リッターあたり125psの新エンジンを搭載
この記事の公開日は2024年4月15日。今から25年前の今日――すなわち1999年4月15日に発売された名車をご存じであろうか? ホンダのオープン2シーターFRスポーツ、S2000である。
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【画像21枚】生産終了から15年!デビュー当時のS2000、その詳細を見る
「S」というネーミングからは、四輪市場進出初期のホンダの名作、S500/600/800が思い出されるが、それが示す通り、S2000はかつてのSシリーズのスピリットを受け継ぐモデルとしても捉えることができた。オープン2シーターであることにもそれは見出すことができるが、何より大きいのは、S2000がホンダにとってはS800以来久々のFR車だったことである。S2000はホンダ創業50周年にあたる1998年に発表、そして翌年の4月15日に発表されたのであった。
ボディはかつてのSシリーズ(クーペもラインナップしていた)とは異なり、コンバーチブル一種のみ。そのスタイリングは、「新世代リアルオープンスポーツにふさわしい」「高性能とオリジナリティの融合をめざした」もの。低く構えたウェッジシェイプのノーズは、独自のレイアウトとサスペンション(後述)によってもたらされており、ドライバーが前輪の位置を把握しやすいような配慮もなされている。ヘッドライトにはプロジェクタータイプのディスチャージライトを採用、独特の表情を作り出していた。
ボディには、オープンカーでありながらクローズドタイプと同等の剛性や安全性を実現するため、ハイX(エックス)ボーンフレーム構造を採用。これはフロアトンネルをメインフレームの一部として活用すべく、前後のサイドメンバーと同じ高さで水平につなぐものであった。ソフトトップは、スイッチひとつの操作により約6秒で開閉する電動タイプとなっている。
進化したVTECと新設計6速ミッションを採用、さらに環境や安全にも配慮
レイアウトはすでに述べた通りFRであるが、エンジンを前輪の車軸より後方に置くビハインド・アクスル・レイアウトを採用、50:50の理想的な重量配分を実現。このエンジンは既存のF型をベースにしつつもS2000用に新開発されたF20C型で、直列4気筒DOHC 16バルブ、排気量は1997cc。ホンダ得意のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を採用しつつその内容はさらに進化。ローラー同軸VTECロッカーアーム(VTEC切替用の連結ピンを内蔵した一体構造)を新開発、エンジンヘッドも新設計され、フリクションの低減や高回転化、コンパクト化を達成した。これにより最高出力250ps、最大トルク22.2kgmと、当時の直4 2L自然吸気エンジンとしては世界トップレベルの高性能を実現している。
トランスミッションはこれも新開発の6速MTで、ショートストロークとクロスレシオ設定が特徴であり、エンジン特性を最大限に引き出し、小気味よいチェンジフィールを実現した。サスペンションは前後とも新設計のインホイール型ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、高いハンドリング性能と高レスポンスを成立させている。デフにはトルクセンシングタイプLSDを標準装備、サスペンションとの相互マッチングが図られている。ブレーキはフロントに16インチのベンチレーテッドディスク、リアに15インチのディスクを装備。
インテリアでは、プッシュボタン式エンジンスターターやデジタルメーターを採用し、フォーミュラーレーシングカー感覚を盛り上げていたほか、運転席・助手席ともにSRSエアバッグを装備。安全性の面ではボディ設計においても配慮されており、前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/h、側面衝突50km/h、後面衝突50km/hという高い基準を達成している。さらに環境性能という面でも抜かりなく、CO、HC、NOxとも平成12年排出ガス規制値を50パーセント以上下回り、環境庁排出ガス技術指針における「低排出ガスレベル」をも満たしていた。
発売時は単一グレード(ミッションも6速MTのみ)となっており、当時の価格は338万円。これは東京地域での価格で、その他は札幌:342.1万円、仙台:338.4万円、名古屋:339.1万円、大阪:339.6万円、福岡:340.7万円、沖縄:346.1万円となる。また、オプションとしてBBS製アルミホイール(4本)が20万円、本革シートが10万円、ホンダDVDナビゲーションシステムが22万円でそれぞれ用意されていた。
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