2022年スーパーフォーミュラ第4戦、平川亮が鮮やかな大逆転勝利！【オートポリス】

2022年5月22日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦がオートポリス（大分県）で開催され、carenex TEAM IMPULの平川亮が8番手スタートから今季2勝目を達成した。2位にはサッシャ・フェネストラズ（KONDO RACING）、3位にはルーキーの三宅淳詞（TEAM GOH）が入った。

予選ではランキングトップの野尻がポールポジションを奪取
決勝前日に行われた予選では天気や路面が回復しドライ路面での予選となった。Q1 Aグループでは、まず牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）が暫定トップタイムを記録。続いて山本尚貴（TCS NAKAJIMA RACING）もアタックするが牧野のタイムを更新できず暫定2位。続く平川、ジュリアーノ・アレジ（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）、国本雄資（KCMG）がアタックするも、牧野のタイムを更新することはできなかった。

さらに三宅、フェネストラズも上位に食い込み、国本がQ2進出ラインギリギリの6番手に。最後にアタックした坪井翔（P.MU／CERUMO・INGING）は国本にわずか100分の2秒及ばすQ1敗退となってしまった。以下、大嶋和也（docomo business ROOKIE）、アレジ、福住仁嶺（ThreeBond Drago CORSE）、山本がQ1敗退となった。

Aグループの後に行われたQ1 Bグループでは、残り3分を切ったところでコースに向かった大津弘樹（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）は各セクターごとにベストタイムを更新していくも、最終コーナーで挙動を乱してしまう。それでも暫定トップタイムを記録し、他のマシンのアタックを待つ。

前戦優勝の松下信治（B-Max Racing Team）のタイムが伸びない中、野尻がBグループでは唯一の24秒台に入れトップに浮上。阪口晴南（P.MU／CERUMO・INGING）も大津を上回り2番手に入り、宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）が4番手、小林可夢偉（KCMG）、関口雄飛（carenex TEAM IMPUL）の並びで関口はカットラインギリギリの6番手に。

そこにルーキーの佐藤蓮（TEAM GOH）が5番手に食い込み、関口のQ1敗退が決まってしまった。さらに山下健太（KONDO RACING）も3番手タイムを記録し、小林もQ1ノックアウトとなった。小林、関口、大湯都史樹（TCS NAKAJIMA RACING）、松下がQ1敗退となった。

ポールポジションをかけたQ2で強さを見せたのはやはり野尻だった。宮田が出した暫定トップタイムを0.2秒上回りトップに浮上。各車アタックするも野尻のタイムを更新できずチェッカー。野尻は今回で3戦連続ポールポジションを獲得し、予選だけで9ポイントを稼ぎ出したことになる。2番手に宮田、3番手に今季ベストグリッド獲得となる牧野が入った。

2022年スーパーフォーミュラ第3戦予選結果（上位10位まで）
1位 1 野尻智紀（TEAM MUGEN） 1:24.529
2位 37 宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S） 1:24.798
3位 5 牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING） 1:24.803
4位 15 笹原右京（TEAM MUGEN） 1:24.901
5位 55 三宅淳詞（TEAM GOH） 1:24.964
6位 4 S.フェネストラズ（KONDO RACING） 1:24.966
7位 3 山下健太（KONDO RACING）1:24.987 8 坪井翔（P.MU／CERUMO・INGING） 1:36.910
8位 20 平川亮（carenex TEAM IMPUL）1:25.350
9位 18 国本雄資（KCMG） 1:25.368
10位 6 大津弘樹（DOCOMO TEAM DANDELION RACING） 1:25.408

完璧なレースを見せた平川が大逆転勝利！ ルーキー三宅が殊勲の3位表彰台獲得！
2022年5月22日に行われた決勝は朝から強い日差しが差し込み、気温24度、路面温度は44度まで上昇した。この暑さに加え、高低差による身体的負担の大きいオートポリスだけに、ドライバーにとって厳しいコンディションとなった。

42周で行われる決勝レースがスタート。ポールポジションの野尻が素晴らしいスタートを決める中、2番手スタートの宮田が出遅れ、牧野が2位に浮上。3コーナーで大湯が単独でクラッシュし、レースはいきなりSC（セーフティカー）が導入された。驚くべきは8番手スタートの平川。この時点でなんと3番手まで順位を上げていたのだ。1コーナーで2台をかわし、第2ヘアピンではすでに4番手に浮上しており、3番手の宮田もパスし大幅に順位を上げていたのだ。

