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ボルボ「XC60」に搭載されたAndroidの最新インフォテイメントシステムは何がどう違う?

掲載 更新 2
ボルボ「XC60」に搭載されたAndroidの最新インフォテイメントシステムは何がどう違う?

ボルボXC60と言えば、2017年10月に日本に導入された新世代ボルボの一翼を担うミドルクラスのSUV。そして2017-2018年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した輸入車であることも記憶に新しい。そんなXC60が今秋、マイナーチェンジを受け、THE SMARTER XC60としてモデルライフを折り返すことになった。

ボルボはいち早くすべての車種を電動化した自動車メーカーとしても知られているが、現在のXC60のラインナップは48Vハイブリッドとリチャージと呼ばれるPHEVモデルのラインナップ。日本でもっとも売れているボルボもこのXC60なのである(今後、ピュアEVのC40が加わる予定)。

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今回のマイナーチェンジではパワートレーンの変更はないものの、内外装をリフレッシュ。エクステリアではフロントバンパー下のデザインがシャープになり、テールパイプを見えにくい配置にした(今後EVメーカーになるため)ことが主である。



そして世界最高峰の先進安全・運転支援機能「インテリセーフ」を強化するとともに、最大のハイライトとなるのがGoogle を搭載した Android™ベースの新しいインフォテイメントシステムの採用だ。誤解してほしくないのは、すでに普及しているGoogleのAndroid™Autoとは違う、スマホやタブレットでおなじみのGoogleアプリ&サービスのハンズフリー機能を、新世代インフォテイメントシステム、ハイブリッドナビ、車載SIMとともにフル搭載しているところである。

スマホで利用できるような検索機能、常に最新のマップが提供されルート案内が可能なGoogleマップ(オフラインマップで電技の届かないトンネル内や山沖にも対応)、Googleプレイ、Googleアシスタントなどを「OK Google」と呼びかけることで、スマホ同様に車内で使うことができるのだ(ステアリングの会話用スイッチを操作)。ただし、現在は英語のみの提供で、近々、日本語対応になるという。もちろん、いち早く英語版Google搭載のXC60を購入しても、後に日本語対応にアップデートできることは言うまでもない。

また、専用通信機器=SIMの装備によって、手持ちのスマホからドアロック、アンロック、PHVモデルのエアコンの遠隔操作、GPSによるクルマの位置確認なども実現するようだ。また、IOT家電のリモートコントロール(あらかじめ家の照明やエアコンをつけておくなど)も可能となり、クルマと生活がシームレスにつながるわけだ。さらにSOSコール=緊急通報サービス、車両のトラブルサポートボタンも前席頭上に新装備され、Googleアプリ&サービスが4年間無料であるのに対して、命にかかわるSOSコール=緊急通報サービス、車両のトラブルサポートはなんと15年間無料!!というのだから、さすが安全に最善を尽くすボルボならではである。

メーターはフルデジタルとなり、基本的な2眼メーター表示、大画面マップ表示を切り替えることができるのだが、表示、情報は安全も考慮し、極めてシンプルになっている。ちなみに、これまでセンターコンソールのあったドライブモードの切り替えが(シルバーアクセサリーのような上質なアイテムだった)、インフォテインメント画面で操作することになったのも新しい点である。

細かい点では、前方用レーダーの位置が変わったのと同時に、ヒーターを追加。よって、レーダー部分に雪が付着したとしても、雪を溶かし、レーダー機能に支障がなくなるという。

そんな新型XC60の、日本での販売台数の多くを占めるB5 AWD インスクリプショングレードに試乗した。パワーユニットをおさらいすると、最新の第三世代となるDrive-E、直4 2LターボエンジンにISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)を追加。ISGMとは、運動エネルギーを回収することで発生する電力を48V、0.5kWhのリチウムイオンバッテリーに蓄え、マイルドハイブリッド機構としてエンジンの始動や加速時のアシストを行う機構だ。ガソリンターボエンジンの250ps、35.7kg-mに加え、モーター出力10kW、40Nmのアドオンがある。

さらに、ブレーキバイワイヤー、シフトバイワイヤー、そしてエンジン回転数が3000rpm以下、30km/h~160km/hの範囲内で、なおかつ変速操作が行われず、エンジントルクが安定している条件下で作動し、WLTPモードで2.5~4%の燃費改善が見込まれる気筒休止システムも採用している。

よじ登り感など一切ない快適な乗降性で運転席に着座すれば、北欧モダンな雰囲気に包まれる、ドアを閉めた瞬間に外界と遮断されたかのような、静かで心地よい空間が出迎えてくれる。インスクリプショングレードのシフトセレクターは、ひんやりとしたさわり心地が特徴の、スウェーデンの高級クリスタル製品メーカー、オルフィス社のクリスタル製だ。インスクリプショングレードに標準装備される本革シート、センスのいいウッドパネルのあしらいとともに、シックな北欧の家具に囲まれたような、落ち着き感と高級感溢れる空間が演出されている。

19インチ大径タイヤを履く走行性能は、出足からマイルドハイブリッドの、微力とはいえもモーターのアシストがあり、出足からスムーズでトルキーそのもの。そこからの加速感も滑らかで、エンジンを高回転まで回すようなシーンではそれなりのエンジンノイズが耳に届くものの、それは乾いた心地よいエンジンサウンドと言うべきで、騒々しさは感じにくい。クルージング状態では徹底した遮音、吸音効果もあって、まるで北欧モダンな家具に囲まれたリビングルームが、そのまま空間移動しているかのように感じられたりする。

乗り心地はさすがに大径19インチタイヤが、路面によってはゴツゴツとしたタッチを伝えてはくるものの、そこはボルボ、角の取れた硬さと表現できるもので、速度を上げるほどにフラットな乗り心地になっていく。操縦性に関しても、おおらかさが身の上で、キビキビしたスポーティーな感覚は薄いのだが、そのぶん、リラックスした運転、ドライブが可能になる。とはいえ、カーブや山道での安定感は見事で、ほぼ水平感覚の走行を披露してくれるから、ドライバー、乗員ともに安心感に包まれた移動、ドライブが楽しめる。

XC40ではやや物足りなさを感じる後席居住スペースのゆとりも十分で、3ゾーンの後席エアコン吹き出し口が、センターコンソール後端だけでなく、左右Bピラーに装備されるのもボルボならでは。1年中、暑さ、寒さ知らずの快適すぎる移動が、後席でも味わえるというわけだ。



安全で快適すぎる”走るスマホ”、”つながるボルボ”になった新型XC60の価格は48Vマイルドハイブリッドモデルで649万円から。リチャージと呼ばれるPHVは844万円からとなる。なお、試乗したB5 AWDインスクリプションは749万円である。

ボルボ
https://www.volvocars.com/jp/

文・写真/青山尚暉

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みんなのコメント

2件
  • この性能と安全性を700万で手に入れられるなら安いと思う。
    ボルボは今後のEVの性能がどうなのかが楽しみです。
  • 運転しながらオッケーグーグル。
    確かにスマートでカッコいいね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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