■「スカイラインGT」の歴史はこのモデルから始まった!
2024年2月15日、国際的なカーオークションサイト「Collecting Cars」において、日産「スカイライン」が、8万5280オーストラリアドル(約838万円)で落札されました。
希少な1967年式モデルだといいますが、どのような個体なのでしょうか。
【画像】めちゃカッコいい! 日産「スカイライン」を画像で見る(30枚以上)
Collecting Carsは、2018年に創設されたカーオークションサイトです。
欧州をはじめ、シドニーやロサンゼルス、アブダビなどに拠点を持ち、欧州車や日本車をメインにオークションが開催されています。
今回8万5280オーストラリアドルで落札されたのは、1967年式「スカイライン A200GT」で、日本では「プリンス スカイライン GT-B」と呼ばれる2代目(S54型)スカイラインの珍しい輸出仕様車です。
スカイラインは、1957年に登場した初代以来65年以上にわたって続く歴史のあるブランドで、現在発売されているスカイライン(V37型)は2013年11月に発表された13代目です。
そんなスカイラインの歴史を語るうえで特に重要な存在となるのが、現在も続く「GT」の名称です。
GTとはグランドツーリングカーの略で、高性能であるとともに、長距離ドライブが容易にできるクルマであることを表しています。
スカイラインGTの歴史は1964年、レース参戦を目的に100台限定で急きょ追加された2代目スカイラインの高性能仕様「スカイラインGT」(S54A-1型)から始まりました。
当時の高級セダン「グロリア」用の高性能な2リッター直列6気筒エンジンを搭載し、さらにチューニングを施しています。
そのために、1.5リッターの直列4気筒エンジンを積んだ通常のスカイラインのホイールベース(前後車軸間の距離)を200mmも延長してボンネットスペースを確保し、ロングノーズとなった部分に無理やり大きなエンジンを収めたのです。
おとなしいセダン車に高性能エンジンを搭載したその姿から、当時「羊の皮を被った狼」と称され注目を集めました。
そして高性能仕様の証しとして、S54型スカイラインGTのフェンダーには赤バッジのGTエンブレムが備わっていたのも注目ポイントです。
レース参戦に向けて開発されたS54型初代スカイラインGTは、同年に鈴鹿サーキットで行われた第2回「日本グランプリ」GT-IIレースで、レース専用車のポルシェ「904」と接戦を繰り広げ、わずか1周ながらトップを走行。
2位から6位を独占する優秀な結果となったことから、瞬く間に日本中の注目を集めたのです。
翌1965年からは正式なカタログモデルとなり、性能を抑え青いGTエンブレムを装着したスカイラインGTも設定されたことで、レースマシンにも備わっていた赤バッジが高性能版(のちに「スカイラインGT-B」へ名称変更)の証しとなったのです。
今回オーストラリアで落札されたのは、そんな「“元祖”スカイラインGT」の希少な輸出モデルでした。
アイボリーホワイトのボディにブラックのビニールレザーシートが組み合わされ、写真で見る限り非常に程度の良い状態で出品されています。
高性能版を示す赤バッジに加え、輸出モデル専用の珍しい「プリンス A200GT」エンブレムが左右のフェンダーに備わります。
ステアリング位置は右で、オリジナルのウェーバー製3連キャブレター付き2リッター直列6気筒エンジンが搭載されると共に、この個体には「PowrLok」のリアデフが装備されていました。
なお車両のオドメーター(走行距離)は、57年前のモデルとしては極めて少ない2万6000キロ余りを示していますが、Collecting Carsでは、この距離について保証する記録はないと説明しています。
※ ※ ※
2023年8月、日産は「スカイライン」に1000台限定のスポーツグレード「スカイライン NISMO(ニスモ)」と、100台限定の特別仕様車「スカイライン NISMO Limited(リミテッド)」を発表しました。
日産は「スカイラインGTの集大成」だと説明し、フロントフェンダーには赤バッジの「GTエンブレム」を復活させたことで、往年のファンからも注目を集めています。
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みんなのコメント
日本以上にデカいスカイラインクラブが幾つもあって、コレクターも多い
それならこの落札価格も不思議じゃない
この個体のラジエターグリルは格子状だけど、さらに古い縦じまグリルの方が迫力があり、かっこいいけど。
GTRの伝説の原点はこの2000GTB だと思うので、その割には800万は安いと思う。
ボンネットが長いサイドビューはただものではないことを感じさせる。
昔はかなり見かけたが、その割に現存は少なく貴重だ。