4周目にレースはリスタート。平川は翌周に2番手の牧野を1コーナーアウトからオーバーテイクし2位に浮上。平川のオーバーテイクショーが繰り広げられる中、2コーナーでまたしてもアクシデントが発生。他車と接触した小林のマシンがコース上でストップ。これにより2度目のSC導入となった。

10周目に2度目のリスタートが行われ、真っ先に牧野がタイヤ交換義務を消化すべくピットイン。同時に笹原、阪口、山本もピットに入っていく。

15周目にはトップの野尻がピットイン。無限のチームクルーは7.1秒の早業で野尻をコースに送り出す。牧野の前でコースに戻り、実質トップで復帰した。

一方平川は他車に比べてピットストップを遅らせ21周目にピットイン。ピットストップに8.5秒もかかってしまった平川だが、十分なマージンを保った状態で野尻の前に出ることに成功。これで平川が実質トップに躍り出たのだ。

野尻に対しピット作業で1.4秒をロスをした平川がなぜ逆転劇を演出できたのか、その要因はピットストップ作戦にある。

早めにピットインした野尻は新品タイヤでタイムを上げることができるが、まだ燃料が多く残っている序盤。車重が重い状態で必要以上にタイヤを使ってしまい、思いのほかタイムを伸ばせなかった。

一方の平川はピットインを遅らせてクリーンエアの中で単独で周回を重ねた。野尻と比べれば燃料も少ない状態で単独走行できたことが、逆転劇に繋がったのではないか。

平川を意識してタイヤを酷使してしまった野尻を、3位の宮田がオーバーテイクボタンを丸1周使いつつ攻める。それでも野尻はなんとか宮田の猛攻を防いでいく。

28周時点でまだピットインを行っていないのがフェネストラズ、三宅、佐藤の3人。29周目にフェネストラズがタイヤ交換のためにピットインするも、作業に手間取ってしまい9.3秒の静止時間を余儀なくされる。しかしコースに出てみれば野尻の前、実質2番手でコースに復帰した。

32周目には佐藤、33周目には三宅とTEAM GOHのルーキー2人がピットストップをひっぱりようやくタイヤを交換。三宅は野尻の前、3位でコース復帰し表彰台圏内に食い込んできた。

レースはスタートからゴールまで完璧な走りを見せた平川が予選8番手から大逆転で優勝。ポイントランキングでも野尻に7ポイント差まで詰める結果となった。2位には今季2度目の表彰台獲得となったフェネストラズ、3位にはルーキーの三宅が入り、参戦わずか4戦目で初の表彰台獲得となった。また、三宅は35周目にファステストラップも記録しており、存在感を十分に見せつけた。

今回は我慢のレースとなった野尻だが、宮田の猛攻を防ぎ4位でフィニッシュ。ポイントランキング首位の座を手放すことなく、次戦スポーツランドSUGO（第5戦目）に巻き返しをはかる。（写真提供：日本レースプロモーション）

2022年 スーパーフォーミュラ第3戦　決勝結果（上位10名）
1位 20 平川亮（carenex TEAM IMPUL）42周
2位 4 S.フェネストラズ（KONDO RACING）＋2.309s
3位 55 三宅淳詞（TEAM GOH）＋12.507s
4位 1 野尻智紀（TEAM MUGEN）＋21.802s
5位 37 宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）＋22.391s
6位 5 牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）＋32.568s
7位 15 笹原右京（TEAM MUGEN） ＋33.570s
8位 39 阪口 晴南（P.MU／CERUMO・INGING）＋34.646s
9位 6 大津弘樹（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）＋35.577s
10位 50 松下信治（B-Max Racing Team）＋36.409s

2022年 スーパーフォーミュラ ドライバーズランキング（第4戦終了時点）
1位 1 野尻智紀（TEAM MUGEN）67
2位 20 平川亮（carenex TEAM IMPUL）60
3位 4 S.フェネストラズ（KONDO RACING）35
4位 37 宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）27
5位 5 牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）22
6位 50 松下信治（B-Max Racing Team）21
7位 55 三宅淳詞（TEAM GOH）18
8位 19 関口雄飛（carenex TEAM IMPUL）13
9位 3 山下健太（KONDO RACING）10
10位15 笹原右京（TEAM MUGEN）9

2022年 スーパーフォーミュラ チームランキング（第4戦終了時点）
1位：carenex TEAM IMPUL 72
2位：TEAM MUGEN 63
3位： KONDO RACING 42
4位：DOCOMO TEAM DANDELION RACING 30
5位：Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 26
6位：B-Max Racing Team 21
7位：TEAM GOH 21
8位：KCMG 13
9位：TCS NAKAJIMA RACING 6
10位：P.MU/CERUMO・INGING 6

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