■歴史フィットからどのような進化を遂げた?
4代目となるホンダの新型「フィット」が2020年2月14日に正式発売されました。同社の軽自動車「N-WGN」で発生した電動パーキングブレーキの余波を受け、当初の発売時期から3か月遅れとなりましたが、すでに累計受注台数は3万台以上といわれ、新型フィットへの期待は高まっています。
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「心地よさ」をテーマとした、新型フィットはどのような進化を遂げたのでしょうか。
筆者(山本シンヤ)は、2019年にテストコースでプロトタイプに試乗済みですが、今回は量産モデルで一般公道とリアルワールドでの試乗です。いきなり結論ですが、「パッと見はキープコンセプトですが、中身は“攻め”のモデルチェンジ」だと実感しました。
では、どのようなモデルに仕上がっていたのでしょうか。じつは、外観デザインの第一印象ははあまりよくなかったのですが、見慣れてくると、癒し系のフロントマスクが「身近な相棒」を感じさせ、むしろ従来モデルが古典的に感じてしまいました。
今回、外観デザインを担当した白鍾國氏は、「見た目のインパクトだけでなく、街に溶け込むことに注力しました」と語っています。
特長的なデザインの16インチアルミホイールは、デザインを引き立たせるアクセントになっていますが、15インチのホイールキャップのデザインは一転して営業車的な雰囲気のデザインなのが残念な部分です。
内装は、水平基調で余計な突起を廃したインパネと新構造のAピラー採用&ワイパーが見えにくい構造による圧倒的な「視界の良さ」は、小田急ロマンスカーのパノラマ席のようなイメージで、そのなかでも「ホーム」グレードの明るいソフトグレー内装だとより広さを感じさせます。
また、歴代フィットの弱点ともいえるシートですが、フロントは面で支えるMAT構造と高密度クッションを用いた「ボディスタビライジングシート」の採用で、柔らかなかけ心地にとフィット感を両立。リアもシートアレンジの良さはそのままに、厚みのあるパッドの採用で長時間乗ってもお尻が痛くなることはありません。
ただ、ひとつ気になるのはフル液晶メーターやダイヤル式の空調パネルはインテリアの雰囲気にあった優しいフォントを採用していますが、ディーラーオプションのナビ画面は従来と同じ文字フォントを採用しているため、統一ができていない点が残念。細かい部分ですが「フィット専用」とうたう以上は改善して欲しい部分です。
走りの部分はある意味、兄貴分のシビックよりも大人な仕上がりに感じました。
ガソリン車のパワートレインは、1.3リッター+CVTを搭載し、必要十分な性能と燃費は実感できますが、あくまでも実用性に特化したパワートレインで新型のキャラクターには残念ながらマッチしていません。恐らく、価格訴求の意味合いが強いと思います。
本命は、ハイブリッド車の1.5リッター+2モーター「e:HEV」でしょう。エンジンは発電機、駆動はモーターでおこなう「シリーズ式」ながら、高速クルーズ時は「エンジン走行」も可能な独自のシステムですが、面白いのは言葉として正しいか解りませんが、「ハイブリッドなのにハイブリッドらしくないフィーリング」です。
具体的には、1.5リッターターボ並みのトルクを発生するものの、発進時はモーター特有のドーピング的な力強さはないうえに、車速とエンジン回転数の連動感を向上させる制御により、まるで良くできたガソリン車のようなシームレスで滑らかなフィーリングで、「モーター走行⇔ハイブリッド走行」の切り替えに気が付かないときもあるくらいです。
これを「電動感がない」と見るか、「ガソリン車から乗り換えても違和感がない」と見るかは分かれるところですが、筆者は後者です。
恐らく、エンジンスペックは高く、バッテリー容量が少ない(先代とほぼ同じ)ことからこのような味付けにしていると思いますが、筆者は歴代ホンダハイブリッド(IMA、スポーツハイブリッドi-DCD)の「エンジンが主でモーターがアシスト」のスピリットが踏襲されているような気がしました。
また、ハンドリングは過度な所がなく「バランスの良さ」が印象的です。具体的には操作に忠実に反応、コーナリングの一連の動きの連続性の高さ、無駄な動きは抑えるが動かす所は動かす足さばきの良さ、4つのタイヤを上手に使う、といった基本的な部分の純度が高められています。
■新型フィットは「刷新」ではなく「熟成」
新型フィットは、全高の高い5ナンバーのコンパクトハッチとして、非常に優秀な高速走行の直進性の高さも実現。つまり、「見せかけのスポーティ」から「本質のスポーティ」になったといえます。
そのうえで快適性も大きく改善されていて、歴代モデルの弱点だった。ヒョコヒョコと揺すられ感は影を潜め、凹凸の吸収の仕方やアタリの優しさなど快適性は現行モデルから大きくレベルアップしており、シビックにも匹敵するレベルに来ています。
ちなみにパワートレインによって若干性格が異なり、ガソリン車は鼻先の軽さを活かして小気味よさとキビキビ感、ハイブリッド車は逆に重さを活かした穏やか、かつシットリした乗り味になっています。
さらに、車高が30mm高い「クロスター」グレードはエアボリュームの高いタイヤとの組み合わせにより、ほかのグレードよりもアタリの優しい快適性と無駄な動きを活かしたハンドリングに仕立てられています。
いまやデフォルトアイテムの安全支援システムは新たに「フロントワイドビューカメラ&ソナーセンサー」を採用した“新”ホンダセンシングを採用。
「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」と「LKAS(車線維持支援システム)」の制御も高められていますが、基本性能の向上も相まって、積極的に使いたくなる機能になっています。
総じていうと、新型フィットは「刷新」ではなく「熟成」の道を選んだことが功を奏したと思っています。これまで気付かなかった、もしくは気付いても手が入れられなかった細かい部分まで徹底追求できたことが、結果として全方位で“質”の高いクルマに仕上がった要因だと考えています。そういう意味では、フォルクスワーゲンの「ゴルフV⇒ゴルフVI」の進化に良く似ているかもしれません。
欲をいえば、ここまで走りがレベルアップしたなら、よりスポーツ性を高めたグレードが欲しいのも本音です。
個人的には「高出力エンジン+MT」のような古典的なスポーツではなく、e-HEVをよりパフォーマンスに使える制御に仕立てたパワートレインに、ガソリン車のような小気味良いキビキビしたハンドリングを備えたスポーティグレードの「新RS」があったら、ユーザーの幅もより広がり、面白くなると思います。
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みんなのコメント
納期がかかるのがネックですね。