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国産ミニバンにはない使い心地? フィアット ドブロ マキシの使い勝手チェック【後編】

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国産ミニバンにはない使い心地? フィアット ドブロ マキシの使い勝手チェック【後編】

2024年12月5日、Stellantisジャパン(以下、ステランティス)は新型フィアット ドブロ/ドブロ マキシを発売しました。前編では7人乗のロングボディモデル「ドブロ マキシ」に試乗、その走り中心にレポートしましたが、今回はインテリアとその使い勝手について解説していきたいと思います。

操作系とインフォテインメントが一新!
まず運転席まわりから見ていきましょう。前編でも少し触れたとおり、ステアリングホイールに大きな変化が見られます。改良前はステアリングコラム左下のレバーに集約されていたクルーズコントロールなどのスイッチがハンドル上に配置され、操作しやすくなりました。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

またメーターは全面フルカラー液晶となり、シフトセレクターは従来のダイヤル式から最近のステランティス系ブランドの各車種に採用が進んでいるスイッチ式に変更されています。

インフォテインメントシステムに独自のナビ機能はないため、カーナビ機能は Apple CarPlay や Android Auto を使います。その際にスマホに電力を供給するUSB-Cポートもシフトパネルの右上に2口配置されており、2台同時に充電できるようになっています。

収納スペースも豊富で、フロントシートまわりだけでもメーターの奥(リッド付き)、インフォテインメント画面の奥、助手席側グローブボックス×2(上側はリッド付き、下側はリッドなし)、センタコンソールのシャッター状のリッドを開ければシフトレバーの下側にまで深い収納スペースが広がっています。

さらにもうひとつ、触れておきたいのが前席の頭上に設けられたシェルフ(棚)タイプの収納スペースです。これは兄弟車であるプジョー リフタ/リフター ロング、シトロエン ベルランゴ/ベルランゴ ロングにも採用されていますが、これが容量、設置場所ともに絶妙に良いのです。撮影時には車内清掃用のマイクロファイバークロスやウインドウクリーナー、無線、手袋などを置いておくのに便利でした。高さがないものであればティッシュボックスなども置けそうです。

2列目シートは及第点、3列目シートはかなり快適性が高い。
続いて2列目シートを見ていきます。こちらは3座が独立していて左、中央、右のいずれも座り心地は同じように感じられました。幅に関してはフロントシートや3列目シートと比べると若干狭く感じます。ちなみに、2列目シートは3座すべてにISO FIXチャイルドシートアンカーが備わっていて、この点は子連れのファミリーには喜ばれるかもしれません。

さらに、2列目シート用エアコン吹き出し口やシートバックテーブルも備えられており、床面はフラットで左右方向の移動がしやすいなど快適性を上げる装備も備わっています。気になる点としてはスライド機構がないことや国産車では装備されることが増えてきたサイドウインドウにサンシェードがないことくらいです。

驚かされたのが3列目シートです。国産ミニバンではあくまでもエマージェンシーシート的な位置づけでシートクッションの厚みが薄く座り心地がイマイチ、座面が低くて着座すると体育座り(三角座り)のようになってしまう、コンパクトミニバンではひざ周りがかなり窮屈などなど、乗員から苦情が出ることも少なくありません。

ですが、ドブロ マキシの3列目シートにはそんなネガティブな要素は一切感じられません。身長180cm弱の筆者が座ってもひざ周り、頭上空間ともに余裕たっぷりで、シートのサイズは2列目よりも大きく座り心地にも不満はありません。

また座面位置がやや高いためアイポイントが高く、前方視界も良好です。人によっては2列目シートよりも3列目のほうが快適と感じる人がいてもおかしくないレベルです。また左右3列目シートの間には通路があり、荷室スペースへのアクセスも容易にできる点も国産ミニバンには見られない特徴と言えます。

ガラスハッチに最大積載長3060mmなど「個性」が光る荷室
次にラゲッジスペースを見ていきますが、まずはバックドアについてからです。バックドアは大きめなのですが開閉にはさほど力は必要ありませんでした。しかもこのバックドアには最近のモデルでは採用例が減ってしまったガラスハッチが装備されていて、スペースに限りがある駐車場などでの荷物の出し入れなどの際には重宝しそうです。

そんなバックドアを開けると開口部は広く、床面も低めです。今回はお借りしたクルマということで試しはしなかったのですが、バンパー上部がステップ状に後方に張り出しているのでここに足をかけてバックドアから車内に乗り込む、といった使い方もできそうです。

3列目シートは前方にタンブルして荷室を広げることもできますが、レバーを操作だけで取り外すこともできます。3列目シート1脚あたりの重さは決して軽くはないのですが、成人男性であれば苦労せずに持ち上げられます。3列目シートを取り外すとフラットな荷室が出現します。

ただし、これだけではありません。2列目シートは折りたたむと座面ごとダイブダウンしてほぼ荷室床面と同じ高さに格納できます。さらに助手席もアームレストを外せば折りたたみが可能で、車内長をフルに使って長尺物を積むこともできるのです。助手席折りたたみ時の最大積載長は約3060mmで、サーフィンのショートボードはもちろん、ロングボードも車内に積めるほどの積載能力を持っているのです。

総じてミニバンとしてのポテンシャルは高い
また、ミニバンでは珍しく2列目シートシートバックから荷室後端までを覆うトノカバーが付属している点もドブロ マキシの美点として挙げることができます。

一方で、国産ミニバンと比較して気になる点もあります。例えば、左右スライドドアやバックドアに電動開閉機構がない、2列目シートにスライド機構がない、筆者の住環境の場合だと仮に3列目シートを外した場合にはどこに保管しておけばいいのか、などなどです。

しかし、前編でご紹介した欧州車らしい走りの良さや好燃費な点、快適な乗員空間と広い荷室空間などを考慮すると、こういった気になることは些細なことなのかもしれません。ドブロ マキシのメリットとデメリットを理解したうえで付き合えばこのうえなく良い相棒になるはずです。
(写真:佐藤正巳)

■フィアット ドブロ マキシ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4770×1850×1845mm
●ホイールベース:2975mm
●車両重量:1660kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1498cc
●最高出力:96kW(130ps)/3750rpm
●最大トルク:300Nm(30.5kgm)/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FWD
●燃料・タンク容量:軽油・50L
●WLTCモード燃費:18.1km/L
●タイヤサイズ:205/60R16
●車両価格(税込):436万円

[ アルバム : フィアット ドブロ マキシ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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