必ずしも商品力で1位にクルマに劣っているわけではない
好調に売れるクルマは、多くのユーザーが愛用する以上、優れた商品と判断できる。
マイナーチェンジも不発! テコ入れしても売れない国産現行車5選
しかし各カテゴリーの販売1位は、商品力だけでは獲得できず、販売力も求められる。またそのメーカーが扱うほかの車種の設計が全般的に古くなり、特定の車種に需要が集中して売れ行きを伸ばすこともある。
そういう意味では、各カテゴリーの2位にも目を向ける必要があるだろう。
■軽自動車:スズキ・スペーシア(販売1位:ホンダN-BOX)
2018年(暦年)の販売統計では、軽自動車の販売1位はホンダN-BOX(少数のスラッシュを含む)で、2位はスズキ・スペーシアであった。この1-2位は、国内市場全体の総合順位にも当てはまる。小型/普通車の1位は日産ノートだが、総合順位はホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、日産デイズ&日産ルークス、ダイハツ・タントに次ぐ5位になるからだ。
現行スズキ・スペーシアの室内空間は、ホンダN-BOXと比べて、ほとんど遜色はない。後席の頭上と足もとの空間も広く、4名乗車を快適に行える。背もたれを前方に倒すと座面も下降して、コンパクトに畳める。この状態なら自転車も積みやすい。フタの付いた収納設備はホンダN-BOXよりも多い。
そしてスズキ・スペーシアは軽量化に力を入れたから、車両重量はホンダN-BOXよりも約20kg軽く、マイルドハイブリッドも備えるからJC08モード燃費が優れている。ホンダN-BOXは27km/Lだが、スズキ・スペーシアは28.2km/Lだ。運転支援機能はホンダN-BOXに負けるものの、機能全般で見ると見劣りしない。価格は同程度だ。
■コンパクトカー:トヨタ・アクア(販売1位:日産ノート)
コンパクトカーの販売1位は日産ノートだが、日産のメーカー別販売台数順位は、トヨタ/ホンダ/スズキ/ダイハツに抜かれて5位だ。2011年以降の日産は新型車をほとんど発売せず、日産ティーダや日産デュアリスは次々と廃止した。
その結果、日産車の売れ行きが下がり、日産ファンは乗り替える車種がなくなって日産ノートe-POWERに需要が集中した。日産車の商品力が全般的に下がった結果、日産ノートが小型/普通車の販売1位になる皮肉な結果を招いた。
注目されるのは2位のトヨタ・アクアだ。後席の居住性は日産ノートを下まわって車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わらないが、日産ノートe-POWERに比べると車両重量が100kg以上も軽く重心は低い。日産ノートe-POWERの走行安定性は、車両重量とのバランスから限界ギリギリだが、トヨタ・アクアなら余裕がある。後席が狭いからファミリーユーザーには不向きだが、5ドアクーペ的な運転感覚が楽しく、走行安定性も優れている。
兄弟を合わせると驚異的な販売台数になるモデルも
■ミニバン:トヨタ・ヴォクシー(販売1位:日産セレナ)
日産セレナは2018年(暦年)に9万9865台を登録して、ミニバンの販売1位になった。トヨタ・ヴォクシーは9万759台で、ミドルサイズミニバンでは2位だが、姉妹車のトヨタ・ノアとトヨタ・エスクァイアを加えると18万7722台に達する。小型/普通車で1位の日産ノート(13万6324台)、総合2位のスズキ・スペーシア(15万2104台)を軽く上まわる。3姉妹車を合計すると物凄い人気車だ。
現行トヨタ・ヴォクシーは床を低く抑え、日産セレナに比べると乗降性が良く、低重心になって走行安定性も優れている。内装は上質で、3列目シートは床と座面の間隔を十分に確保したから多人数乗車時の居住性も日産セレナと同等に快適だ。3列目はレバー操作だけで跳ね上げるから、荷室を広げる時の使い勝手も良い。発売から5年を経過して、運転支援機能などは備わらないが、ミニバンとしての快適性や実用性は優れている。価格の割安感でも日産セレナに負けていない。
■SUV:ホンダ・ヴェゼル(販売1位:トヨタC-HR)
野性的なカッコ良さとワゴンの実用性を併せ持つSUVは、人気のカテゴリーになったが、トヨタは商品開発で遅れを取った。2013年にハリアーを発売して人気を得たが、価格が高く後が続かない。2016年末にようやく発売されたのがコンパクトなトヨタC-HRで、全店が扱うから売れ行きを伸ばした。
しかし商品力は2位のホンダ・ヴェゼルが上まわる。燃料タンクを前席の下に搭載して空間効率が優れ、後席の居住性はトヨタC-HRよりも大幅に快適だ。荷室も広くシートアレンジも多彩になる。視界が良いから運転もしやすい。1.5リッターノーマルエンジンを用意して、価格もホンダ・ヴェゼルが割安だ。トヨタC-HRに比べて実用性が高く、メリットも多い。
■セダン:トヨタ・クラウン(販売1位:トヨタ・カローラアクシオ)
日本に適したセダンの最多販売車種といえば、5ナンバーサイズを守ってきたトヨタ・カローラアクシオだが、今はモデル末期だ。安全装備や内装の作り、乗り心地に古さを感じる。しかも次期型はトヨタ・カローラスポーツと基本部分を共通化する3ナンバー車になる。日本の開発者が日本のユーザーのために作り上げたカローラは、現行型で終わりを告げるのだ。
一方、セダンで2番手のトヨタ・クラウンも、現行型は外観を大幅に変えて伝統のロイヤルサルーンを廃止した。走行安定性は高まったが、走りの印象はメルセデス・ベンツに近づき、日本の使用環境と走行速度に適した柔軟で快適な乗り心地は失われた。
もはや国産セダンの終焉を感じるが(トヨタ以外のセダンはとっくに終わっている)、強いて挙げれば、次期トヨタ・カローラセダンよりは現行トヨタ・クラウンのほうが歴代ユーザーに馴染みやすい。
それにしてもトヨタは、改めて5ナンバーサイズのトヨタ・カローラセダンを開発すべきだ。トヨタ・クラウンも「日本の高級車」をテーマに、商品開発を再検討したい。トヨタ・クラウンには、トヨタ・センチュリーのエッセンスを盛り込み、この2車種を連係させて日本の高級セダンを改めて問い直すと良いだろう。国産セダンを救えるのは、もはやトヨタだけだ。
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