ラスベガスでセルジオ・ペレスがまたしても散々なパフォーマンスを見せた後、レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、オーストリア国営テレビ局『ORF』に対し、レッドブル・グループ内でのペレスの運命は、今シーズンの最終戦後に決まるだろうと語った。
ペレスはラスベガスGPの予選Q1を通過できず、チームメイトのマックス・フェルスタッペンよりおよそ0.9秒遅かった。レースでは10位まで挽回して1ポイントを獲得したが、レッドブルはコンストラクターズ選手権でマクラーレンに53ポイント差をつけられ、事実上タイトル争いから脱落した。
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
レース終了後にマルコは、「今、正確な差はわからないが」と認めたうえで、次のように述べた。
「チェコ(ペレスの愛称)はマックスより200ポイント以上少ないと思う(編注:ラスベガスGP終了後のフェルスタッペンとペレスの差は251ポイント)。そして、コンストラクターズタイトルはもはや不可能であることは明らかだ……。もしセルジオが(ルイス・)ハミルトンや(ジョージ・)ラッセル、あるいはフェラーリやマクラーレンでもいいから近いところにいたら、我々はふたたび大きくリードしていたことだろう」
ペレスは、レッドブルが2年連続で獲得してきたコンストラクターズタイトルを失った責任を負っている。彼は過去16回のグランプリでわずか49ポイントしか獲得していないのに対し、フェルスタッペンは267ポイントを獲得しているのだ。マルコは、「アブダビの後に会議が開かれ、その結果が株主に提示され、来年の両チームのドライバー状況がどうなるかが決定される」と明らかにした。
このことは、レッドブル・レーシングにおけるペレスのシートが決して安泰ではないことを如実に表している。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、公の場でこの議論に巻き込まれることを避けようとしながらも、ペレスがチームの最も弱い部分であることを明らかにした。土曜日の夜のレースについて、ホーナーは次のように指摘した。
「我々は1ポイントを獲得した。つまり、彼の走りはよかったし、リカバリーもよかった。ただ問題は、マクラーレン勢が弱かった日に、我々が後方からスタートしてしまったことだ。今日は彼らからもっと多くのポイントを奪いたかった」
RBのリアム・ローソンが2戦連続で角田裕毅に負けたため、今のところローソンがレッドブルに昇格する見通しはあまり明るくないようだ。同時に、フランコ・コラピントおよびウイリアムズとの交渉はやや沈静化しているように見える。この若いアルゼンチン人ドライバーは、ブラジルとラスベガスで非常に激しい事故を2度も起こしている。このことは、レッドブル・レーシングのような非常にプレッシャーのかかる環境に置かれる準備がまだできていないことを示しているのかもしれない。
そうなると、レッドブルには実行可能な選択肢が残されていない。上層部が角田のことを、2025年末にレッドブルを去るホンダのドライバーと見なしていることは以前から明らかだ。ためらいがちなホーナーは、この件について何も語らなかった。
ホーナーはドライバーの状況について尋ねられると、かなり口ごもりながら「そう、ドライバーに関しては……」と答えたが、落ち着きを取り戻し、次のように語った。
「我々には契約を結んでいるドライバーもいるし、会社との間にオプションを残しているドライバーもいる。それについては、何も言うことはない。何か言うべきことがあれば、伝えよう」
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