現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「小さくなれば……」「MTがあれば……」実現したら本当に買うのか!  クルマ好きが言いがちな「無責任発言」4つ

ここから本文です

「小さくなれば……」「MTがあれば……」実現したら本当に買うのか!  クルマ好きが言いがちな「無責任発言」4つ

掲載 196
「小さくなれば……」「MTがあれば……」実現したら本当に買うのか!  クルマ好きが言いがちな「無責任発言」4つ

 自由な意が飛び交うがメーカーにも考えや事情がある

 自動車に関するネット記事のコメント欄をたまに読むと、「クルマ好きとは、自動車メーカーの商品戦略について、本当にいろいろと考えている人たちなんだなぁ……」と思う。

にわか確定! 本物のクルマ好きはやらない公道での無意味な行為6選

 彼ら・彼女らは自動車メーカーの車種ラインアップについて強固な一家言を持っており、ボディサイズについてはミリ単位でメーカーに注文をつけ(だいたいは「最近のクルマは大きすぎてけしからん!」という論調が基本)、マニュアルトランスミッションや2ドアFRクーペの市場への投入を望んでいる。いや、それを「要求している」と表現してもいいのかもしれない。

 筆者もいちおうクルマ好きの端くれではあるため、気持ちはわかる。

 だが同時に、「自動車メーカーの中の人(とくに商品企画の人)は、こういったマニアの声をどう感じてるのだろうか? たぶんだけど、ネットで有名なTOKIOの城島 茂さんの画像みたいに『素人は黙っとれ』と、目をつぶりながら思ってるんじゃないかな?」とも思っている。

※イラストはあくまでイメージ

 というのも、筆者の場合は自分の専門分野について、非専門の人間からどんな批判を浴びせられたところで「……素人は黙っとれ」としか思わないからだ。

 もちろんこれは「素人の意見は常に間違っている」という決めつけではない。アマチュアの意見にも拝聴すべき部分はたくさんあり、ときには発見もある。

 だが、その道のプロというのはたいていの場合、アマチュアがしばしば指摘するようなことはとっくの昔に何度も何度も検討し、検証し、そのうえで「コレ!」と自分が信じた何かひとつを世に出すものだ。

 それゆえ――すべての素人の意見が無意味で無価値とは決して思わないし、時には真摯にご意見を取り入れたりもするが――地道な検証もとくにないまま「ぼくがかんがえたさいきょうのプラン」を気軽に提示されたところで、「……(苦笑)」にしかならないのである。

 ということで、自動車メーカーの中の人がどう思っているかは知らないが、カーマニアがメーカーに対してしばしば言いがちな無責任発言(と筆者には思われるもの)を、いくつかご紹介しよう。

 無責任発言その1 「(ボディサイズが)大きくなりすぎた」

……これはもう本当に頻繁に言われているフレーズだ。とくに多いのはスバル・レガシィについてだろうか。「6代目のレガシィはでっかくなりすぎ! もっとこう北米だけじゃなく、日本の道路事情や日本人の好みのことも考えてほしい!」と。

 確かに筆者も6代目レガシィの全幅1840mmというのは「でけえ、うぜえ……」と感じる。

 だがこのサイズも、メーカーの中の人が各国の市場規模やら今後の成長予測やら現在の財務指標やら何やらをグローバルレベルで仔細に検討し、たぶんだが会議に会議を重ねたうえで「このサイズで行く!」と決めた寸法である。そこに文句を付けたところで仕方ないというか、「じゃあレヴォーグ買えばいいじゃん?」としか言いようのない話である。

 で、もしもスバルの人がマニアの声を真に受けて(まぁそんなことはないと思いますが)でっかくなったレガシィを小さめに改めたら?

……たぶんだが北米で売れなくなり、スバルは倒産し、小さめなレガシィを求めていた人が新車で買えるスバル車は結局なくなってしまう――というオチになるのだろう。

 クルマの先進化に抗う声も!

