■中国のジーリーってどんなメーカー?
中国の自動車メーカー「ジーリー(吉利汽車)」が日本へハイブリッド2車種を持ち込み、試乗会を開催しました。
日本ではあまり馴染みの無いジーリーですが、どのようなブランドで、どんなクルマを展開しているのでしょうか。
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ジーリーは中国・浙江省に本拠地を置く民間自動車メーカーで、1996年に設立。
創業者の李書福氏は1980年代に写真館を経営、そこで得た収入を元手に冷蔵庫部品や本体の製造会社を立ち上げました。
のちに自動車産業への参入を夢見て、1993年に倒産した国営の二輪車製造工場を買収、当時の中国ではまだマイナーだったスクーターの製造を手がけるようになります。
一方で四輪車業界は中国政府が厳しい制限を課しており、製造への新規参入は困難を極めていました。
それでも諦めなかった李氏は製造免許を保有する稼働停止状態の自動車製造工場を買収、それをきっかけに1998年8月、初の量産モデル「豪情」を完成させたのです。
2001年に晴れて正式な認可を受けてからは中国国内でシェアを拡大させるだけでなく、2010年にボルボ、2017年にはロータスを買収して世界的なグローバル自動車会社へと発展して行きます。
2023年には傘下のボルボやロータス、プロトン含めてグループ全体で279万台を全世界で販売しました。
中国メーカーとしては302万台を販売したBYDに次いで2位の規模を誇ります。
そんなジーリーが2024年5月下旬、中国の自動車メディアとタッグを組んで日本で試乗会を開催しました。
今回日本へ持ち込まれたのは、セダン「プリフェイスL(星瑞L)」とSUV「シンユエL(星越L)」のハイブリッド車(HEV)2車種です。
ジーリーグループ自体はボルボと共同で設立した「リンク・アンド・コー」、電動「ギャラクシー」「ジーカー」「リヴァン」「ジーユェ」。
ピックアップトラック「レイダー」、商用車「ファリゾン」、そしてライドシェア専用「メイプル」など数多くのブランドを擁していることで有名です。
そのなかで今回の2車種はメインとなるジーリーブランドで販売されているモデルとなります。
プリフェイスLは2020年登場「プリフェイス」のマイナーチェンジモデルで、ボディサイズは全長4825mm×全幅1880mm×全高1469mm、ホイールベース2800mm。
プラットフォームはボルボ「C40/XC40」などと同じ「CMAプラットフォーム」を採用し、心臓部にBHE15-BFZ型1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するハイブリッドです。
熱効率44.26%を達成したと謳うジーリーのBHE15 Plusエンジンは圧縮比を14:1に設定し、タンブル比の増大に加えて350barの高圧燃料噴射系統を採用しています。
ボア73.4 mm・ストローク88.57 mmのロングストロークエンジンとなるため最高出力は5500回転で147hp程度ですが、エンジンとモーターのお互いが不得意とする領域を補うことで完成されるシリーズ・パラレル式ハイブリッドシステムとなっています。
BHE15 Proには自社開発の3速ハイブリッド専用トランスミッション(DHT)「DHT Pro」が組み合わさっています。
エンジンとモーターそれぞれに3つギアを用意し、エンジンとモーター/モーターとトランスミッションにもそれぞれクラッチを配置することでシームレスな駆動の切り替えを特徴としています。
一方でシンユエLは全長4795mm×全幅1895mm×全高1689mm、ホイールベース2845mmのSUVで2021年に初登場しました。
プリフェイスと同じくCMAプラットフォームを採用するだけでなく、2023年12月に登場した最新モデルでは同一のパワートレインを搭載しています。
■ジーリーの2台、乗った印象は? 実は中国メーカーは「内燃機関」にアツかった!?
今回の試乗会は茨城県の「筑波サーキット」でスタート、ジーリー2車種をトヨタ「カムリ」やホンダ「CR-V」と比較し、その性能を確かめるという趣旨です。
当日招かれたのはほとんどが中国メディアの人員(約100名)で、日本メディアは10媒体程度でした。
筑波サーキットのTC2000コース上にはパイロンが設置され、それに沿ってスラロームや加速、ブレーキング、そして自由走行を体験できるプログラムです。
両モデルともにスポーツ車種ではなく、本気のアタックには耐えられる性能を有していませんが、それでもエンジンとモーターそしてそれを支える3速DHTの優秀さは実感しました。
今回ジーリーがこの2車種を持ち込んだのには何も日本への進出計画があるからではなく、中国内での純粋な販売促進のためです。
参加者は限られていたものの、ハイブリッドを基軸にエンジンやトラスミッションの新規開発に力を入れているジーリーの技術における現在地を、少しでも日本のメディアに対して発信できた良い機会になったのではないかと思います。
中国メーカーはよく「内燃機関が作れないからBEVに力を入れる」と言われがちです。
しかし、実際には多くの中国メーカーはハイブリッド車のさらなる向上のために新たなエンジンを開発しています。
またBEVよりもいまは内燃機関を搭載するプラグインハイブリッド車(PHEV)やレンジエクステンダー付EV(EREV)が勢力を増している印象です。
ジーリーの場合は自社と傘下に収めるボルボ両方のエンジン部門を合併させ、2021年に新会社「オーロベイ」を設立しました。
通常のガソリンエンジンだけでなく、ハイブリッドに最適なディーゼルエンジンや、代替燃料を用いる内燃機関、そしてハイブリッド専用トランスミッションを手掛けており、ジーリーグループ車種のみならず他社への供給にも意欲を見せています。
これに加え、ジーリーは2023年7月にルノー・グループとエンジン生産のための新会社設立を発表しました。
この合弁を通してプラットフォームやエンジン、トランスミッション技術の相互的な革新を図るとしており、内燃機関の明るい未来を感じさせるものでもあります。
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みんなのコメント
本人は恥ずかしくないのだろうか?
車というものは買って満足感があるものだが、中華製の車を買ってもそんな気にならない。