今年最大の注目新車の一台である新型タントの情報が入ってきました。なんと軽自動車初のフルハイブリッド車が投入される可能性があるとのこと。
また今年中に日本市場へ投入される見込みのマツダ新型SUV「CX-30」についても続報が入ってきております。
激アツカテゴリー!! 百花繚乱 売れまくり「SUV風味モデル」の功罪
毎日、新車ディーラーを回って「生」の新型車情報を届けてくれる遠藤徹氏の、今回も渾身のレポートをお届けします!
文:遠藤徹
■今年秋~冬投入の次期タントにフルハイブリッド設定?
ダイハツは今秋11月頃に投入すると言われている次期型タントに、本格的なフルハイブリッド車を設定する……という情報が入ってきました。
オルタネーターをアシストモーターとしても使うマイルドハイブリッドはすでにスズキが実用化していて、ワゴンRやスペーシアに実装されています。
また、同様の方式は3月28日にフルモデルチェンジする日産の新型デイズと三菱の新型eKワゴンに搭載される予定。
これに対して次期型タントでは、一歩先んじたEV走行可能なフルハイブリッドで対応するようです。
このハイブリッドユニットは「車重がかさむ車種のほうが省燃費の効果が出やすい」といった傾向があり、まず軽自動車でも車重が重くなるスーパーハイトワゴンのタントに最初に搭載するということです。
その後は次期ムーヴ、時期ウェイクなどにも順次展開しますが、軽量なミライースには採用されないと思われます。
タントはダイハツの軽自動車ラインアップのなかでもフラッグシップに位置するモデルであり、スーパーハイトワゴンの先駆け的な存在です。そのタントが近年はホンダN-BOXの攻勢を受け、販売台数順位としてはやや劣勢に立たされている現状があります。
現行N-BOXのデビューは2017年9月(2018年累計販売台数1位)、スズキの同カテゴリー車であるスペーシアは同2017年12月(同じく2018年の累計販売台数2位)。後出しとなる次期型タントは、フルモデルチェンジするからには先行する2車に後れを取るわけにはいきません。その秘密兵器として、フルハイブリッド化を考えているようです。
ポイントは価格ですが、現行型でもタントのトップグレードは車両本体価格で170万円を超えており、ハイブリッド化となるとさらにここから上乗せされる見込みです。とはいえライバルのN-BOXは190万円超えのグレードも存在しており、ここに合わせてくる可能性も高いといえるでしょう。
この情報については、新規情報が入り次第逐次お知らせします。
■新型SUV「CX-30」はMAZDA3と同じSKYACTIV-Xを搭載
マツダは今秋~冬に新型ミディアムSUV「CX-30」を発売しますが、同モデルには次世代環境技術を採用したSKYACTIV-Xエンジンを搭載する方針です。
同じ頃、新型MAZDA3(アクセラ後継車)にも同エンジンを搭載して発売するので(MAZDA3は発表こそ今年5月だが、発売は1.5Lガソリンが5月、2Lガソリンと1.8Lディーゼルが7月、SKYACTIV-Xが10月を予定している)、両モデルは非常に近い時期での発売になる可能性があります。
SKYACTIV-Xの技術を採用した2Lの4気筒直噴エンジンは、世界で初めて圧縮着火を実現するガソリンエンジンです。ハイブリッド並みの実用燃費を発揮するのがウリとなります。
ただし、現行型のガソリン2Lモデルに比べて20万円以上高い価格設定になると思われます。
■東京地区のトヨタ販売店は4月から4系列店を統合
トヨタの4系列ある販売網は、この4月から統合し、東京地区では「トヨタモビリティ東京」が発足。全店で同一車種を扱うことになります。
そして各店舗は同一法人になります。そのため、新車を購入する人にとっては従来のようなトヨタの販売店同士を競合させて、大きな値引きを引き出して購入する買い方ができなくなります。
従来のような系列店の専売モデルがなくなり、扱い車が増えることで商売がしやすくなりますが、その半面で売れゆき不振の店舗や重複する地域の店舗は整理統合の対象になるため、近い将来にトヨタ車全体の販売台数が少なくなり、シェアが縮小する可能性も生じてきます。
