様々な疑問が日々渦巻く現代社会……クルマ界とて例外ではない。交通問題に関するギモン、自動車メーカーに対するギモン、カーライフのなかでふと感じたギモン…果ては政治・経済問題まで。様々な角度からクルマ界の「なぜ?」「どうして」を取り上げて解決!!
※本記事は2017年3月時点のものです。
文:ベストカー編集部
写真:Shutterstock.com、ベストカー編集部
初出:ベストカー2017年3月10日号
Q.01 なぜ逆走事故はなくせないのか?
ドライバーを啓蒙しての逆走防止策には限界がある。そもそも人間ミスをするし、認知症の症状出ると逆走の危険性すらわからなくなります。したがって物理的な安全策を講じなければならない。といっても簡単。すぐできるのはETCのように逆走したらゲート閉まるようなシステムを作ること。強固なゲートを作ることにより、これだけで90%くらい防げると思う。さらに突破されたら、アメリカのように順走でしか通過できないような「尖ったツメ」を地中に埋め込んでおき、飛び出すようにしておけばいい。この措置を可及的速やかに行い、さらに自動ブレーキ機能のカメラ使って進入禁止を認知するようなシステムを作り、進入しようとしたら自動ブレーキがかかるようにしておけばOKです。
(国沢光宏)
売れてる車は30年間変わってない!! 日本人が求めるサイズと価格
これは海外の高速道路だが、奥へ向かう2台が逆走車。ETCゲートや尖ったツメなど国沢氏から対策案が
Q.02 飲酒運転は根絶できないのか?
飲酒運転と居眠り運転の根絶は最も難しい課題だと思う。飲酒運転のうち、一番危険なのは意識が混濁するほどの泥酔運転で、こうなると警察に捕まることさえ認識できなくなる。これについちゃ認知症対策と同じく日付けなど4桁の暗証番号を打ち込まないとエンジン始動しないようなシステムだけで防止可能。暗証番号を打ち込める程度の飲酒運転なら、さらに罰則を強化するなどの措置しか対応策がありません。
そのうえで、飲酒運転の前科がある運転者に対しては運転ミスなどを完全カバーするような運転補助装置付きのクルマだけ乗れるような「条件」を付けるという手で安全確保するしかない。
(国沢光宏)
Q.03 今の時代、ドラレコは全車義務化でいいのでは!?
ドラレコは1万円程度で買える時代になった。こうなれば全車標準装備化&装着推奨したらいいと思う。事故時にはまず現場で解析。責任の有無を明確にすべき。減らない無謀な自転車や(自転車側からすれば無謀なクルマ)、平気で飛び出す歩行者との事故では、いつもクルマが悪いとされる。危険行為したら自損自弁(自分の損害は自分で賄う)のコンセンサスを作りたい。
(国沢光宏)
Q.04 日本メーカーはマツダ以外、クリーンディーゼルを投入しないのはなぜ!?
これはまぁ、技術的な問題というより「作っても利益を上げる自信がない」という経済的な事情が大きいのではないでしょうか? 現代のクリーンディーゼルは排ガスの後処理にえらくコストがかかるから、価格がどうしても高くなる。日本市場ではもうそれだけでアウト。欧州市場なら価格に見合った燃費性能があれば買ってもらえるけど、アウェイでディーゼルを売るのはトヨタですら難しい(ゆえにディーゼルはBMWから買ってる)。
マツダだけがこの難題をクリアできた理由は、ひとつにはSKYACTIV-Dで貴金属触媒を使わず排ガス後処理コストの安いクリーンディーゼルが実現できたことだが、もうひとつ、マツダが伝統的に欧州市場で強かったことも重要。つまり、いいディーゼルエンジンさえできれば、きちんとビジネスとして回せる自信がマツダにはあった。こっちがむしろ重要だったと思う。
(鈴木直也)
Q.05 新車開発にニュルテストはやっぱり必要なのか!?
「日本国内の制限速度内“だけ”で走るクルマであれば、ニュルを走り込む必要などはないのかもしれませんが、私が開発するクルマはヨーロッパで、アウトバーンを全開で一気に1000km走ることを考えて開発しています。過酷な条件でも圧倒的なスタビリティ、危険回避性能が必要。ニュルを走り込まなければ、そうした開発はできません」
(水野和敏)
Q.06 C-HRハイブリッドに4WDがないのはなぜ!?
「ハイブリッドシステムは基本的にはプリウスと同じですが、C-HRのほうが8kg程度車重が重く、最終減速比をローギアード化しています。プリウスでは後輪をモーター駆動していますが、SUVのC-HRでは4WD性能を高める必要もあり、より強力なモーターが必要と考えています。これを新規開発するとコスト的にも大きくなってしまうため、4WDモデルはターボエンジン搭載車に絞っています」
(トヨタ自動車 C-HRチーフエンジニア 古場博之)
Q.07 [国沢光宏からのギモン] なぜ赤信号を検知しての自動ブレーキを認めない?
今やさまざまな技術が実用化されている。赤信号を感知してブレーキをかけたり、アクセルとブレーキを踏み間違えた際、強い踏力を感知してアクセル戻すことだって可能。おそらく直ちに実用化できる技術だけで飛び出し事故の90%以上を防ぐことができると思う。なのに国交省はすべて認めてくれません。全般的に事故防止のための技術に対し、待ったしかかけないのだった。私が国交相なら直ちに実用化を命ずるのだが。
Q.08 交通取り締まりパトカーはなぜトヨタ車ばかり?
現状、交通取り締まり用パトカー、いわゆる「交パ」は圧倒的多数派をトヨタクラウンが占めている。現在配備が進んでいるのもクラウンアスリート。マークXも増備中。
交パの入札条件がエンジン排気量、出力などクラウン以外に合致するクルマが多くないという現実問題がある。県費導入などでスカイラインなどもあるが少数派。
(編集部)
「その2」に続きます!
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