いま最も完成度の高いコンパクトカー
フランスのルノー・グループは、近未来のコンパクトカー創出へ積極的に挑んでいる。クルマ好きとして喜ばしい事実だろう。日本では馴染みがなくても、傘下のダチアも、トップクラスに魅力的な小型モデルを複数台提供している。アルピーヌも同様だ。
【画像】ベストEV賞:クプラ・ボーン ベスト・コンパクト賞:ルノー・ルーテシア ID.3と5も 全131枚
それら、グループ内で作られるコンパクトカーの中で、いま最も完成度の高いモデルがクリオ(ルーテシア)。AUTOCARでは複数の理由から、このクラスのベストだと評価している。
フォード・フィエスタという強敵が消滅したことで、棚ぼた的にトップへ躍進したわけではない。もし2024年にそれが生き残っていたとしても、頂点争いへ間違いなく加われる実力を備えている。
スタイリッシュで価格価値が高く、実用的で運転が面白い。どんな要素を比べても、不足なく高得点を狙えると思う。
どのグレードでも突出した完成度
ルーテシアは、以前から欧州コンパクトの定番の1つといえたが、最新世代はさらに熟成度を高めた。品質や走行時の洗練性や落ち着きなどへ、大きな努力が払われている。
トリムグレードを問わず、インテリアは好印象。見た目だけではない、上質な仕上がりにある。このクラスとしては装備も充実している。ベーシックなグレードでも、本当に必要だと思えるアイテムを網羅するといっていい。
フランス車らしい走りも魅力。ステアリングへ機敏に反応し、乗り心地は適度にしなやかながら、締りもある。攻め込んでも安定性は高く、高速走行時の車内は静かでもある。コンパクトカーで遠出すると疲れてしまう、というのは昔の話になった。
パワートレインの選択肢も望ましい。非ハイブリッドの1.0L 3気筒ターボガソリンに6速MTを組むこともできるし、高度なE-テック・ハイブリッドも指定できる。
どれを選んでも、ルーテシアの優秀ぶりに変わりはない。このクラスで突出した完成度にあるとさえいえる。2024年のベスト・コンパクトは、悩むことなくこの1台だ。
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