スタイルは「威風堂々」。新型は3列シートを設定
9年前に初めて1stアウトランダーPHEVに触れたとき、発明級の一大事だと思った。三菱が送り出した渾身の1台は、プラグインハイブリッド車の素晴らしさを世界に知らしめた。
全面刷新された新型は、パジェロの終焉を受けて、三菱のフラッグシップとして位置づけられた。日本仕様がPHEV専用になったのは、従来型の高い販売比率(約7対3でPHEVのほうが多かった)を考えると納得だ。
「威風堂々」をコンセプトとする外観の強い存在感は見てのとおり。インパクト満点のフロントマスクが効いている。ボディサイズは全長×全幅×全高4710×1860×1745mm。従来比で、15mm長く、60mm幅広く、35mm高くなっているが、もっと大型化されたように感じる。
インテリアは上質なたたずまいを見せる。水平基調のデザインとされたのは、オフロード走行時に姿勢の変化を把握しやすくする工夫。視認性に優れた大画面ディスプレイが、必要な情報を的確に伝えてくれる。
新型は、これまでPHEVには設定のなかった3列シート/7名乗りが選べるようになった。初期受注では実に87%ものユーザーが7名乗りを選んでいるという。
3列目はさすがに広くはないものの、いざというときに重宝するのはいうまでもない。しかも2~3列目を倒すと広大な自由空間が出現する。完全フルフラットにならないのは惜しいが、少し工夫すれば車中泊くらいなら問題なさそうだ。
PHEVシステムが大幅進化。走りは気持ちがいい
新型はメカニズム面も先進仕様だ。PHEVシステムの進化は数値でも明らか。フロントモーターは60kWから85kWに、リアモーターは70kWから100kWに大幅にパワーアップした。駆動用バッテリー容量や燃料タンク容量も大きく増加している。これらにより、PグレードのEV航続距離は最大で83kmに達し、総航続距離も1000kmを超えた。AC1000V・1500W電源による外部給電可能な日数は、従来から2日増えて12日分となっている。
実際の走りも大幅に磨きが掛かった。ツインモーター4WDによる滑らかで力強い走りは、実に魅力的だ。アクセル操作にリニアに呼応するレスポンスはもちろん、力強さはこれまでとは段違い。しかも高い車速域でも頭打ち知らずだ。
気持ちのよいモータードライブ感が維持されて、伸びやかな加速フィールを楽しませてくれる。思わずアクセルを踏み増してしまいたくなる。
加えて静粛性も見事だ。走行中にエンジンがかかってもまったく気にならない。エンジン始動は、エネルギーフローの表示を見ないとわからないくらいである。
多彩な走行モードが設定され、走り味が選べるのもうれしいポイントだ。ターマックモードを選択するとアクセルレスポンスはより鋭くなり、パワーメーターの針の動きも一変する。同時に一段と緻密になった車両運動統合制御システム「S-AWC」が効いて、ただでさえロックトゥロックが2.6回転とクイックなところ、さらにハンドリングが俊敏になる。抜群の回頭性もまた、新型アウトランダーの個性である。
大きくレベルアップした走りには、ルノーと日産のアライアンスで開発され、大幅な軽量化と剛性向上を果たした新型プラットフォームが効いている。
フラットな乗り味。オフロードも頼もしい!
乗り心地も良好だ。ストロークをたっぷり確保した足回りを前後バランスよくバウンシングさせることで、フラットな姿勢を実現している。路面の荒れたところでは若干の硬さを感じなくもないが、全体としてはかなり快適に仕上がっている。高速巡行時の目線がブレにくいのも特筆ポイントである。待望の車線維持支援機能を加えた運転支援装備の進化も、長距離ドライブでありがたみを感じるに違いない。
今回はオフロードコースも試した。エコ志向の標準タイヤのままで、本格的なコースを存分に走れてしまう実力に驚かずにはいられなかった。
ノーマルモードでも走破性は十分に確保され、グラベルモードを選ぶとテールを振り出しながら攻めた走りが楽しめるようになる。マッドモードにするとトラクションが高まり、リアで押しながらフロントで引っ張ってくれるイメージ。より前へ前へと進もうとする感覚が増して安定して速く走ることができた。
新型アウトランダーPHEVは、三菱が誇る電動化技術と4輪制御技術の洗練で、全方位で大きな進化を遂げていた。完成度は想像以上に高く、舗装路でも悪路でもツインモーターAWDならではの優れた走りを味わわせてくれた。何より走っていて楽しかった。そこが一番の魅力だと個人的には思っている。
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みんなのコメント
今回は より進化して 海外では 爆売れ間違いなし
日本では 車の良し悪しが判断できない者・トヨタの水軍達は相手しなくても
ガンバレ 三菱