多様なエンジンが存在 既に入手困難な部品も
アルファ・ロメオ・ブレラとスパイダーの欧州仕様には、ガソリンからディーゼルまで多様なエンジンが存在した。税金や維持費が異なるため、どれを選ぶべきかは良く考えたいところ。
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予算に応じてエンジンを選べる点は、今でも魅力の1つといえるだろう。ちなみに日本へは、2.2Lの4気筒と3.2Lの6気筒の2種類が正規導入された。
基本的なメンテナンスに必要な消耗品を除いて、交換部品は入手が難しくなっている。ただし、英国では熱心なアルファ・ロメオ・マニアも多く、独自に修理を済ませた再生部品が取引されている。パワーウインドウ・スイッチなどは特に心強い。
純正のエグゾーストシステムは、非常に珍しく高価。多くの場合、社外品へ交換されているようだ。
商談を進める前に、整備履歴と現在の状態をしっかり確かめる。横向きに搭載されたV6 エンジンの場合、手前側の点火プラグは交換しやすいものの、奥側は作業が少々面倒。稀に奥側だけ放置されている事があるため、注意したいところ。
エンジンがミスファイアを起こしているなら、点火プラグの劣化を疑う。あるいは、点火コイルの故障かもしれない。ディーゼルエンジンでは、パティキュレート・フィルターが不調になることがある。
長距離移動を楽々とこなすグランドツアラー
年式的に、ガソリンエンジンのタイミングチェーンや、ディーゼルエンジンのタイミングベルト、ウォーターポンプの交換など、大きな作業が迫っている場合が多い。継続的に乗るうえで不可欠といえるが、車両価格と比較すると高く感じられてしまうはず。
欧州では長距離を移動する目的で乗られた例も多く、ディーゼルエンジンでは特に走行距離は長め。MTが主流で、ATは少ない。スパイダーは全般的に走行距離が短く、ATも多い傾向がある。
スパイダーのソフトトップは、固定ラッチを外せば自動で開閉する。システムは故障しがちで、完全に動作するか予め確かめたい。新しい制御ユニットや油圧ポンプは入手できないようだが、英国には修理を引き受けてくれる専門ショップがある。
ボディやシャシーは、下回りにサビがないか、ホイールアーチ・ライナーが正しく固定されているか確かめたい。サスペンションは、アーム類やボールジョイント、スプリング、ハブベアリングなどの状態を調べる。純正部品は入手困難で、社外品の寿命は短い。
スポーツカーというよりグランドツアラー的で、乗り心地は快適志向。長距離移動を楽々とこなせる。サスペンションがヘタると、その魅力は霞んでしまう。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
ボディは、飛び石傷やクリア層の状態を観察する。バッテリートレイ付近や、ボンネットとその周辺のパネル、リアフェンダーの後部、アンダートレイで見えないフロント・サブフレーム、リア・サスペンション・リンクの腐食に注意。
エンジン
ブレラとスパイダーに搭載された多彩なエンジンは、GMとフィアットが開発を担ったもの。信頼性は全般的に高いが、寿命を伸ばすうえで、定期的なメンテナンスは不可欠。整備記録や、実際の状態を確かめたい。
ガソリンエンジンはタイミングチェーン式で、基本的には16万km程度まで交換は不要。それでも、異音がする場合は早めに対応したい。ディーゼルエンジンはタイミングベルトで、6年毎か9万6000km毎の交換が指定されている。
いずれも、ウォーターポンプとともに、過去に交換された時期を確認する。純正のエグゾーストシステムは高い。
ブレーキとサスペンション
スポーティなモデルなだけに、サスペンションやステアリング、ブレーキへ負荷がかかる乗られ方をされがち。サスペンションは、スプリングが折れていないか確認する。
走行中にカタカタと異音がないか、不自然な緩さがないか、試乗で確かめたい。タイヤが偏摩耗している場合は、サスペンションがヘタっている兆候。
ボールベアリングとステアリングラックやボールジョイント、リアハブ・ブッシュ類の摩耗、ハブベアリングからの異音もチェックポイント。ブレーキは乗る機会が少ないと固着しがち。
トランスミッション
M32ユニットと呼ばれるMTは、ベアリングノイズが発生しやすい。走行中にキーキーと鳴いたり、ギアをかじるような症状が出る場合は、メンテナンスが必要。英国では1000ポンド(約19万円)でリビルドできる。
インテリアと電気系統
パワーウインドウのスイッチは故障しやすい。レザー内装は傷みやすい。シートのサイドサポートが破れていないかなど、細部まで観察する。交換部品は入手が難しく、すべての車載機能が正常に機能するか、スイッチなどに欠品がないかも確かめたい。
ソフトトップ
ソフトトップは正常に開閉でき、異音が出ないか確認する。開閉システムからのフルード漏れや、各部からの雨漏りがないかもチェックポイント。
アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダーのまとめ
印象的なスタイリングで、運転が楽しく、基本的に信頼性は高い。複数の仕様が存在し、価格は販売店によって差がある。英国の場合、ブレラとスパイダーの価値に目立った違いはない。
定期的に利用され、整備を受け、ガレージに保管されてきた例が望ましい。よくクルマを比較して、ベストな1台を選びたいところ。
良いトコロ
ブレラもスパイダーも美しく、充分に珍しい。アルファ・ロメオ・ファンからの支持は高く、信頼性も悪くない。整備は、難しい部類には入らないだろう。
良くないトコロ
既に部品には入手困難なものも。V6エンジンの税金は高め。コストの掛かるメンテナンスが迫っている例が多い。タイミングチェーンは特に、過去の交換履歴へ注意したい。
アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー(2005~2011年/英国仕様)のスペック
英国価格:4万5705ポンド(1994年時)
生産数:2万1661台(ブレラ)/1万2363台(スパイダー)
全長:4393-4410mm
全幅:1830mm
全高:1318-1341mm
最高速度:215-249km/h
0-97km/h加速:6.8-9.1秒
燃費:7.1-18.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1470-1690kg
パワートレイン(ガソリン):直列4気筒1742cc ターボチャージャー/直列4気筒2198cc 自然吸気/V型6気筒3195cc 自然吸気
パワートレイン(ディーゼル):直列4気筒1956cc・2387cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン/軽油
最高出力:171ps/4000rpm-263ps/6300rpm
最大トルク:23.4kg-m/4500rpm-44.8kg-m/1500rpm
ギアボックス:6速マニュアル/6速オートマティック(前輪駆動/四輪駆動)
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