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スポーツドライビングの楽しさを学べる「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」に行ってみた!

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スポーツドライビングの楽しさを学べる「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」に行ってみた!

ポルシェはブランドの魅力を体験すると同時に、スポーツドライビングの楽しさを学べる「ポルシェ・エクスペリエンスセンター」という施設を世界中で展開している。その世界で9番目、アジアでは上海に次いで2番目となるのが、「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(以下PEC東京)」だ。

挨拶で登壇したポルシェ・ジャパン社長のミヒャエル・キルシュ氏はその冒頭で、来場者を始め、プロジェクトに関与した全員への感謝の言葉を忘れなかった。それほどに、このオープニングには並々ならぬ思いが込められていたことを容易に想像できたのだ。我々も、そうした高い熱量を感じながら、施設の魅力を体験するツアーを開始。そこでは単なるブランドの普及活動ではなく、車社会の未来への提言や、メーカーとしての社会貢献の在り方までも学ぶことが出来たのだ。

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43ヘクタールという敷地を持つPEC東京は千葉県木更津市の山間地にある。木更津の自然と日本特有の風景を生かした敷地には、日本の伝統工芸品の江戸切子をモチーフにした建物が建ち、美しいコントラストを見せている。その広さは東京ドーム1個分の面積を約4.7ヘクタールとすれば9個分。もっとも近い館山自動車道の木更津北ICから約5km、クルマで10分とかからずに到着できるロケーションにある。東京を始め横浜、千葉、埼玉といったエリアからアクアラインなどの高速を使い、順調であれば1時間とかからない距離だ。大都市圏の至近に、これだけの施設のためのスペースを確保するには、うってつけの場所だったという。

さらにこの地が選ばれたのは、もうひとつ重要な理由があった。それは羽田や成田といった国際空港からも近いと言うこと。PEC東京は首都圏からの来場者だけがターゲットではないし、ポルシェオーナーだけが大手を振って歩くような施設でもない。日本全国、さらには世界各国からポルシェに興味のある人や、スポーツ走行に興味ある人たちが自由に集う場所としての役割を持っている。それだけに国際空港からの距離も重要な要素となるのだ。また上海の同施設は中国の国内の規制によって「外国人の運転には制約がかかる」という。そうなると東アジア圏ではPEC東京が唯一の存在といえるため、グローバルに展開する施設であるならば、空港からのアクセスも重要な意味を持ってくるのである。現在のコロナ禍から、つぎのステップに移ったときには、こうしたロケーションの優位性はインバウンドに対しても強いメッセージとなることは確実である。

「知性と五感を刺激する数々のコンテンツ」とはどのような物か? 当日の天候も加味して、まずはコースに併設される建物を見学。入り口をくぐれば、最新のポルシェや歴史に名を遺したクラシックモデルなどが来場者を出迎えてくれることになる。日本伝統の矢来紋(やらいもん)という斜めの線で構成された外観の建物だが、その中は和テイストが散りばめられている。枯山水を模したかのような小さなスペースなどもあり、メカニカルなクルマとの対比を美しく演出している。

さらに歩を進めればポルシェブランドを体感できる「オフ ザ トラック」エリアである。施設内にはポルシェブランドを身近に体感できるラウンジやレストランを開設されている。カフェ「The 956 Cafe」や、後々は“星の獲得を目指したい”というレストラン「Restaurant 906」が、来場の気分を高めてくれる。また上質なファッションアイテムを揃えた「ポルシェドライバーズセレクションストア」でのショッピングでは、心浮き立つ物を感じるほどの充実度である。

2階に上がればその楽しさはさらに加速する。「シミュレーターラボ」では919ハイブリッドをはじめとした歴代のル・マン優勝車だけでなく、現行モデルに至るまでの車両で国内外のサーキットを走行できるシミュレーター体験が待っている。刺激的なバーチャル体験で実際の走行への気分が存分に盛り上がったところで、チャレンジするのが実車を使った本格的なドライビングレッスン「ドライビングエクスペリエンス」だ。

経験豊富なポルシェドライビングコーチのマンツーマンによるインストラクションで、全長2.1kmに及ぶトラックなどで、ドライビングスキルの向上を目指す。充実したコンテンツが用意されたドライビングプログラムであるが、くれぐれもサーキットでのコンペテンションスキルに特化した物ではない、と理解した。

実践走行レッスンを体験する際、外周トラックを「サーキットを走るのは初めて」と言っていた人に対して「サーキットではないですよ」とインストラクターが説明していた事を見ると、その役割がより明確になった。

とは言うものの、ニュルブルクリンク北コースの“カルーセル”や、ラグナ・セカの“コークスクリュー”を再現し、立体構造を採用したこのコース、という前書きがあれば、自ずと熱くなる。そんなコースの特徴を生かしたさまざまなトラックコンテンツや、専属インストラクターによる実践的なレクチャーなどにより、スポーツカーとしてのポルシェのパフォーマンスを堪能できることは相当に得るものが多い経験となるだろう。

同時にポルシェの奥深さ、そしてスポーツ走行の奥深さを理解できる。ポルシェは「未熟には優しいが、無謀には本当に厳しい」という本質を堪能できる貴重な施設となるはずだ。さらにクルマメーカーが提案する継続的な社会貢献とはいかにあるべきか、を示した貴重な施設であることが理解できた。

誰もが、ポルシェという、類い希なブランドの真髄を五感で味わえるこの施設は、万人に開かれている。

江戸切子をモチーフに外観デザインがシンプルなクールさを表現している。

設備投資額は約50億円とするこの施設。利益重視の施設ではないが、しっかりとした収益性を保つことは継続のために必要だという。

最新モデルだけでなく、1966年デビューのポルシェ906、通称カレラ6など、伝説的な名車も展示。その年にタルガフローリオなどで勝利したマシン。日本では1967年の日本グランプリで勝利してポルシェの強さを知らしめた。

厳選されたファッションアイテムを揃えた「ポルシェドライバーズセレクションストア」。

一流シェフが地元の食材を中心に仕上げた料理でのおもてなし。

パドック内ではテストカーが100項目にも及ぶ点検を受ける。このためマイカーでのコース走行は原則的には出来ないことになっている(占有時は要相談)。

館内には和テイストを感じさせる演出も。

シミュレーターラボも開設。料金は30分で4500円からとなっている。

海外のポルシェ・エクスペリエンスセンターは平面的なトラックとなっていることが多いのだが、山間地の地形を生かした三次元トラックはPEC東京ならではの特徴となっている。

様々なエクスペリエンスが用意されている野で、もちろん、オフロードセクションもある。

気になるモデルの切れ味をチェックしたり、ポルシェのハンドリングの特性をたっぷりと試すことができる。

日常的には試すことが難しいドリフトエリアもある。

メディアの質問や提案に熱く語るポルシェ・ジャパン社長のミヒャエル・キルシュ氏。

コースでのドライビング体験の料金は「718T」が4万9500円、「911カレラ」で6万0500円からとなっている。

データ

ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京
千葉県木更津市伊豆島中ノ台1148-1
受付時間:9:00-18:00 (定休日:日曜日、月曜日)
問い合わせ先:0120-718-911

TEXT :AQ編集部

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