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「ファミリアの兄弟車にしてボディパネルはまるで別モノ」バブルが生み出したマツダ入魂の1台! それがレーザーだ!【ManiaxCars】

掲載 更新 43
「ファミリアの兄弟車にしてボディパネルはまるで別モノ」バブルが生み出したマツダ入魂の1台! それがレーザーだ!【ManiaxCars】

日本フォードの最多販売車種レーザー! 欧州車テイストをほのかに漂わせる!

オシャレな雰囲気のベーシックセダン

「最北の地で元気に走り回る86&BRZ乗りにズームイン!」マルマン・モーターズと愉快の仲間達!

初代から5代目まで、一貫してファミリアのOEM車というスタンスが変わらなかったレーザー。ここで紹介するのは3代目BG型で、バブル景気真っただ中の1989年4月に発売された。

BG型レーザーは4ドアセダンと、ノッチ付きリヤゲートを持つ3ドアクーペで展開。まず注目したいのは、ボディパネルがベースのファミリアとはまったくの別モノとされ、3ドアクーペに至っては専用設計のボディ(モノコック)が与えられてることだ。

ちなみに、初代~2代目、4~5代目はボディパネルがファミリアと共用。つまり、歴代レーザーで最もコストをかけて開発されたのが3代目BG型ってことになる。

レーザーセダンのグレードは、基本的に上からGHIA(ギア)、GL-X、LXの3つ。ただし、GHIAには1.6L直4DOHCのB6型(130ps/14.0kgm)に加え、1.5L直4DOHC(110ps/12.9kgm)と同SOHC(91ps/12.4kgm)となる2種類のB5型を搭載。

また、GL-XにはSOHC版B5型、LXには1.3L直4SOHCのB3型(76ps/10.3kgm)と1.7Lディーゼル直4SOHCのPN型(58ps/10.7kgm)、計5種類のエンジンが用意されたから、実質的には6グレード構成と言えた。ミッションは5速MTまたは4速ATで、B3型搭載のLXのみ4速MTまたは3速ATが組み合わされた。

取材車両は、ほぼスクエアストロークでSOHCながら4バルブヘッドが与えられたSOHC版B5型を載せる1500GHIAの4速ATモデル。カムカバーにはフォードの刻印が入り、ファミリアとの差別化が図られる。燃料供給は電子制御キャブレターが担当。同じB5型でもDOHC仕様は電子制御噴射装置(EGI)になるのが大きな違いだ。

角が取れて全体的に丸みを帯びたスタイリングを眺めつつ、細部を見ていく。強くスラントしたフロントマスクや前後バンパーとサイドモールに加えられたメッキモール、ブラックアウト処理されたCピラー、フラット化が図られたリヤホイールアーチ上端、水平基調のリヤコンビネーションランプ…など、ファミリアがベースであるとは思わせないほど、レーザーセダン独自のスタイルを構築。こうなると、「1.6Lクラスの大衆セダンなのに、よくもここまで作り分けたもんだ」と感心するしかない。

運転操作機能とメーター類を最適な位置に集中させ、ドライバーの目や動きを考慮してデザインされたダッシュボード。ウレタン製2本スポークステアリングホイールはGHIAシリーズ専用装備で、GL-X以下はPVC製3本スポークタイプとなる。メーターは、スピードメーターを中心として右側にタコメーター、左側に水温計と燃料計が並ぶ。

センターコンソールは上からデジタル式時計とリヤデフォッガースイッチ、エアコン吹き出し口、エアコン操作パネル、2DINオーディオ、シガーライター&灰皿。オーディオは標準AM/FM電子チューナー+2スピーカーに対して、取材車両はオプションのカセット付きAM/FM電子チューナー+CDプレイヤーを装着。ちなみに4ドアセダンはアルパイン製、3ドアクーペはパイオニア製となる。

車内空間は、全長4.3m弱の5ナンバーセダンとしてやたらとゆとりがある。なんでも身長180cmのオトナ5人が快適に乗れることを目指したとのこと。実際、身長175cmのオレが後席に座ってみると前後、天地方向ともに余裕があって、カタログに堂々とうたわれた“国際水準の居住空間”という言葉にも偽りナシだ。

GHIAシリーズの前席はサポート性を高めたバケットタイプ。運転席にはシートリフターが備わり、シートベルトショルダーアンカーも高さ調整式となる。

後席にはセンターアームレストが備わり、廉価グレードのLXを除いて背もたれは60:40分割可倒式でトランクスルーが可能。

オーディオとセットオプションだったと思われるリヤスピーカー。アルパインのロゴの下に小さくフォードのロゴも入る。

SAE規格で368Lの容量を誇るラゲッジルーム。凹凸を極力なくしたフラットなスペースで、バンパー直上から幅いっぱいに開くフルオープンタイプのトランクリッドを採用。荷物の積み降ろしがしやすく、使い勝手の良さを高めている。

純正13インチスチールホイールにフルキャップを装着。タイヤは標準175/70R13サイズのエナセーブEC202が組み合わされる。また、フロントフェンダー後端にはGHIAと1.5 16バルブのエンブレムが取り付けられる。

さて、試乗だ。SOHC仕様のB5型エンジンはトルク特性が低中速域に大きく振られ、さらに1010kgという車重もあって、排気量1.5Lにしてはゼロ発進から力強く前に出る。20数年前にカミさんの足グルマとして3年ほど所有した、同じB5型エンジンを搭載するBF系ファミリアグランツの走りを思い出した。

ただ、BF系ファミリアの油圧制御式3速ATに対し、レーザーセダンは電子制御式4速ATを採用。その差は大きく、変速ショックが抑えられてることに加え、オーバードライブに入る50~60km/h以上の静粛性や快適性も格段に向上してることを実感した。もちろん、100km/hで4000rpmも回ってしまうファミリアではキツかった高速巡航も、レーザーなら楽勝だ。

もうひとつ、直進時はピタッと安定した走りを見せながら、ステアリングを切り込むとノーズが気持ちよくターンインし始める。ここでも車重の軽さを実感。さらに4輪ストラット式サスペンションと175幅のタイヤによってクルマの動きは軽快だし、ちょっとペースを上げてワインディングを走るくらいなら路面追従性も悪くなく、コーナリング時の姿勢だって安定してる。

加えて、サイドウォールが高い13インチの70扁平タイヤは路面の継ぎ目や段差を越えた時の衝撃吸収性にも優れてるなど、タウンユースでストレスを感じないのが素晴らしい。

ベーシックカーとしての実力は申し分ナシ。そこに、ちょっとオシャレな雰囲気と軽快な走りがプラスされてるなら、これ以上ナニを求めよう。

当時、同じクラスにはカローラ/スプリンター、サニー、シビック、ランサー/ミラージュとビッグネームが名を連ねていたが、中でもレーザーセダンは個性的な1台だったと思う。皮肉なのは、その良さが今になって分かったことだ。

■SPECIFICATIONS

車両型式:BG5PF

全長×全幅×全高:4270×1695×1375mm

ホイールベース:2500mm

トレッド(F/R):1430/1435mm

車両重量:1010kg

エンジン型式:B5

エンジン形式:直4SOHC

ボア×ストローク:φ78.0×78.4mm

排気量:1498cc 圧縮比:9.6:1

最高出力:91ps/6500rpm

最大トルク:12.4kgm/4000rpm

トランスミッション:4速AT

サスペンション形式:FRストラット

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤサイズ:FR175/70R13

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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みんなのコメント

43件
  • 歴史の闇に埋もれた泡沫車の一台ってかんじですけど
    実際買って乗ってみるとそう悪い車でもないんでしょうね
    ただ、デザイン的にまったく見るべき部分がないし
    フォードのロゴも微妙すぎて
  • ダサさが全ての良さをかき消した車。数日手元に有って乗ったけど普通に良い車だったよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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