ホンダは2021年4月22日、フルモデルチェンジした新型「ヴェゼル」の詳細を発表し、4月23日から発売します。2代目となる新型「ヴェゼル」は2月にデザインやグレードを公開していましたが、詳細情報と発売日も公表されました。
新型ヴェゼルの開発コンセプトは「AMP UP YOUR LIFE」(アンプアップ ユアライフ=ライフスタイルを増幅する)で、ユーザーの日常生活における質を高め、よりアクティブに、そしてSUVとしての使いやすさ、実用性にプラスアルファの価値を付加するクルマとして開発されています。
そのため、デザインの洗練、誰もが安心感を持ってドライブできること、五感に訴えかける気持ち良いドライブ・フィールで日常を楽しむことができることを目指しています。
パッケージとデザイン
新型ヴェゼルは、フィット系のセンタータンク式プラットフォームを大幅改良しながら継承。したがって、B+セグメントであることに変更はなく、ホイールベースを始め、ボディサイズもほぼ従来モデルと同等です。ただ、全高のみが約10mm低くなっています。全長4330mm、全幅1790mm、全高1590mm、ホイールベース2610mmとなっています。
その一方で最低地上高は、18インチ大径タイヤのFFモデルが195mm、AWDモデルで180mm、16インチ・タイヤ装着でFFモデルが185mm、AWDモデルで170mmと、従来より高くなり、SUVらしいスタンスとなっていることも注目点です。
ちなみに同じBセグメントのクロスオーバーSUVのライバルとなるトヨタ・ヤリスクロスはヴェゼルよりやや小さく、新型ヴェゼルはCセグメントのマツダ CX-30とほぼ同等のボディサイズです。
居住スペース、シートアレンジ、積載性などの従来から高評価を得ていた実用性能を保ちながら、よりシンプルでクリアなボディフォルムに生まれ変わっています。
エクステリアは、クーペ風のリヤ・デザイン処理がされたスリーク&ロングキャビンで、水平基調のクリアなデザインと、同時にトップレベルの居住スペースを両立。その結果、リヤ席の膝周りのスペースは35mm拡大されています。
インテリアは、ソリッド感のあるデザインとしながら乗員の触れるトリム部はソフトな素材を採用。また車内かも水平なウインドウラインで、明るい、視界の優れたパーッケージを実現しています。
またボディフォルムの開発時にはSAKURA研究所の最新風洞を駆使し、コンパクトSUVクラスでトップレベルの空力性能も実現しています。
パワートレーン
新型ヴェゼルのハイブリッド・モデルは、従来型の1モーター式のi-DCDから2モーター式のe:HEVに変更。これに合わせ、リチウムイオン・バッテリーの容量もアップ。モーター出力も131ps/253Nmと格段に強化され、高速巡航時のみエンジンの駆動力を使用する以外はモーターでの走行となり、EV感の強い走りになっています。
e:HEVと組み合わされるエンジンは1.5Lのアトキンソンサイクル「i-VTEC」エンジン(LEC-H5型)で、106ps/127Nmを発生。吸気系のチューニングにより従来より8ps出力をアップさせています。
ドライブモードはECON、ノーマル、スポーツの3モード。また、アクセルオフ時の回生ブレーキ力は、ガソリン車並みのDレンジ、強めの回生ブレーキがかかるBレンジがあり、パドルレバーでは4段階の減速力が選べる減速セレクターが装備されています。
またe:HEVモデルの燃費はWLTCモードで25km/L~22.0km/Lとなっています。
ガソリンエンジン・モデルは「G」グレードのみで、従来のターボエンジンは廃止され、L15Z型のポート噴射式1.5Lエンジンを搭載し、118ps/142Nmを発生。トランスミッションがCVTとの組み合わせです。CVTは新たにブレーキ操作に合わせたオートステップダウンシフト機能が追加されています。なおCVTは摩擦抵抗の低減、デフギヤ比はフイットよりローギヤ化されています。
この他にAWDモデルでは、e:HEVのモーターによる発進トルクに対応するため、従来の油圧クラッチ式のリアルタイムAWDシステムは高応答化と同時にトルク容量もアップ。さらにトラクションコントロール、ブレーキLSD効果、低フリクション・サスペンションの採用などを組み合わせ、悪路発進力は格段に強化されています。1輪が接地していないモーグル走行や、片側輪の空転時でも発進できるなどSUVらしさは強調され、従来の生活AWDのイメージを払拭しています。
また、e:HEVモデルはプロペラシャフトを持つ機械式AWDのため、プロペラシャフトなしでモーター駆動する他社ハイブリッドAWDより遥かに強力なリヤ駆動力を発生することができます。
ボディとシャシー
ボディは、気持ち良いハンドリング、高次元の安定性、そして滑らかな乗り心地、静粛性をバランスさせるために高剛性ボディを新開発しています。サスペンションの取付点、ボディ骨格の結合点などを大幅に強化。
その結果、ボディの接地点剛性は20%アップ、ねじり剛性は15%アップ、サスペンション取付点の剛性は15%アップとダイナミック性能を支える剛性を向上。またボディは、980MPa以上の超高張力鋼板を15%採用となり、軽量化と強度向上を図っています。
サスペンションはフロントがストラット式、リヤがトーションビーム式(AWDはドディオン式)と変更ありませんが、取り付けブッシュ、サブフレームの取り付け部などは横剛性を高め、ダンパーの低フリクション化、リヤ・ダンパーのストローク拡大により、より滑らかに作動するように改良されています。
ステアリングはコラム式電動パワーステアリングながら、低摩擦で扱いやすい特性としています。静粛性では、エンジンマウントの樹脂製マウントホルダーの採用、トルクロッドの改良、フロントダッシュパネルの厚板化などにより、幅広い周波数でノイズを低減させています。
装備
安全装備では最新のホンダセンシングを採用し、センサーは広角100度の単眼カメラ、ミリ波レーダー、前後ソナーを装備。従来型のホンダセンシングに比べ、多くの新機能を追加、あるいは機能の性能向上を図っています。
また注目すべきは、ホンダeに続き、最新世代のコネクテッド・サービスを備えています。通信モジュールを装備し、常時通信が可能になりました。
このためベーシックな緊急通報が可能になる他に、メーカーオプションのホンダコネクト・ディスプレイ、または販売店オプションのコネクト対応ディスプレイを装着することで、ナビの地図自動更新や、ホンダ・アプリの使用、スマートフォンでの車両のロック/アンロック、車内Wi-Fiホットスポットなど幅広いコネクテッドサービスを受けることができるようになっています。
新型ヴェゼルは日本市場だけではなく、多くの国で販売され、世界的に最激戦区となっているBセグメントのクロスオーバーSUVの中で新たな挑戦をすることになります。デザインテイストをガラリと変えた、新型ヴェゼルは大いに注目されることになります。
新型ヴェゼル 諸元表
価格
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売れるかなぁ・・・