ターンインは鋭く、トラクションも一番安定して掛かっている。見た目の動きはミッドシップのホンダNSX-GTと何ら変わらなかった。
スーパーGT第1戦富士の公式練習をダンロップコーナー内側の土手で見た。日曜朝の予選が雨の状況によってキャンセルされる恐れもあり、その場合には公式練習のタイム順でグリッドを決定するとあって、どの車両も決勝想定のセットアップなどする余裕もなく、ショートランでタイムを詰めていく。
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その過程ではFRとなったNSXが圧倒しているように見えた。冒頭に書いたように、動きがクイックかつ安定していて、いかにもダウンフォースがあるように見える。
対照的なのはトヨタGRスープラで、コーナーのミドルでアンチラグが効いている時間が長く、いかにもダウンフォースが薄そうに見える。
動き全体は昨年までのLC500と近いイメージで、あまり足も動かない印象。ニッサンGT-RもこれまでのGT-R同様でGRスープラとは違い、足を動かしてグリップを確保しているイメージで動き自体は自然に見える。
しかし全体タイムもセクタータイムも上がってこないのはダウンフォース総量が少なく、パワーもライバルに負けているということなのだろうか。
GRスープラがタイムチャートの上に並んだのは最後のGT500専有時間。明日の予選があってもなくてもドライ路面でのアタックはこの機会しかない。実質的な予選アタックモードで一気に上位を専有した。ブーストを上げてアタック周だけマックスパワーでニュータイヤのグリップを活かしきったのだろう。
しかし、アタック周のような綱渡りの走りをレースラップで続けるのには相当な集中力が必要そうなイメージだった。特にスティントの後半、グリップが落ちた局面ではドライバーの技術が大きく問われそうだ。GT300と出会ったときなどラインに制約があるような状況では苦しいだろう。その点NSXはコンディションが変化しても盤石なのではないか?
NSXがミッドシップのままのような動きを実現した要因を、仮説としては考えられる。ホンダ開発陣が直接、データを比較できるのはミッドシップのNSX-GTだけである。
エンジン搭載位置が変わったとしても、理想として実現したい性能に違いはない。そうであるとするならば、あらゆる指標に対してミッドシップのNSX-GTを超えることを目標に開発して当然である。
FRの既成概念がない部分、FRとしての妥協なく理想を追求できたのかもしれない。直線の比率が高い富士でこれだけの結果が得られたとなれば、中高速コーナーが多い鈴鹿、ストップ&ゴーのもてぎではどうなるのか、恐ろしくもある。
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みんなのコメント
企業のイメージ戦略という意味が強いのだろうが、実効的に効果があるとも思えない。