 無責任発言その2 「MT車があれば買うのに!」

 ATおよびCVTとDCTばかりとなってしまった今、マニュアルトランスミッションの車にも乗りたいというマニアの気持ちはよくわかる。筆者も、できることならAT車とは別にMT車も所有したいと思っている。

 マツダはこのあたりに積極的で、今なお確信をもってMT車のリリースを続けている。そんなマツダのように「本腰を入れてMT車も継続させる」ならいいのだが、マニアの声に押されて「じゃあ弊社もいっちょう、MTを一部の車種に追加しちゃおっかな!」などとイージーに考えてはいけない。

「言いはするけど、実際は買わない」というマニアも多く、万一MT車の導入を要望した全員が購入したとしても、そもそもの人数が激少であるため、商売としてはまったくペイしないからだ(そんなことは筆者に言われるまでもなく、メーカーやインポーターの方はよくご存じでしょうが)。

 無責任発言その3 「液晶メーターのクルマは買う気になれん!」

 まぁ筆者もアナログ式のクラシカルなメーターはカッコいいから好きなのだが、現在のクルマがさまざまな付帯機能を持ってしまった以上、これはもうどうにもならんですよね。言ってもムダというやつです。

 液晶メーターに背を向けたまま往年のクルマに乗り続けるのもひとつの男道あるいは女道なので、それはそれでいいとは思う。だがひとつだけ確実に言えるのは、「液晶メーターにもすぐ慣れるもんですし、便利ですよ」ということだ。

 無責任発言その4 「なんでS209を日本に入れないんだ!」

 これはカーマニアというかスバリスト限定の発言ではあるが、北米市場専用のSTI製コンプリートカーとして2019年に発売された「S209」を、なんで日本にも導入しないんじゃ! という無責任発言である。

 いや、これを「無責任発言」とするのは、ここまでカーマニア各位に塩対応をしてきた筆者としても不本意だ。これは無責任発言ではなく「妥当なクレーム」と言うべきだろう。

 ご存じのとおり、米国仕様WRX STI専用のEJ25エンジンに各種のチューニングを施し、IMPREZA 22Bをやや彷彿とさせるブリスターフェンダーなどを擁したS209は、買えるものならぜひ買いたい一台である。

 で、レギュラーモデルに関してはいろいろな制約やソロバン勘定もあるのだろうが、S209はしょせん209台だけの限定車なので、そのうち一部を日本にも入れるとか、もしくは209台ではなく409台ぐらい作って、日米で半分ずつデリバリーしてもバチは当たらないというか、企業経営の大勢に悪影響はないと思われるのだが……。

 スバルとしては、S209を日本に導入しない理由を「STIのブランドイメージを北米でも確立させるため」と述べており、それは、ここまで筆者自身が述べてきた「さまざまな経営判断」に基づいた決断なのだろうから、素人である筆者が口を出すべき問題ではない。

 だがそれにしても、入れてくれてもよかったのに……。

 まぁスバルとしては、「STIの北米でのブランドイメージを確たるものにしたい」というのは確かにあったのだろうが、それと同時に「日本でのスバル車のイメージを、S209みたいなコテコテの走り屋系ではなく、XVのコマーシャルみたいな“スタイリッシュな感じ”に変えたい。そのためには、むしろS209は邪魔である」と考えたのかもしれない――というのは単なる筆者の邪推ですが、S209は欲しかったな……(買うだけのカネがあったかどうかはさておき)。

こんな記事も読まれています

新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
ベストカーWeb
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
Auto Messe Web
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
グーネット
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
グーネット
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
AUTOCAR JAPAN
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
グーネット
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
グーネット
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
グーネット
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
AUTOSPORT web
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
くるまのニュース
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
AUTOCAR JAPAN
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
Auto Messe Web
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
AUTOSPORT web
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
AUTOCAR JAPAN
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
レスポンス
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
AUTOSPORT web
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
くるまのニュース
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

196件
  • それはメーカーにもよる。
    トヨタはこういう声は全くの無縁、
    スズキも国によって差別してないから同じく無縁。
    マツダ、スバル、ダイハツ、三菱はマイペース。

    問題は日産とホンダ。
    日産は海外モデルばかり自慢してたら
    そりゃ不満の声が出るし、中には
    本当に勿体ないことをしている車種がある。

    ホンダはまさにこれで、言うだけ言って買ってくれず
    カッコいいって騒いでもサッパリ売れないし、
    せっかく拘ったクルマを作っても
    ユーザーは格安車検で済ませてディーラーの利益には
    ちっともならない。

    この2社は日本では軽自動車以外やめた方がいいよ。
    どうせ信者も高齢化しているし、この世代が
    運転しなくなったら過去の栄光を知る世代は
    ガクンと減るよ。
    誰が昔話で好きになる若者なんかいるかよ。
  • 無責任と言えば、適当な記事ばかり書いてるライターさんにも同じ事が言える
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.5276.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0338.0万円

中古車を検索
レガシィの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.5276.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0338.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村