プロパイロット、さらに使いやすく
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】日産ノート vs スバル・レヴォーグ 最新の運転支援【日本車2選】 全252枚
新型日産ノートのウリは、大きく3つある。
1つは、電動系パーツを新設計し、高い制御性能を持つ第2世代eパワー。
2つめは、日産社内ではCMF-B(コモン・モジュール・ファミリー・Bセグメント)と呼び、マーケティング用語としては次世代上級小型車向けプラットフォームと命名した、新しい車体やサスペンションによる走り。
そして、3つめは、進化したプロパイロットだ。
新型ノートでは、日産初となる「ナビリンク機能付き」のプロパイロットを採用している。
具体的には、3つの特長がある。
まず、標識検知機能だ。
制限速度が変わると、それまで設定していた車速を自動的に変更する。
従来型では、道路標識をカメラで検知してダッシュボードに表示するだけで、速度設定自体は変わらなかった(先代ノートは未採用)。
次に、カーブ減速支援である。
高速道路上でのカーブの曲率に応じて自動的に減速する。自車位置はカーナビの地図情報と衛星測位システムを併用しておこなう。
そして、停止後の追従再開に関する技術も進化した。高速道路上で渋滞などで停止し他場合、これまでは機能の自動復帰は最大3秒までだったが、これが約30秒まで拡大した。
技術的に、かなり大きな進化ではあるが、スカイラインが2019年に搭載したプロパイロット2.0とはどう違うのか?
そもそもプロパイロットとは何か?
まずは、プロパイロットとは何か、という観点から話を進めよう。
日産は、プロパイロットについて自動運転機能を使った日産の新技術と称している。
この「自動運転機能」という表現について、2016年の「セレナ」でプロパイロットを初採用した際、自動車メディアや一部ユーザーからは「あくまでも高度な運転支援システム(ADAS)であり、この表現だと完全な自動運転と誤解される可能性もある」という指摘が出た。
この時期、自動車アセスメント(NCAP)で歩行者認識に関する項目が追加されたことが大きなきっかけとなり、自動車メーカー各社がADASの標準装備と技術革新を加速させていた。
日産だけではなく、例えば一般的に自動ブレーキという表現についても、正式には「衝突被害軽減ブレーキと呼ぶべきだ」という指摘がメディアやユーザーからも増えていた。
それが現時点(2020年11月後半)では、プロパイロットが自動運転機能と形容することに対してメディアやユーザーからのネガティブな反応は少ない印象がある。
これは、日本や世界各国で、一般乗用車(オーナーカー)と、物流トラックやバスなどの公共交通機関(サービスカー)での自動運転実証や実用化が進み、人々の自動運転技術という表現に対する理解度が上がったからではないだろうか。
プロパイロット起源、イスラエル企業
では、プロパイロットの技術的な特長は何か?
新型ノートの場合、カメラ5つ、レーダー3つ、ソナー(赤外線センサー)8つを車両の前後とサイドミラー部に搭載し、自車周辺360°をセンシングしながら走行している。
先代ノートを比べると、前方衝突予測警報、後退時車両検知警報、後側方車両検知警報、ふらつき警報などが追加されており、こうした機能全体がプロパイロットだとも表現できる。
ただ、プロパイロットの神髄は車内ルームミラー近くに設置されている、単眼カメラの画像認識技術の精度にある。
この技術の源は、イスラエルのモービルアイが担っている。
筆者(桃田健史)はエルサレムにあるモービルアイ本社を取材し、また世界各国でモービルアイの技術を使った自動車メーカー各社の試験車や量産車を試乗してきた。
加えて、2017年にモービルアイが米半導体大手のインテルに買収された後も、米カリフォルニア州のインテル本社を取材し各種車両に公道で試乗した。
こうした中で、日産とモービルアイが、プロパイロットのハードウェア/ソフトウェアを担当する自動車部品メーカーとプロパイロットを進化させていく過程を見てきた。
そして今回、ノートが「ナビリンク機能付き」に進化した。
プロパイロット2.0との違いはある?
本稿執筆時点で、筆者は新型ノート量産車の実車を見ており、エンジンをかけた状態で車内に座っているが、実車を動かしていない。また、プロパイロットの開発担当者とも直接話していない。
その上で、すでに日産が公開している資料から推定すると、プロパイロット2.0は日産が地図メーカーなどと連携して採用した高精度三次元地図を使い、また車内モニタリングシステムなどによってハンズフリーを実現した。
これは、スバルが新型レヴォーグで搭載した、次世代アイサイトでのアイサイトXと考え方が近い。
むろん、アイサイトはステレオカメラである。
プロパイロット2.0もアイサイトXも、かなり高度な自動運転レベル2だと言える。あえて表現するならば、レベル2.5である。
一方、新型ノート採用の「ナビリンク機能付き」について、日産関係者は同車のメディア向け実車取材会で「コスパ」を強調した。
ナビリンク機能付きとは、日産コネクテッドナビゲーションサービスと連動する、工場ライン装着でのメーカーオプション。既存のプロパイロットの性能を、コネクティビティ技術と連携したもの。
新たなハードウェアなどへの投資を抑えて、さらに販売台数が多いコンパクトカーでの量産効果を狙う。
こちらをあえて表現すると、プロパイロット1.5なのかもしれない。
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みんなのコメント
レンタカーでe-POWERのクルマを借りて
いろんなシチュエーションで乗ってみるのも
いいかもって言ったらことごとく否定されたけど、
それって事前に知るんじゃねぇよってことでしょ。
なんなんだその売り方は。
プロパイロットもいいと思うが複雑な抱き合わせオプション構成で高価格になりそう!
もっとシンプルなオプション構成で少しでもリーズナブルに購入できるようにした方がいい。