走行が特徴ですが、クラス唯一のディーゼル車はコンパクトカーとは思えない走行安定性が持ち味。
ディーゼルエンジンを選ぶユーザーはロングドライブをする人が多いだろうということで、XD SPORT+は「GTカー」のような味付けが施されています。直進安定性が高いこと、コーナリング時のロール(クルマの傾き)の少ないこと、それらがGTカーっぽさを感じさせるのでしょう。無駄な動きが抑えられているので、コンパクトカーながらロングドライブでもドライバーや乗員が疲れにくい車に仕上がっています。
ボディが大きなセダンなどとは違って、ホイールベースの短いコンパクトカーでは、なかなか直進安定性、特に高速道路でのハンドルの修正を抑えるのは難しいのですが、マツダ2 XD SPORT+はしっかりと路面をつかんでくれます。
「人馬一体」はマツダ2にも感じる
一方でワインディングなどでの連続するコーナーでもマツダ2はドライバーの思い通りのラインをトレースすることができます。マツダが掲げる「人馬一体」のドライビングがコンパクトカーのマツダ2でもしっかりと具現化されているのです。
現在、マツダは新開発のFRプラットフォームを採用したラージサイズのSUVが主力車種となりつつあります。最新モデルのCX-60では、PHEVをはじめとした電動化が進んでいますが、モデルライフの長いマツダ2ではピュアエンジン車のみとなっています。コンパクトカーを購入する人にとって経済性は最重要ポイント。ディーゼルの燃費はまだまだ競争力を保っているものの、そろそろライバル車やCX-60のようにハイブリッドの導入も欲しいところです。
※記事の内容は2023年5月時点の情報で制作しています。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダN-BOXは首位変わらずも、2位スズキ・スペーシアが前年比150%と好調。トヨタ・ルーミーが登録車首位、全体3位に!(24年10月の全乗用車 国内販売登録ランキングTOP20とブランド別販売台数 )
【比較試乗】街乗りからオフロード走行まで可能な本格オフローダーを比較検証。タフな相棒の戦闘力は?「ランドローバー・ディフェンダー vs トヨタ・ランドクルーザー vs メルセデス・ベンツ Gクラス vs ジープ・ラングラー」
ポルシェ『911 GT3 RS』に新「マンタイキット」…285km/hで1000kg以上のダウンフォース
トヨタのハイブリッドミニバン『イノーバハイクロス』、発売2年で10万台販売
ついにトヨタ「新型セリカ」開発へ 副社長が復活宣言 MR2にも期待膨らむ
「車線減少の手前で抜かされそうになり、負けじと加速したら鳴らされました。私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「どっちもどっち」「いちいち喧嘩売るなよ」の声も…実際法律では誰が悪いのか
なぜ? 10歳児童に「過失100%」判決! 信号無視でクルマに衝突事故で。 「子どもだからといって無責任ではない」声も!? 何があったのか
【早くも1万台超え】安価でも豪華装備、業界もザワつく大穴SUV「フロンクス」の “強みと弱点”
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
一部改良アルファード/ヴェルファイア11月23日から受注再開!? だいぶがっかり!? 注目の廉価版アルファードXはHEVのみで510万円から!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント