ベストカー本誌の大人気連載「クルマ界 歴史の証人」。2024年3月26日号では3代目マーチのスポーツモデル「マーチ12SR」の開発秘話が掲載されている。そこで、マーチ12SRの現役オーナーであるベストカーWebスタッフが実際に所有して分かった魅力について語る!!
文、写真/ベストカーWeb編集部 小熊雄太
ワインディングが最高に楽しいのよ……オーテック珠玉の名車!! 日産「マーチ12SR」オーナーが語る魅力
■本物志向を狙ったオーテックの秀作・マーチ12SR
日産 マーチ12SR(筆者のマイカー)。平成19年式の後期型で、色は後期型のみに設定されていた「パシフィックブルー」だ
ベストカー本誌で連載中の「クルマ界 歴史の証人」。名車に携わった人物を数回にわたって特集する企画で、現在はR32型スカイラインなどの走りを担当した元日産自動車の中島繁治氏を特集。
そんななか、中島氏特集の最終回となる2024年3月26日号では、旧オーテックジャパン在籍時に担当した1台「マーチ12SR」が取り上げられている。
現在、マーチ12SRがマイカーの筆者としては「このクルマの素晴らしさを知ってもらえるチャンス!!」と思った次第。せっかくなので、珠玉の名車・マーチ12SRの魅力について語らせてほしい。
マーチ12SRがどんなクルマか説明すると、3代目のK12型に設定されたMTのみのスポーツモデルで、2003年10月の発表後、2010年まで販売されていた。
最近の日産のスポーツモデルがNISMOに集約された影響か、よく「NISMOバージョンだよね」と言われることがあるのだが、それは誤り。
神奈川県茅ケ崎市に本社を構え、日産車に付加価値をつけた商品を手掛ける「オーテックジャパン(現日産モータースポーツ&カスタマイズ)」が開発を行った。なので、ステージアの260RSなどと同じ「オーテックバージョン」だと思っていただけるとよい。
ベース車からはエンジンをはじめ足回りから車体剛性、シートやホイールなど一通りに手が加えられているのが特徴。
特に、エンジンは1.2Lの「CR12DE」ベースに、高回転型のカムプロフィール、バルブスプリング、専用ピストン、軽量フライホイール、専用チューニングECUを採用という本気ぶり。
2005年にはベース車のマーチがマイナーチェンジのタイミングで改良を実施。3ドアが廃止され5ドアのみになったことや、1.5LエンジンにCVTを組み合わせた「15SR-A」の追加、車体剛性や足回りの強化、エクステリアデザインが変更されたことなどがトピック。
さらに、新たにポート研磨と専用のステンレス製エキゾーストマニホールドを採用。純正とは思えないほど官能的なマフラーサウンドが楽しめるようになった。
このように、ポート研磨や専用ピストンなどチューニングカー級の内容なのにもかかわらず、通常の日産車と同様の長さのメーカー保証が付いていた。
しかも、「限定生産モデル」ではなくカタログモデルとしてラインナップされていたことも、今考えると凄いことである。
■スペック以上の魅力がある!!
スペックだけを見ると大したことはないのだが、実際に乗ってみると気持ちいい走りが楽しめるのが12SRの魅力
これだけ多くの変更内容がありながらも、ホットハッチとしては見た目が大人しいせいか「普通のマーチに毛が生えた程度じゃないの?」となかなか魅力が伝わりにくいマーチ12SR。
しかしながら、実際乗ったら病みつきになってしまう魅力的なポイントが多くある。
そのひとつが「コーナリングの楽しさ」。改良が加わった中期型以降でも最高出力は110psと決して高いスペックではないし、排気量は1240ccとライバル車に比べて低く、低速トルクも少ない。
しかしながら、960kgの軽量な車体に、新車装着タイヤのブリヂストン「ポテンザRE-01R」を履きこなす強靭な足回りやボディにより、鋭いコーナリングが病みつきになる。
エンジンはレスポンスが非常によく、途中で回転が引っ掛かることなく上までしっかり回るため非常に気持ち良い。ついついワインディングを走りたくなる楽しさを持っているのだ。
■今も愛され続ける理由
エアロパーツも専用開発で、高速道路を走ると効果が良く分かる。見た目の「ヤンチャ坊主」感も愛着が湧くポイント
また、オーテックが12SRのために開発したエアロパーツも魅力。元々のマーチは空力特性的に決して優れたものではないが、フロントからリアにかけてエアロパーツを装着したことで、前後でダウンフォースを実現している。
1日で500km以上走行することもあるが、直進安定性が高くステアリングがドッシリとしているため、とてもマーチを運転したとは思えないほど疲れない。
そのうえで、マーチのシルエットを崩さない控えめなデザインである点も嬉しい。見た目は派手でなく、走りは本格的。新車で100万円台のホットハッチでありながら妥協しない「本物志向」な仕上がりが、マーチ12SRが長く愛される理由ではないだろうか。
近年、国内外メーカーで多くのホットハッチが登場し、日産もマーチ NISMO SやノートNISMO Sを販売していたが、「ホットハッチだけど大人っぽい」というクルマで考えると、なかなか乗り換える先が見当たらない。
それを裏付けるように、日産モータースポーツ&カスタマイズ主催で年に1度開催するオーテック車オーナー向けイベント「AOG 湘南里帰りミーティング」では、生産終了から10年以上経った今でも全国から多くのマーチ12SRが参加している(筆者も2022年、2023年に参加)。
そんな多くのファンを抱える名車の生みの親が語った開発秘話については、ベストカー2024年3月26日号の「クルマ界 歴史の証人」に掲載されているので是非読んでほしい!!
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みんなのコメント
変な目で見られにくいと思う。他の車、例えば
コルトラリーアートやブーンX4は見た目に力が
入りすぎている。