■シーサイドライン事故への様々な見方
2019年6月1日夜に発生した横浜の「シーサイドライン」の逆走事故は大きなニュースになりましたが、このニュースでは運転手がいない状態で車両が動くことを指して「自動運転」という言葉がよく使われています。そして、シーサイドラインとクルマの「自動運転」を紐づけるような報道を目にすることも多いです。
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大枠ではどちらも自動運転であることは間違いありませんが、技術的な面での違いがあるため、自動車メーカーのエンジニアなどからは「シーサイドラインと次世代車の自動運転を混同するような報道はおかしい」という声も聞かれます。シーサイドラインとクルマの自動運転は、なにがどう違うのでしょうか。
シーサイドラインのような乗り物は「新交通システム」と呼ばれます。新交通システムに明確な定義はないのですが、一般的には専用の空間を移動する公共交通機関を指します。
走行システムは各種ありますが、代表的な例は車体の中央部分に軌道があり、モーター駆動でタイヤを路面に設置させるタイプです。シーサイドラインや、東京のゆりかもめなどがそれに該当します。これらの自動運転は「自動列車運転装置(ATO)」を使っています。
ATOは、駅の路面に設置されている「駅ATO装置」と、車体に搭載されている「車上ATO装置」のふたつがあります。駅で停車するごとに駅ATO装置から車上ATO装置に次の駅までの距離やスピードの命令が出されて、走行中は路面にある「自動列車制御装置(ATC)」がスピードをコントロールする仕組みです。
こうしたATOとATCを使った自動運転について、JR東日本でも2018年末から2019年始めにかけて、深夜に山手線を使った実験を行っており、JR東日本はシーサイドラインの事故が発生した後も「(シーサイドラインでの事故の検証を踏まえて)当初の予定通り2027年の実用化を目指す」としています。
一方、クルマの自動運転技術には、概念として大きく分けると「オーナーカー」と「サービスカー」というふたつの種類があります。
オーナーカーとは、乗用車の意味です。オーナーカーの自動運転では、いわゆる自動ブレーキと呼ばれる衝突被害軽減ブレーキや、車線逸脱防止装置、そして日産が2019年秋からスカイラインに採用すると発表した自動の車線変更などが含まれます。
高度な運転支援をおこなうことから、実用化にあたっては段階的に自動運転のレベルを上げていく技術開発が必要不可欠です。
技術的には、カメラやレーザーなどの車載センサー、衛星測位システム、高精度な三次元地図情報、また道路側やクルマ同士の通信などを複合的に使います。
オーナーカーでは当面、運転席に人が座り、自動運転が続行できなくなった場合は手動運転に戻ることを想定しています。これは、自動運転のレベル1からレベル5までの段階のうち、レベル3と呼ばれる領域までです。
■サービスカーはより公共性の高い乗り物
オーナーカーに対してサービスカーとは、米グーグルの子会社「ウェイモ」やトヨタの「e-パレット」などに代表される、タクシーや小型バスの代替手段になるような公共性の高い自動運転車のことです。こちらは自動運転レベル4、またはレベル5を想定しており、完全自動運転と呼ばれます。
レベル4は、専用レーンや走行時間帯を限定する考え方で、レベル5はいつでもどこでも走行できる究極の自動運転を想定しています。
つまり、シーサイドラインは、クルマに例えるとレベル4の状態での自動運転に相当します。ただし、電車においては、クルマでいう自動運転レベルをそのまま当てはめて考えることは一般的にしません。
現在、技術的にはレベル4やレベル5でも、オーナーカーと同じような先進的なセンサーなどを複合的に使うシステムが研究開発されています。
そのなかで、電車に近い形でのクルマのレベル4の自動運転としては、ヤマハ発動機の「ランドカー」というゴルフカートを用いた自動運転車による実証試験があります。
地中に電線を埋設して、そこに電気を流すことで生まれる磁気を車体側で検出して自動運転を行う仕組みで、これを電磁誘導型の自動運転といいます。遠隔で走行状態を常に監視することで、無人走行も可能となります。
電磁誘導型の自動運転のメリットは、導入コストの安さです。インフラの整備コストはシーサードラインのような新交通システムに比べてかなり低く抑えることができます。
一方デメリットは、走行する範囲が電車の軌道のように限定されてしまうことです。また、大量の人を輸送するためにはカートを複数連結させる必要があるなど複数あります。
このように、電車の自動運転とクルマの自動運転には似ている部分と似ていない部分があるのです。
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