メーカーのトヨタとしては、こうした系列店統合&ワンオペレーション化は東京を皮切りに全国に拡大したい考えです。が、有力な地場資本の販売会社の多い地域で、トヨタの指示にすんなり従うかが課題となりそうです。
この地場資本の販社同士がスムーズに統合に応じるのは難しく、これをトヨタが強行すればトヨタを離れる販社が現れ、他メーカーや輸入車を扱う販社へ転身する動きにもつながる可能性も指摘されます。こうなると、さらにシェアダウンに発展する懸念もありそうです。
いずれにせよ、東京地区は従来系列店の解消に伴い、店舗のリニューアルが3月に入り各所で行われています。
■新型リーフe+&改良型リーフが好調な滑り出し
日産が1月23日に発売した新型リーフe+&改良型リーフの売れゆきが好調な滑り出しをみせています。
1~2月下旬現在のリーフ全体の受注累計は約5000台で、当初見込みの計画を30%以上上回る推移となっているのです。このうちリーフe+は40%、従来の改良型は60%を占めています。当初、日産はe+の販売構成比を30%程度と予想していたようですが、実際にはこれを10ポイント上回っています。
グレード別受注構成比は、従来の40kWh車のXが29%、Gが20%、e+のXが21%、e+のGが19%です。
日産の国内販売で今やリーフは、ノート、セレナ、エクストレイルに次ぐ4番目の量販モデルに位置づけられます。日産は今後、ユーザー向けの1泊2日の試乗会などを通じて、さらにリーフの周知徹底を図る方針です。
■ジムニー/ジムニーシエラの納期が短縮
昨年7月にフルモデルチェンジし、好調な販売で納期が大幅に延びていたジムニー/ジムニーシエラですが、増産の効果と受注ピッチが落ちついたことによって、ようやくの納期が早まる気配を見せています。
年初までの納期は、ジムニーが半年、ジムニーシエラが1年でした。それが最近は、ジムニーが5カ月、シエラが半年程度に短縮できるグレードが出始めているのです。
ただし、納期が早まっている車両の多くは各販社が先行予約でメーカーに生産を早めに依頼した分となります。つまり、グレードやボディカラーを指定せずに成約したケースであり、それ以外の仕様だとまだ従来通りの納期で待たされるケースがほとんどだといいます。
とはいえ、販社により事情が異なるため、多くの店舗を回れば希望する仕様のジムニー/ジムニーシエラが早めに手に入る可能性もあります。
■新型ES&UXが好調な売れゆきで納期が長期化
レクサスは昨年10月下旬にES、11月下旬にUXをそれぞれ発売しましたが、どちらも売れゆきは絶好調で納期が大幅にずれ込んでいます。
2019年2月下旬時点での納期はESが半年待ちの8月、UXはハイブリッドが9月、ガソリンが5~7カ月待ちで7月となっています。ESはつい最近まで10月だった納期を増産で2カ月短縮しました。
1月の登録台数はESが1165台、UXは1309台で、国内レクサスブランドの1位、2位を分け合っています。1月の全レクサス車トータルは5855台で前年同月比9・2%のマイナスと苦戦を強いられています。今後挽回を図るには両新型車の増産を進め、納期を短縮できるかにかかっているといえます。
■トヨタ販社の新体制下でもレクサス事業部は継続
上述のとおり、トヨタは今後、傘下販売店の統合を進めています。しかし、各販社に設置している「レクサス店」はこれまでどおり「レクサス事業部」として継続する方針のようです。
トヨタはレクサス店を発足した当初、5年程度で出資母体であるトヨタ系列店からレクサス店だけ切り離して別法人化する方針でした。ところが実際はレクサスブランド車が思うように売れず、投資金を回収できないことから、これまでどおり各販社の事業部にとどめているのです。
東京地区はこの4月から4系列店を統合して「トヨタモビリティ東京」に法人を一本化しますが、レクサス事業部はそのまま独立させない方針です。なお、ほかの地域のレクサス店も同様の体制で継続させる可能性が高いといえます。
とはいえここにきてUX、ESと、販売台数を稼げる車種がラインアップされました。この2台の売れ行きは、今後のレクサスブランド全体の行方を握っているといえるでしょう。
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